TOEICのリスニング試験は45分間、合計100問となっています。
その中で最後に登場するPart 4は「1人の人物による長文英語(ナレーション)」問題となり、場面は電話応答やメッセージ、会議の一部、駅や空港内アナウンス、スピーチなど多岐に渡っています。Part 4はPart 3より問題数が少なく10の音声が用意され、設問がそれぞれ3つの合計30問(音声の長さは30秒~60秒)となっています。設問文の先読みをはじめ、色々なシチュエーションに慣れていることが重要です。
この記事では、TOEIC Part 4の問題パターンやシチュエーション、注意ポイントなどを紹介していきます。
TOEICリーディングの他のパート詳細や概要は、下記の記事にまとめています。
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① Part 4: 概要の把握問題
TOEIC Part 4には5つの形式があると言われ、その1つ目が「概要の把握問題」と言われるものです。これは、話題、聞き手が誰なのか?、どこで話されているのか等を問われる問題のことです。「概要の把握問題」のポイントは、
◎各問題の1問目に聞かれることが多い
◎冒頭でヒントがすぐに出ることがある
◎話の全体から推測し判断することもありうる
ということです。代表例として”Who most likely is the speaker”などで使われる、most likelyです。例題を見ていきましょう。
【例題】

早速most likelyが使われている設問が出てきましたね。問80は少し話を聞いて場所を想像する必要がありますね。今回話し手は「保管している品物を保護するため、新しい安全対策としてメインゲートにスキャナーを設置。顧客は全員、自分の保管場所へ行くには通行カードを読み取り機にかざさなくてはいけない」と説明しているので、(B)が正解となります。(A)や(C)も”安全対策”という単語だけを聞くと引っかかってしまいそうですが、全体の話を聞いて回答を導きましょう。
上記例題の正解は、問80 (C)、問81 (A)、問82 (C) となります。
② Part 4: 詳細把握問題
Part 4で最も出題される頻度が高いと言われてる「詳細把握問題」。このタイプの問題では、出来事や事実など、話の細部について問われます。この問題のポイントは、
◎具体的な質問から漠然とした質問まで多様である
◎設問と本文の順番は大体一緒なので、事前にどのあたりで出てくるかを予想して聞く
ことです。よく目にする問題文の例として”What does the speaker suggest?”や”What problem does the speaker mention?“というものが挙げられます。
【例題】

問73で例として挙げた”What does the speaker suggest…”が早速出ていますね。今回は設問の最後に来ているので、音声も最後のほうに読まれることが予想できます。回答を見ていくと(A)、(C)、(D)に関しては何も言われていないので、消去法で(B)となります。立地、設置、利便性の良さなどを話者は述べており、納得しなければWeb siteに載せた動画を見てくれ、と提案していますね。
上記例題の正解は、問71 (C)、問72 (A)、問73 (B) となります。
③ Part 4: 次のアクション(行動)問題
Part 4の「次のアクション(行動)問題」とは、音声が終わった後、話し手もしくは聞き手が何をするか?と問われる問題のことです。これは話をきちんと聞き、次の行動を推測する必要があります。この問題のポイントは、
◎各設問の3問目に来ることが多い
◎話の終盤に情報があることが多い
◎ヒントを聞いたら、次のアクションのヒントを待つ
ことです。これは問題を見た方が理解が深まると思いますので例題で練習をしましょう。
【例題】

問76が「次のアクション(行動)問題」ですね。話し手は7月から次世代自動車モデルの組み立て工程の開始を伝え、「監督者は工場内の生産現場の工員に対して、仕事を改めて割り当てる必要がある」と述べており、回答は(A)となります。
上記例題の正解は、問74 (C)、問75 (B)、問76 (A) となります。
④ Part 4: 話し手の意図問題
Part 3でも出てきましたが、話し手の特定のセリフの詳細な意味について問われる問題です。
Part 3とPart 4を合わせて5問程度出ると言われています。このタイプの問題は、
◎セリフの前後関係を正しく理解することが必要
◎選択肢はポジティブな内容とネガティブな内容に分かれることが多く、迷ったら雰囲気や口調で判断する
この2点がポイントとなり、総合的な英語力が必要とされます。
【例題】

問79の “the sun is shining” が話し手の意図問題となっていますね。この文が読まれる前に話し手は、「屋内にも食事エリアはあるが、バラ園を見渡せるテラスにテーブルと椅子がある」と聞き手に案内をしていることで、話し手はテラス席の利用を勧める為にこの発言をしたと考えられます。よって回答は(A)となります。
上記例題の正解は、問77 (D)、問78(C)、問79 (A) となります。
⑤ Part 4: 図表問題
Part 4の最後に2セットもしくは3セット出てくる図表問題。問題用紙に印字された図表を見て答える問題です。苦手な人も多いと言われているこの図表問題のポイントは、
◎図表を見て解く問題は、”Look at the graphic.” で始まる設問のみで、他は図表と関係ない
◎図表の情報の一部と選択肢が対応しているので、図表の別の情報と音声を関連づけて解く
この2点を押さえ、練習問題へ移りましょう。
【例題】

図を見て答える設問は問96になりますね。ここでは話し手は聞き手へ、様々な室内配置を添付したメールを送付したと伝えた上で「出席者がメモを取るだろうとメールに書いてあったので、テーブルが2列で全参加者が同じ方向に向く配置をお勧めする」と提案しているので、図表④が当てはまり回答は(D)となりますね。
上記例題の正解は、問95 (D)、問96 (D)、問97 (C) となります。
次は、TOEIC Part 4の場面ごとの聞き取りポイントをお伝えします。
聞き取りポイント①: 電話メッセージ編
Part 4のジャンルで最も出題頻度の高い電話のメッセージ。電話メッセージには、
パターン①: 不在時にかかってきた留守番電話を再生しているような場面
パターン②: 電話の音声案内を聞いているような場面
の2パターンがあります。まずパターン①「留守番電話」再生場面では、
◎誰が誰にメッセージを残しているのかを早急に察知
◎何の目的で何をするのかという細部が問われることも多い
◎話の後半に新しい情報を付け加えることも少なくない
の3つを意識して問題を解くことをお勧めします。逆にパターン②「音声案内」パターンでは、
◎冒頭で誰に電話をしているのかを判断する
◎情報が矢継ぎ早に述べられることが多いので、どの情報が欲しいのか(設問)を前もって確認
どのパターン化を判断し、練習問題に取り組みましょう。
【例題】

問77から見ていきましょう。話し手は聞き手に対し、「Sunrise Times新聞社のスタッフとして迎え入れたい。あなたのような熟練の記者を私達のチームの一員に迎えるのは嬉しいことだ」と最初の方で述べていますね。ここから話し手は新聞社で働いている判断できます。
問78は意図問題ですね。話し手は「ジャーナリズム専門学校を出たばかりの人々を頻繁に雇用するため、新しい従業員は多くん質問があるということは理解している」と話した後「だが」(but)と続け、”you have a lot of experience.”と発言をしています。よってこの発言で話し手は、聞き手が他の新しい社員とはことなり経験豊富なため、「手助けを必要としないだろう」と考えている(B)が正解になります。
問79は最後の方で「明日から3日間休暇で出かける」と予定を伝えているので、(C)が正答ですね。
答え: 問77 (A)、問78 (B)、問79 (C)
聞き取りポイント②: 会議の一部編
これは出席者の一人として会議に参加しているような場面のことで、excerpt from a meetingを指します。excerptは「抜粋」という意味で問題の冒頭で読まれますが、excerptの意味が分からずつまづいてしまう受験者も多くいますのでここで覚えておきましょう。
このタイプの問題の聞き取りポイントは、
◎誰が誰に向かって話をしているのか早急に判断(上司から部下、社員から顧客など)
◎会議の目的が何なのかを聞かれたり、聞き手に何かしらのアクションを求めることが多い
ことです。会議の一部リスニングも練習問題を解いたりして慣れておくことが大事です。
【例題】

問74は「概要の把握問題」でよく使われるmost likelyの問題ですね。話し手は最初の方に「当店に加わったアウトドア用衣類品の新商品ラインのお陰で、今月取引きが増えたことをお知らせ出来るのは嬉しい」と述べているので、衣料品を扱っていることが予想できますね。
問75ではお客様が苦労していることについて聞かれています。問74の後すぐにHoweverと逆接の意味を持つ接続詞が出てきて、「追加した上着、手袋、帽子を陳列するために商品配置転換をしたが、お客様が探しているものを見つけるのに苦労している」と述べられています。よって回答は(B)になります。
問76は「次のアクション(行動)問題」の1つで、聞き手は何を求められているでしょうか?これは問75の回答の後に「お客様は以前のレイアウトに慣れていた」と補足した上で、「このことを念頭に置き、数週間は特に顧客の役に立つようにしてください」と促している(A)が正解となります。
答え: 問74 (D)、問75 (B)、問76 (A)
聞き取りポイント③: 放送文編
媒体が限定されることもある放送タイプの問題では、以下の点に留意しましょう。
◎人物を紹介する放送が多い
◎天気予報や道路工事の状況を伝える放送から、一般的なニュースなど幅広い
◎「次のアクション問題」で問われやすい
ニュースやラジオのような問題が苦手な人も少なくはないので、公式問題集で練習をしたり、日頃から英語のニュースやラジオを聞くようにしましょう。
【例題】

上から順番に見ていきましょう。問80では本日の放送テーマが問われていますね。番組冒頭の挨拶に続け、「本日はオーバーナイト・オートミールと呼ばれる健康的な朝食用の食べ物を紹介する」と放送テーマを伝えています。どれも一見すると当てはまりそうですが、(B) Breakfast foodsが正解です。cold cerealのcoldに惑わされて(D)を選ばないようにしましょう。
次の問81では、話し手はこのレシピの何が好きか?ということが聞かれています。中盤の方で”I especially like that this recipe has very little sugar.”と言っているので、”low in sugar”と言い換えがされている(C)が回答となります。
問82は話し手が次に何をするか?という質問ですね。最後のほうで「Carrie Nelsonを紹介し、オーバーナイト・オートミールと、その他彼女のお気に入りの朝食についても話をする」と言っていることから(A)インタビューをする、ということが分かります。
答え: 問80 (B)、問81 (C)、問82 (A)
聞き取りポイント③: 広告編
広告ジャンルでは、テレビやラジオのような広告を想像すると解きやすいと言われています。
このタイプのポイントは、
◎誰が何を宣伝しているのか、少ない情報から早期に状況を理解する
◎唐突に商品案内が始まることも多い
◎商品名が固有名詞で登場する場合がほとんどなので、聞き取る際に注意
◎特典について聞かれることも多いので注意を払う
上記4点を意識しながら、練習問題に取り組んでみましょう。
【例題】

Hamson Collegeの宣伝に関する問題です。同じく上から順番に確認していきましょう。
問83ではHamson Collegeの専門を聞いている問題です。冒頭で”Hamson college, the school for business management.” や”Our specialized courses focus on all aspects of running your own company.”から予測できる通り、(D) Business management が回答となります。
問84では学生達はHamson Collegeの何を気に入っているかの質問です。皆さんは聞き取れましたでしょうか?中盤で”Hamson was ranked by students as having the most scheduling flexibility of any college.”と言っていることから、(B) The flexible scheduling が正解ですね。
最後の問85は日付がきちんと聞き取れていれば解け、また今までの話から予測が立てられる問題です。問84のすぐ後に、”Come to an information session on August seventeenth” と聞き手は話しているので、(C) An information session will be held. が回答となります。
答え: 問83 (D)、問84 (B)、問85 (C)
TOEICリスニング Part 4 まとめ
・1人の人物による長文英語(ナレーション)で、少し単調になる
・日頃からニュースやラジオを聞く事で、放送文には苦手意識を持たないようにする
・何度も練習問題を繰り返し解き、問題の傾向やタイプに慣れる