帰国子女のためのTOEFL

帰国子女TOEFL

海外に1年以上住んでいる高校生は、大学受験ではいわゆる「帰国子女枠」として特別な選抜基準が設けられています。そして、帰国子女の方々の英語力の証明としては、日本国内で出願の際、TOEFLのスコア提出が義務となっている学校がほとんどです。合格スコアは志望校によりますが、69点から100点以上を求められるのが一般的です。しかし、高ければ高いほど入学受け入れの確率が高くなるため、帰国子女のほとんどが100点に近い点数、それ以上を求めるケースがほとんどです。

帰国子女枠で高校編入、大学受験をする場合に必要なTOEFL iBTの点数

帰国子女にとっては避けられないTOEFL iBT対策。それでは、実際に帰国枠で日本の大学にTOEFLのスコアを提出する場合は、どのくらいの点数が必要なのでしょうか。

学校にもよりますが、以下の点数が目安と言われているようです。

難関国立大学:100点以上
難関私立大学:90点以上
中堅私立大学:75点以上
有名私立大学:65点以上



こちらの点数はあくまでも合格された方々の点数の目安です出願自体はもっと低い点数でも受け付けている場合が多いので、希望進学先の要件をよく確認しましょう。一般的に合格に必要と言われている点数より低いスコアで難関私立大学に出願し、合格された方もいらっしゃいます。しかし出願倍率にもよりますのでなるべく高い点数を取っておいた方が無難です。日本の高校に編入する際にもTOEFLは必要ですが、高校編入においても同じくらいの点数が求められるのが現実です。

高いスコアを取得しておく方が有利なことには間違いありませんが、まずは希望進学先の帰国枠の募集要項を見て、必要な点数・スコア提出時期を確認しておきましょう。そして早めの対策を取り出願ぎりぎりになるまで点数が取れない、入学を先送りにする、などの問題が起こらないようにしましょう。 

最低の点数を設けている機関も多いので、最低70点は超えるように対策を取りましょう。

【日本】大学一般入試におけるTOEFL iBT利用状況

2023年にTOEFLを運営するETSによって行われた調査によると、大学の一般入試においてTOEFL iBTのスコアを考慮する大学が以下の通り公開されております。

TOEFL iBTテストの大学における活用状況

こちらの調査によると、TOEFLiBTの利用は近年増加している傾向で、500以上の大学でiBTテストのスコアを入学選抜に利用すると回答しています。帰国子女枠以外でも、現在ではより多くの大学がTOEFLを選考に利用していると言えるでしょう。TOEFLを帰国子女枠に取り入れている大学は、東京大学、東京外語大学、慶応大学、上智大学、青山学院大学、テンプル大学、同志社などの有名大学です。

TOEFL iBT MyBest™ Scoresとは?

2019年8月より、過去2年間に受験した全てのTOEFL iBTのテストスコアから、各セクションの最も高いスコアを組み合わせた「MyBest™スコア」が導入されています。受験者にとっては、MyBestスコアの導入によって、出願要件を満たす志望先が増える可能性があるので、非常に有利な制度と言えます。ただし、MyBestスコアを活用するかどうかは志望校によりますので、自身の希望進学先がMyBestスコアを受け入れているかチェックしておきましょう。

MyBest™スコア を受け入れている教育機関は、以下のETSのページより検索することができます。
立命館やソフィア大学、東京大学で取り入れているようです。

https://www.jp.ets.org/toefl/institutions/ibt/set-score-requirements/mybest-acceptance.html

帰国子女入試の場合、いつからTOEFLの準備をするべき?

それでは、帰国枠で日本の大学に進学したい場合、TOEFL対策はいつごろから始めれば良いのでしょうか?

海外の高校に通っているからといって自然に英語ができるようになるわけではありません。進学先の環境によりますが、中には日本人同士で固まってしまって、授業以外では英語を使う機会があまりない・・・という生徒様もいらっしゃいます。他には、あまり英語の文法を勉強することがないまま留学し、意思疎通はできるけど、文法がわからない方もいらっしゃいます。それがリーディングの能力を下げてします要因になっている場合も多いです。

今留学していて、帰国後にTOEFLを使った帰国子女枠での大学進学を検討している場合は、なるべく早く試験を意識した英語の勉強を開始しましょう。

学習を開始するにあたっては、まずTOEFL iBTを受験するか、問題集を解いてみて今の自分の実力を確認しましょう。そして、目標点数に合わせてTOEFLへのアプローチを工夫していきます。

帰国子女の生徒様は多くリーディングを苦手とする方が多いです。理由としては、何となく英語が分かっているのでなんとなく読んで大まかに理解しているという理由からです。文法的解釈や正確な意味を理解しながら読むことをしたことがないからとも言えます。TOEFLの設問は単語を入れ替えてそれなりの意味になるように工夫されていたり、因果関係を逆にしたり、と意味を理解していないと正解に導けない問題が多々あります。そのため帰国子女の方はリーディング読解で設問の違いが見極められるようにする練習が必要です。

帰国子女レベル別対策

現時点のレベルTOTAL 41~60
どの点数を目指す場合も、英語の基礎から勉強を始めた方がいいでしょう。また、基礎からおさらいする場合は時間がかかります。文法のおさらい、語彙の習得に加え、リスイング強化対策が必要です。TOEFLはリスニング力が重要なので、目標点数にもよりますが、学習期間の目安としては、スコアの取得期限の1~2年前には英語に特化した勉強を始めることをおすすめします。現地の学校に通っているため、英語に触れる機会も多く、リスニング力はそれなりに上がると考えられますが、しっかりと理解する、ノートティ―キングをするという能力は別に開発する必要があるのでリスニング力の強化は常にポイントとなります。

現時点のレベルTOTAL 61~70
英語の基礎が不安定なところがあります。目標点数が60点台でしたら、TOEFLの問題集に取り組みながら、分からない単語や文法を同時並行でおさらいしていきます。学習期間は半年から1年を目安に集中して対策を行いましょう。またこの段階からTOEFL対策の学校でレッスンを受講するのが一番効率的に学習を進める方法になります。なんとなーくで終わってしまっている場合は多いと思いますので、リスニングも、スピーキングも何んとなーく聞ける、伝えられるという方が多いです。そこの精密度を上げるためには、リスニングは聞きながら書き写す練習のディクテーションや音声のリテンション、リプロダクションの練習などリスニング力を鍛える強化対策が必要です。スピーキングも自分主張➡その理由と具体例というようにしっかりとしたアウトプットができるかどうかを確認していくことがポイントです。



【現時点のレベルTOTAL 71以上
100点以上を目指す場合、TOEFL対策と並行して英語の文法知識や表現の幅を広げるような勉強も行う必要があるため、最低でも6か月以上は勉強期間を設けましょう。実は、70点以上ある状態から100点を目指す場合がTOEFLでは一番難しいと言えます。TOEFLで100点以上を取ることは簡単ではありません。特にライティング・スピーキングにフォーカスして練習を重ねましょう。

帰国子女ライティング対策

新形式になり、タスク2のAcademic discussionは100文字ということでタスクの答え方を学べてはそれほどチャレンジングではなくなりましが、タスク1の統合問題のリポート形式ではリスニング、メモ取りの技術、サマリの書き方、構成を学習する必要があります。また、高得点を取るためには言い換え表現を使用していくことが重要となるため、リーディングの部分をコピペしなことが前提となります。ここでもリスニング力が問われますが、なるべくリスニングの詳細までとれていること、特にキーワード等を聞き逃さないことがポイントです。リスニング力の制度を上げて、書き換え表現を巧みに使用したサマリーを書きましょう。構成はほぼ5段落構成となります。イントロダクションでリーディングの概要とレクチャーの立場をはっきりさせて、反論か、同意か、具体例を挙げているかのどれに当てはまるかを確認していきましょう。大半の場合は反論しているタイプが多いでしょう。その後の段落ではポイントが2つ以上示されますので段落に分けてポイントを書いていきましょう。結論はレクチャーの立場をはっきりさせます。

イントロダクションリーディングの概要とレクチャーの立場
ボディー1レクチャーがリーディングに対しての賛成(もしくは反対)のポイント1つ目
ボディー2レクチャーがリーディングに対しての賛成(もしくは反対)のポイント2つ目
ボディー3レクチャーがリーディングに対しての賛成(もしくは反対)のポイント3つ目
結論レクチャーの立場を再度言及する

そしてライティングは常に書いて練習をして、時間内に書き終えることとを目指しましょう。その後、リスニング部分のスクリプトを参照して内容に誤りがないかを確認しましょう。解答例があればサンプルを参照するのもよいでしょう。ライティングは独学が難しいため、自然は表現や段落のまとめ方、アカデミックな書き換え表現などを学習できる添削サービスなどの利用も検討しましょう。

帰国子女スピーキング対策

ある程度のスピーキングができる方が多いと思いますが、そこからどのように点数を上げていけるかが問題になる所です。パート1以外はリスニングの部分がしっかり聞き取れているかによってスピーチの内容を左右してしまうので、ここでもリスニング力とメモ取りは必要です。

は自分の主張を述べる所、15秒で2つの理由を考え、45秒でアウトプットします。ここは練習を欠かさず行いましょう。

task 1の対策

タスク1は唯一、独立問題で自分の主張をするところです。15秒という短い間に2つの理由を考えましょう。そしてその例はなんでもいいので取り付けるようにしましょう。もちろん話すスピードによって例を入れられない場合もあると思いますので2つの理由はしっかりと時間内にアウトプットできるように。理由が2つか考えられない場合は逆の意見の方がなぜいけないのか?について言及するとと良いでしょう。

【例題1】
Would you prefer to work at one job your entire life or to switch jobs every five years? Explain your response with details and examples.

【回答例】
In my view, working at one job is more beneficial than switching jobs. First, if we focus on one job, we can gain expertise and as a result, we can get more salary and feel a sense of achievement from the job. Second, although switching jobs may be very exciting and offers new experience and new relationships, I believe it can eventually get to the point where the excitement and new experiences are tiring,and one point in time, sooner or later, we need to focus on our attention to one area of our career. I decided my career early and stick to it, so that I am very successful in the field.

タスク2の対策

タスク2は学生たちの会話で学生の意見をリスニングをもとにレポートするタイプです。リスニング力が決め手でポイントは約2つから3つあります。男性(もしくは女性)がなぜ反対(もしくは賛成)しているかの理由を述べます。2つか3つの理由がしっかり聞き分けられており、その理由を60秒内で言うので、早く終わりすぎないこと。リスニング部分の長さによってある程度省略すべき所を見極めましょう。具体的であればあるほどスコアアップにつながります。

タスク3の対策

タスク3はアカデミックの講義になり、リーディング部分が何かのアイディアの定義が示されており、レクチャーがその具体例や詳しい説明をするケースがほとんどです。そのため、ある概念というものをリーディングで理解しておくことがポイントです。ここから講義は長く、複雑になりますので、レクチャーのポイントが分かるようにメモ取りの技術を磨きましょう。そして60秒内で言えるように時間を図って練習する必要があります。

タスク4の対策

タスク4はレクチャの講義の内容を聞いてそれをリーポートするため、リーディングの部分はなくなりますが、しっかりとレクチャーの内容が聞き取れている必要があります。レクチャーの部分のリスニングが最も長い部分で、タスク3と同様にポイントを押さえたメモ取りが必要で、スピーキングをまとめる力が必要になる所です。重要なポイントを聞き逃さない、重要でない部分は落としていく必要がでてくるのでサマリースピーチができるように日々アウトプットの練習をしましょう。

このようにタスク1を除いたすべての部分でリスニング力が必須です。リスニング力とメモ取りの技術を伸ばしつつ、アウトプットでサマライズできるように実践的に練習することがスコアアップにつながるでしょう。
スピーキングの答え方を学ぶにはテンプレートが効果的ですので下記のブログ記事も参考にしてみましょう。

帰国子女のためのTOEFL iBT まとめ

帰国枠で日本の大学に進学する場合、TOEFL iBTのスコアがほぼ必須点数は進学先によって異なるため、希望進学先の要件を確認しておくこと
MyBestスコアを使えるかどうかも要確認帰国枠受験を考えている場合、まずTOEFL iBTを受験するか、問題集を使って自分の実力を把握する
今の実力と目標点数を見て対策を行う。基礎が不安な場合は文法から見直し目標スコアが高ければ高いほど対策が必要

でもアウトプットの練習は欠かさず、時間内にポイントをまとめるようにしましょう
特に100点以上の高得点を目指す場合は長期計画とTOEFL専門学校に通うことも検討しましょう

効率よくTOEFLのテクニックを身に着けたい場合や、ライティング・スピーキングのスコアアップに苦労している場合、プロの手を借りるのが最良です。帰国子女生が多く在住する当校のTOEFL対策コースはオンラインで世界のどこからでも受講でき、実際にTOEFLでハイスコアを取得したバイリンガル講師が目標達成をサポートします。

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