TOEFLの対策においては、リーディングとリスニングの強化、つまり英語の基礎力をつけることが最も大切です。留学経験がなくとも正しい勉強法を取り入れてハイスコアを取れる方もいらっしゃいます。
高得点をめざすためには、独学でも正しい勉強方と取り組み方を地道に行うことが大事。ここではスコアアップのためのTOEFL独学勉強法についてご説明します。
TOEFLテストについて
TOEFLiBTテストとは”Internet-Based Testing”の略称です。TOEFLは英国圏の進学や留学のため、もしくは帰国子女の国内編入や進学のための英語能力判定テストです。ETSというアメリカの機関が運営しているテストで、世界中の大学は教育機関で広く取り入れられているテストです。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能を図るテストですので、4つのセクションの対策をバランスよく行うことは大事になりますが、まずは苦手な部分を伸ばしていく、プラス向上に時間のかかるリスニングから行っていきましょう。リスニングはTOEFLでは一番大事な技能の一つ。リスニングが聞き取れなけば、リスニング試験のみならず、統合問題のライティングにもスピーキングにも支障が出てしまうからです。
TOEFLの難易度
TOEFLは他の英語資格、TOEIC、英検よりも各段に難しく、評価対象となるIELTSよりも高得点を取るのは難しいと言えます。TOEFL100点はTOEICで言う満点に値し、IELTSで言うと7.5ぐらい値します。2022年のETSの統計では、日本人の【旧型式】TOEFL iBTの平均点は73点でした。
特に日本人にとって難しいセクションはスピーキングで平均点は17点となっています。スピーキングセクションは時間内に自分の主張をする、もしくは統合問題でリーディングを踏まえた上でリスニングのリポートをする必要がありしっかりとした対策なしでは高得点を取るのが難しいためです。しかし逆にテンプレートを活用して練習を重ねれば高得点を取ることも可能です。他の英語資格とのスコア換算の詳細はこちらのページをチェック!
TOEFLテストの特長
TOEFL テストは、そもそも第2言語を話す学生が米大学進学のために必要となるテストですので、講義や学生間の会話、アメリカの歴史などのトピックを中心としています。また、統合問題というものが存在します。統合問題とは複数の技術を必要とする問題で、リスニングやリーディングのスキルがライティングのセクションで問われる問題のことを言います。TOEFLではこの統合問題がテストを難しくしている理由でもありますが、ライティングでもスピーキングでもリーディングやリスニングのスキルが問われます。特にリスニングは聞けて当たり前、と言わんばかりに音声がしっかり聞き取れていないとリスニングセクションだけでなく、ライティングとスピーキングのセクションでも足を引っ張る結果になってしまいます。
リスニングの音声ですが、そのスピードも他の英語テストよりも早く、難易度の高い講義の問題などが出題されるため、リスニングが特に重要な能力です。リスニング対策は欠かせないようにしましょう。
また、ライティングとスピーキングはAIの採点を取り入れています。人間の採点官の添削や評価も加わりますので、公平かつ、バイアスのない採点となると言われています。AIコンピューターで評価の高くするためのライティングとスピーキングの対策は必須です。
TOEFL独学勉強法
まずはインプットの語彙力強化対策
まずは、初めてTOEFLに取り組む方は、単語や表現を覚えるインプットを中心に行います。基礎英単語が抜けている方は、まず基礎的な英単語を毎日10個ずつ覚えていきましょう。単語を覚えて使えるように必ず例文も書き出します。音声がついている場合は音声も確認して、「書く、見る、読む、聞く」の4つのセンスを使って覚えるようにすると効果的です。
もちろんすき間時間でできるようにアプリを使っても構いません。「TOEFL Flashcards」は書く事は自分でしなければなりませんが、例文と音声もついており便利なアプリです。アプリを使うことで単語を覚えることを効率化できる方はぜひ使用しましょう。その他TOEFLおすすめアプリは下記をチェック!
インプットのリスニング強化対策
リスニング力の強化対策として流し聞きはせず、英語音声をアクティブに聞く時間を設けましょう。流し聞きせずリスニングを聞いて内容が把握できるかを確認していく作業です。音声はそれほど速くないものからナチュラルスピードへとステップアップするのが最も効率的。当校のおすすめの音声教材はなんといっても「TEDTALKS 」、様々な分野のトピックがカバーされていて短いものだと6分以内の音声を選べ、また教育的でアカデミックな内容も選べます。スクリプもついているので音声を確認することもできますので、とても便利なサイトです。
リスニングを聞きながらノートティ―キングの技術も磨きましょう。TOEFLでは長い音声を聞いた後に設問に答えるリスニング、音声ついて内容をまとめるライティング、スピーキングがあるため、ノートティ―キングの技術は必須です。音声の内容を後からしかっり正確に思い出せるように内容を書き留めます。
ノートティ―キングのコツは記号を使ったり、頭文字を使ったりすることで早く正確に書くように練習します。ノートティ―キングはやればやるほど身につくので日々練習を行いましょう。ノートティ―キングの初心者は、どうしても聞くことに集中してしまい、書くことがおろそかになりがちです。一夜で習得する技術ではないので、少しづつ手を動かせるように練習を積み重ねましょう。同時に、内容の分かってる音声を使用して、書く事だけに集中する練習も行いましょう。内容が分かっているので、記号や頭文字を使って書く練習ができ、書くスピードを速くする練習にもなります。
インプットのリーディング強化対策
リーディングはなるべく高得点を取りたいセクションです。しかしTOEFLのリーディングはパッセージの主旨を把握することはもちろんのこと、高得点を取るには、問題を解く際に設問の文章構造の違いを把握することも大事な要素の一つとなります。また、問題文の文章構造が複雑で何を問われているのかを把握するのが難しい場合もあり、設問は巧みに修飾する語句の位置を変えたり、2重否定の文章構造を使用したりと複雑な長い文章の設問を読み切ることが求められます。英文の修飾構造を理解していない方は、「分詞」、「関係代名詞」を把握しておくことは大事なポイントです。長い文章を理解することができれば長文読解もいずれはこなせるようになるでしょう。
リーディングは語彙を学べる、文法構造を確認できる、英語処理能力が鍛えられる、良いこと尽くめ。英語学習初心者はまずはインプットのリーディングを強化していくことが最優先となります。
インプットが万全になってからスピーキング・ライティング、つまりアウトプットの練習をしましょう。
スピーキングでは時間内に答えられるよう練習を繰り返します。
ライティングでは、様々な言い換え表現を覚えて、長く書く練習をしましょう。
アウトプットのライティング強化対策
リーディングとリスニングの対策を先行して始めた後、ライティングの勉強も始めましょう。ライティングの上達には時間がかかるため、なるべく構成通りに書き慣れるという段階が必要です。書き慣れれば時間の短縮にもつながります。ライティングのタスク1はリーディングとリスニングが伴います。20分で250文字以上を書きましょう。AIの採点では長いエッセイが高得点を取れるカギとなります。
タスク1はリーディングとリスニングの関連性についてリポートするタイプですので、自分の主張を述べるエッセイとは異なります。リーディングの部分はあるトピックに関する主張とその根拠が2つから3つ述べられています。リスニングの部分では各ポイントとは異なった観点について(反論)述べています。ポイントをまとめてレポートします。
5段落構成 | |
イントロダクション | リーディングの概要とスピーカーの立場について述べる |
ボディー1 | 反論ポイント1 |
ボディー2 | 反論ポイント2 |
ボディー3 | 反論ポイント3 |
結論 | 再度スピーカーの立場について述べる |
上記の構成で書き慣れることが大事ですが、リスニングが一回で聞き取れない、内容の詳細が分からずライティングが短すぎてしまうなどの場合は、リスニングの強化対策とメモ取りの練習も取り入れる必要があります。
タスク2のAcademic Disussion は、投稿形式のライティングです。10分以内に100文字以上で書く事が求められます。インスタクターの質問に対しての自分主張を述べますが、2人の学生の意見を読んだ上で自分の主張をするので、どちらかに同意して、その理由と自分独自の意見を述べましょう。125文字以上を目指しましょう。
<1段落構成> | |
どちらの学生の意見に賛成かを述べる | I agree with Andrew’s viewpoint that… |
その意見に賛成する自分なりの独自の(発展した)意見を述べる | I would argue that …. |
反対側の学生のメリットを述べる | John makes an important point that… |
反対側の学生のデメリットを述べる | However, he does not consider … |
結論 | Overall, I believe that … |
Academic Disucussion では、環境問題や社会問題についての論議が多いので、社会問題に精通するようにニュースを読むようにしましょう。また自分の意見が論理的であればあるほど、そして使われる単語がアカデミックであればあるほど点数が高いので、アカデミック表現の言い換えを中心に勉強しましょう。
<口語表現からアカデミック表現の例>
hang out (誰かと一緒に時間を過ごす) | ➡ socialize |
move(移動する) | ➡ relocate |
answer (答える) | ➡ respond |
fix(修理する) | ➡ repair |
hire (雇う) | ➡ employ |
want (欲する) | ➡ desire/wish |
try (試す) | ➡ attempt |
ask (尋ねる) | ➡ request |
アウトプットのスピーキング強化対策
アウトプットのスピーキングの対策は練習が必要です。 しかしコツを掴んでしまえばテンプレートが有効に使えるセクションで、要はリスニングの能力がスコアアップに関係してきます。タスク1~4まであり、タスク1の自分の意見を言う所以外は、生徒の会話や講義の音声を聞いてその内容をリポートすることが求められます。しっかりとしたテンプレートを覚えて、得点の取れる答え方を学びましょう。しかしリスニング力が伴わなければテンプレートを覚えた所で内容がない、間違っているスピーチになってしまうので、タスク1の自分の主張を述べるところ以外は、ある程度のリスニングが備わってから対策を行いましょう。
スピーキング対策では、リスニング力を鍛えながらテンプレート通りに言えるように、そして時間内でまとめる練習は繰り返しましょう。下記の答え方のテンプレートを参照してみてください。
TOEFL 独学で高得点を狙う勉強法 まとめ
TOEFLは難しい試験であることを認識して、高得点を狙う場合は長期対策は欠かせません。まずはリスニング能力が備わっていることが最大のポイントとなるため、リスニング力と語彙力の強化を優先しましょう。その後、アウトプットのスピーキングとライティングの対策も取り入れるようにしましょう。
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