IELTSのアカデミックモジュールは、海外の大学や大学院への留学をする際に必要になる英語資格です。
最近では、IELTSの知名度が上がり、日本国内の大学入試などにも用いられるようになってきました。
この記事では、進学を希望している高校生の方に向けて、IELTSの学習方法を紹介します。
増え続けるIELTS試験のニーズ
近年、IELTSアカデミックの試験の認知度が上がり、様々な場面でIELTSが必要とされるようになりました。
- 海外の大学への進学
- 日本の大学への進学
- 交換留学生の要件
- 一部大学での英語試験免除および加点
- 大学入試の足切り
IELTSが導入されている大学例
日本で入試にIELTSを導入している大学をピックアップしました。
今後さらに該当する大学が増えると予想されるので、早めに対策を行うことが大切です。
大学 | 学部 | 入試方式 | IELTSスコア |
青山学院大学 | 国際政治経済 (国際政治、国際コミュニケーション) | 【併用】個別学部A方式 | 5.0 |
中央大学 | 文(人文社会<英語文学文化>) | 【独自】英語外部検定試験利用入試 | 4.5 |
早稲田大大学 | 文化構想、文 | 【独自】英語4技能テスト利用型 | 5.5 |
必要とされるIELTSのスコア
高校の時点で必要となるIELTSアカデミックのスコアは以下の通りです。
- 日本の大学:4.5~5.5
- 海外の大学:5.5~6.0
また、他の英語能力試験とIELTSのスコアは次の表のように換算されます。
IELTS | TOEIC | 英検 | TOEFL IBT |
5.5 | 600~740点 | 英検2級以上~ | 46~59 |
6.0 | 741~819点 | 準1級 | 60~78 |
6.5 | 820~870点 | 1級 | 79~94 |
7.0 | 871~970点 | 1級以上 | 95~101 |
7.5 | 971~990点 | 1級以上 | 102~110 |
8.0 | 990点 | 1級以上 | 111~120 |

IELTSはスピーキング、ライティングなど、他の試験にはない技能も問われるため、正確ではありませんが、目安にしてください。
IELTSを受験する目的にもよりますが、高校生の方でも試験に臨む方は増えています。
スコアがいくつ必要なのかは大学により異なるので、希望している進学先の要件を確認しましょう。
スコア5.5~6.0に必要なこと
海外進学に必要な5.5~6.0を目指す方は、次のポイントに意識して学習を重ねていきましょう。
- IELTS特有の単語を覚える
- IELTSの出題形式に慣れる
- 英語基礎能力を高める(リテンション、瞬間英作文などの練習を行う)
- 単語、表現などの語彙を増やす
- 高校レベルの文法をおさらいする
IELTSと文法
IELTSでは、直接的に文法を問われる問題はありませんが、ライティングで文法を誤ると減点対象になります。
文法のルールを理解し、基本的な語彙力があれば、スコア6.0を取ることも可能です。
目標スコアごとの対策は、以下の記事でそれぞれ紹介しているので参考にしてください。






リーディングとリスニングの対策
まずは、インプット科目であるリーディングとリスニング対策に重点を置いて学習を進めましょう。
IELTSアカデミックの教材が難しいと感じたら、自分のレベルより少し上の教材を使用しましょう。



教材のレベルが高すぎてしまうと、継続が難しくなってしまうので、自分に適したものを使用しましょう。
リスニング対策
リスニング対策で最も効果的な勉強方法は次の3つです。難易度順になっているので、段階的に学習しましょう。
- ディクテーション
- シャドーイング
- リテンション
- ディクテーション
-
ディクテーションとは、英語の音声を聞いて、そのまま書き取る学習方法です。
正しい英文音声を書き取ることで、文の構造や知らない単語を確認でき、初心者の方にも最適な練習です。
- シャドーイング
-
シャドーイングは、流れている英語の音声についていくように音読する練習です。
- リテンション
-
リテンション(リプロダクション)は、英語の音声を聞き、それを文単位の塊で反復する練習です。
少し高度ですが、音声で聞いたことを頭の中に記憶する練習になり、効果的にリスニング力を養えます。
ライティングとスピーキングの対策
インプットの練習ががある程度安定した後は、アウトプット教科であるライティングとスピーキングに移行します。
ライティング対策
ライティングのスコアをのばすためには、とにかく書く練習を重ねることが大切です。
英文の正しい構成を学び、文法や表現が間違っていないか、丁寧に確認するよう心がけましょう。
スピーキング対策
スピーキング練習は、実際に声を出して解答することが大切です。
ボイスレコーダーなどを使用し、話し方の癖がないかなど、音声をフィードバックしましょう。
また、瞬間英作などの練習も、スピーキング力の向上に役立つのでおすすめです。
独学での学習
スピーキングとライティングは、独学では効率的に学べず、スコアを上げるまでに時間がかかりがちです。
独学での学習に限界を感じている方は、IELTS対策スクールなども検討してみましょう。
添削が充実しているか、解答のコツを教えてくれるかなど、複数の学校を比較することがおすすめです。


スコア換算表
IELTSのリスニングとリーディングのスコア換算表です。
目標とするスコアに必要な正答数を確認し、対策を行っていきましょう。
IELTS リスニング 換算表
Band Score | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5 | 4.5 | 4 | 3.5 | 3 | 2.5 |
Score / 40 | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 32-34 | 30-31 | 26-29 | 23-25 | 18-22 | 16-17 | 13-15 | 10-12 | 8-10 | 6-7 | 4-5 |
IELTS リーディング 換算表
Band Score | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5 | 4.5 | 4 | 3.5 | 3 | 2.5 |
Score / 40 | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 33-34 | 30-32 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 13-14 | 10-12 | 8-9 | 6-7 | 4-5 |



基礎英語力がある程度ついたら、ケンブリッジや公式過去問題などの模擬テストから設問形式と傾向を学び、本番に備えましょう。
まとめ
近年、留学だけでなく、日本の大学入試でもIELTSのスコアがプラスに働くようになってきました。そのため、高校生の方でもIELTSを受験されることが少なくありません。
海外の大学の入学条件としては、日本の基準よりも高く、スコア5.5~6.5、場合によっては7.0を求められることもあります。希望する進学先の入学要件を確認し、早めに対策を取っていきましょう。
バンドスコア6に到達するためには、一定のリスニング、リーディング、ライティング、スピーキング力を要します。しかし、高校英語の基礎ができている方には、実現可能な目標です。語彙力に関しては、高校で学ぶレベルではないので、自作の単語帳を作ることがおすすめです。
高校英語までの基礎が不安な方は、次のような学習を重ね、英語基礎能力の向上を目指しましょう。
- 文法のおさらい
- 単語力強化
- リスニング強化対策のディクテーションとシャドーイングやリテンション
- スピーキング対策の瞬間英作とIELTS頻出課題を網羅する
- IELTS公式問題集等の過去問を解いて、試験の傾向と設問形式に慣れる
目標スコア一発合格を目指し、万全な体制で試験に臨みましょう。
ゼロからスタートを応援!