IELTSライティング|一体どれくらい難しいの !?

IELTSのライティングセクションは、4つの技能の中で最も採点基準が厳しいと言われています。

この記事では、ライティングが難しいとされる理由と、その対策について紹介します。

目次

IELTSライティングの難さ

IELTSライティングでは、英語特有のエッセイの構成や書き方を知っておく必要があります。

日本人では6.5の取得が大きな壁とされ、ネイティブでも7.0~7.5を取るのは難しいと言われています。

平均スコアの比較

IELTSライティングの日本人の平均点は5.7ですが、英語圏であるカナダでも、平均点は6.1です。

さらに、第1言語が英語の受験者の平均点も6.2と、スコアが大きく変わらないことがわかります。

IELTSのようなアカデミックエッセイは、ルールやテクニックを知らなければ適切に記述できないため、英語圏でも「ライティングは教わるもの」と言われています。

採点基準

IELTSライティングは、4つの厳密な採点基準のもとで評価されます。 

  1. Task achievement(課題への適切な回答)
  2. Coherence and cohesion(一貫性と論理性)
  3. Vocabulary(語彙力)
  4. Grammatical range and accuracy(文法の正しさと複雑さ)

また、バンドスコア別の詳細な採点基準も公開されており、評価自体が厳しいことがわかります。

バンドスコア5.0の評価基準

トピック完成度 首尾一貫性単語文法
定義– addresses the task only partially; the format may be inappropriate in places

– expresses a position but the development is not always clear and there may be no conclusions drawn

– presents some main ideas but these are limited and not sufficiently developed; there may be irrelevant detail
– presents information with some organisation but there may be a lack of overall progression

– makes inadequate, inaccurate or over use of cohesive devices

– may be repetitive because of lack of referencing and substitution

– may not write in paragraphs, or paragraphing may be inadequate
-uses a limited range of vocabulary, but this is minimally adequate for the task

– may make noticeable errors in spelling and/or word formation that may cause some difficulty for the reader
– uses only a limited range of structures
attempts complex sentences but these tend to be less accurate than simple sentences

-may make frequent grammatical errors and punctuation may be faulty; errors can cause some difficulty for the reader
日本語訳– 課題に部分的にしか答えておらず、形式はところどころ不適切である。立場を明確にしているが、議論の展開は不明瞭な部分あり、結論が導かれていない場合もある。

– 主な考えを提示するが、限られており、あまり十分に展開されていない。

– 関係のない細かい点について述べられている。
– ある程度体系的に情報を提示しているが、
全体的な議論の展開に欠ける場合がある。

– 指示語や接続詞の使い方が、不適切、不正
確、過剰である。

– 指示語を使ったり、表現を言い換えたりせず、繰り返しが多い。

– パラグラフを使って書いていない。あるい
は、パラグラフの書き方が不適切である。
– 語彙の種類が限られているが、課
題に答えるための最小限の語彙は
使っている。

– 綴りや単語、文の構造に間違いが目立ち、それらが読み手の理解に支障をきたす可能性がある。
– 限られた種類の文構造しか使っていない。複文を使おうと試みているが、単文に比べ間違いが目立つ。

-文法の間違いが多く、句読点の誤用がる。これらの間違いが読み手の理解に
支障をきたす可能性がある。
IELTS Writing Assessment Criteria band 5.0

バンドスコア6.0の評価基準

 トピック完成度 首尾一貫性単語文法
定義– addresses all parts of the task
although some parts may be more fully
covered than others

– presents a relevant position although
the conclusions may become unclear or
repetitive

– presents relevant main ideas but
some may be inadequately developed /
unclear
– arranges information and ideas coherently
and there is a clear overall progression

– uses cohesive devices effectively, but
cohesion within and /or between sentences
may be faulty or mechanical

– may not always use referencing clearly or
appropriately

– uses paragraphing, but not always logically
– uses an adequate range of
vocabulary for the task

– attempts to use less common
vocabulary but with some
inaccuracy

– makes some errors in spelling and/or word formation, but they do not impede communication
– uses a mix of simple and
complex
sentence forms

– makes some errors in grammar and punctuation but they rarely reduce communication
日本語訳– すべてのポイントがカバーされている
が、
偏りがある

– トピックに関連する意見を述べること
ができるが、結論がはっきりしない、
もしくは繰返しが多いことがある

– トピックに関連する考察を述べること
ができるが、詳細が十分でない、もし
くははっきりしないことがある
– 情報や考察を一貫して述べることができ、
論理的な順番になっている

– 文章を繋げる表現を効果的に使っている
が、間違いもしくは不自然なことがある

– 具体例を持ってくるのが正しくない、
もしくははっきりしないことがある

– パラフレーズを使っているが、正しくない
ことがある
– トピックに適切な単語を使っている

– アカデミックな単語を使おうとしているが正しくないことがある

– スペルミス、語の並びに間違いがあるが意味は伝えられる
– 基本および複雑な文法を使っている

– 文法と句読点で間違いがあるが意味は伝えられる

IELTS Writing Assessment Criteria band 6

British Councilが提供するライティングの採点基準が、バンドスコアごとに公表されています(1.0刻み)。

評価基準を知ることでスコア向上にも役立ちますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
IELTS Writing Band Descriptors

IELTSライティングが難しい6つの理由

IELTSのライティングが難しいとされる理由は、次の6つです。

  • 内容も採点基準に含まれる
  • 課題がそもそも難しい
  • アカデミックエッセイの書き方がわからない
  • アカデミックエッセイのルールを知らない
  • レポート形式の書き方を知らない
  • 指定文字数を大幅に超えている

ここでは、それぞれの詳細と、どのような対策が行えるかを紹介していきます。

①内容も採点基準に含まれる

IELTSでは、文法のミスを防ぐことで、スコア5.5~6.0を目指すことができます。

しかし、6.0以上を取得するためには、次のようなポイントが重要になります。

  • タスクレスポンスができているか(設問に的確に答えているか)
  • 内容に一貫性があるか

高得点を目指す方は、質問を正確に理解し、論理的な内容のエッセイを解答できるよう対策が必要です

以下の記事では、ライティングにおける解答のポイントや構成を紹介しています。参考にしてください。

②課題がそもそも難しい

IELTSライティングのタスク2では、出題テーマとして主に昨今の社会問題などが取り上げられます。

考えたことがないトピックや日本に馴染みのない習慣などが出題されると、書く内容が思いつかず解答に時間がかかってしまいます

注目されている社会問題などに関心を持ち、あらかじめ自分の考えを持っておくことが非常に重要です。

ライティングのネタ作りについては、以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。

③アカデミックエッセイの書き方がわからない

IELTSの試験は、「英語圏の大学に行っても通用するレベルかどうか」を基準とした試験です。

他の試験と異なり、大学並みのエッセイを書くことが求められるため、書き方を熟知する必要があります。

TOEFLは、これから大学に行くための基礎を評価する試験なので、IELTSの方が難易度が高いとされています。

解答の構成

IELTSでは、エッセイ形式の課題は次の4段落構成で記述します。

  1. イントロダクション
  2. ボディー1
  3. ボディー2
  4. 結論

それぞれの段落に何を書くか、どのように発展させるかをしっかりと理解し記述しましょう。以下の記事では、エッセイの構成についてより詳しく紹介しています。

トピックセンテンスを使用する

トピックセンテンスとは、段落の最初に書かれる、段落の中心的なテーマやアイデアを示す文のことです。

英語のエッセイでは、言いたいことは先に述べます。明確なトピックセンテンスは、段落の重要な部分です。

トピックセンテンスの後には、「サポーティブセンテンス」と呼ばれる文章が続き、内容を支持します。

解答のポイント

トピックセンテンスが、問題の直接的な答えになっているかを確認しましょう。

また、トピックセンテンスが段落の中心になっているかも確認しましょう。ここが間違っていると、後に続くサポーティブセンテンスの内容もずれ、文全体の一貫性がなくなってしまいます。

④アカデミックエッセイのルールを知らない

アカデミックエッセイには書き方のルールや原則があり、それを守らないと減点の対象になることがあります。

ここでは、一部の書き方のルールを紹介します。

省略形、短縮形は使わない

アカデミックエッセイでは、”don’t”, “GE” などの略称は使いません。

断定表現を避ける

エッセイでは、次のような表現を使用して断定表現を避け、全てには当てはまらないことを明確に示します。

  • could
  • might
  • would
  • some
  • a few
  • many

接続詞から文を始めない

接続詞から文を始めないこともアカデミックエッセイのルールです。

  • For
  • And
  • Nor
  • But
  • Or
  • Yet
  • So
  • Because

同じ言葉を繰り返さない

アカデミックエッセイでは、同じ言葉の繰り返しが好まれない傾向があります。

必ず単語単位、もしくは文単位で言い換えを行いましょう。

言い換え表現の例

Advantages benefits / positive aspects / upsides

さらに詳しいアカデミックエッセイのルールについては、次の記事を参考にしてください。

⑤レポート形式の書き方を知らない

IELTSライティングのタスク1では、主に図表の説明など、数字を扱う統計レポートが出題されます。

レポートとは、特徴を正確に、かつ事実に基づいて述べるもので、IELTSアカデミック特有の出題形式です。

レポートの書き方のポイント

レポートでは、エッセイのように修辞的な表現は好まれず、完結かつ分かりやすい表現を重視します。

指定された文字数で特徴をまとめる要約力に加え、数字やパーセンテージを入れた表現の仕方などが求められます。

その他の出題形式

タスク1では、図表の説明以外に、地図問題とプロセスマップも出題されます。

それぞれ、書き方や表現方法が図表とは異なりますので、タイプ別に表現の仕方を覚える必要があります。

タスク1の詳細については、次の記事も参考にしてください。

⑥指定文字数を大幅に超えている

IELTSライティングのタスク2では、エッセイは250文字で書くことが求められています。

エッセイ作文の際は、300文字など、指定文字数を大幅に超えないように注意しましょう。

英語圏には、「keep it simple」がゴールデンルールとされ、簡潔で分かりやすいエッセイが好まれます。

トピックがずれないように注意

エッセイを書いていると、つい内容が課題から逸れてしまい、文章が長くなりがちです。

250文字で記述するためには、トピックがずれないように注意が必要です

エッセイは、次の4つが高得点を取るポイントとされています。意識して記述しましょう。

  • 250文字~280文字で書かれている
  • 4つの段落構成のバランスが良い
  • 1つの主題をうまく発展させている
  • 内容が明確でわかりやすい

タスク1の解答ポイント

タスク1は、150文字で解答する必要があるので、すべての特徴を述べてしまうと、文字数が多くなってしまいます。

以下の記事では、タスク1の効率的な取り組み方を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

指定文字数が決められている場合は、それぐらいの長さで書いてほしいという意図があります。文字数が多すぎる、少なすぎると、減点につながることもあるので注意しましょう。

まとめ

IELTSライティングの採点基準は4つあり、0-9までの評価で採点されます。採点基準は一般公開されており、確立した評価基準のもと点数をつけるため、日本人にとっては一番の難関ともいわれるセクションです。しかし、採点が難しいからと言って日本人の方が7.0を取るのは決して不可能ではありません。

この記事で紹介した、ライティングが難しい理由を知り、目標スコアアップに向けて対策を取りましょう。
IELTSのライティングの日本人の平均は5.3、ここから6.5にスコアアップされた方は多数いらっしゃいます。

当校のライティング対策は添削形式で、書くことを習慣づけ、書き方を覚え、表現力を身に着けることで目標スコアへと導きます。

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