IELTSのスピーキング試験では、緊張などが原因で、多くの受験生が、減点につながる間違いをしてしまいがちです。
この記事では、スピーキング試験の注意点と、その対策について紹介します。
スピーキングでやりがちな間違いを見直そう
話題があちこちに飛んでしまう
話が脱線してしまい、まとまっていないと、内容に一貫性(coherence)がないと判断されてしまいます。
与えられたトピックについて、順を追って話すことで、試験官に自分の言いたいことを理解してもらいやすくなります。
解答の際は、「いつ、どこで、誰が、何をして、どうなったのか」や、「昔から今」など、時系列(chronological order)の流れで、話を展開すると、スコアアップにつながります。
同じことを何度も言ってしまう
話題を展開できず、同じことを何度も言ってしまうことも、よくありがちな注意点です。
以下の解答例を見てみましょう。
I would like to talk about a graduation party at high school. When I graduated from high school, there was a party for graduation, so I am going to talk about it.
この解答のように、同じ単語や表現を繰り返すと、語彙力がないと評価されてしまいます。
このような場合は、最初に概要(定義)を述べるように意識しましょう。この言い方は、全てのトピックに共通して使えます。
まず、”graduation party” とは一体何なのことか、説明しましょう。
graduation party is that all students of the same grade attend the event to celebrate their graduation.
先に概要を伝えることで、後に続く解答の内容も、理解されやすくなります。
自分の思いや感情を述べる
解答時に、自分の思いや感情を伝えると、よりパーソナルな解答になり、効果的です。
パーソナルな解答をすることで、「一般的で、無難な答え」よりも、試験官に印象付けることができます。
日本では、グループ社会が重視されるため、自分の意見や気持ちを率先して話すことに抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、海外では、個人の考えを持つことが重要視される傾向があります。
IELTSのスピーキングでは、自分の思いを他人に伝えて、自分をアピールすることが、功を奏します。
I absolutely enjoy having been there because school allowed us to wear our favorite costume and I dressed in a Gothic style. My friends also wore a strange costume.
この解答例のように、自分の思いや意見、理由をはっきりと伝えるようにしましょう。
日本語の間投詞をつい使ってしまう
英語を話しているつもりでも、言葉に詰まるとつい日本語で「あれ」や「何だろう」、「えーと」などのつなぎ言葉を使ってしまうことがあるかもしれません。
英語では、”well”, “I mean”など、フィラーと呼ばれる、間をつなぐ便利な表現があります。つなぎ言葉が癖になってしまっている人は、意識的にフィラーを使用してみましょう。
フィラーの使い方については、以下のページで詳しく説明しているので、参考にしてください。
語尾のイントネーションが上がってしまう
文章の終わりなのに、語尾のイントネーションが上がってしまう方は、以外と多いです。
語尾が上がっていると、試験官は解答が終わったとわからず、解答の終わりを待ち、沈黙が続いてしまうことがあります。
語尾を上げて終わる癖がある方は、意識して直すようにしましょう。
試験官に、自分の解答が終わったことを合図するためにも、普段の練習から、文末のイントネーションを必ず下げるよう意識しましょう。
イントネーションがフラット
解答に抑揚がないと、聞き取りづらくなり、試験官が話の内容を理解しづらくなります。
イントネーションが乏しい方は、ゆっくり話すように意識するなどの解決策が有効です。
例えば、インド人の英語が聞き取りづらいと言われる最大の理由は、フラットなイントネーションであるとも言われています。
イントネーションの対策として、日々の練習で、英語の記事を、抑揚に気を付けて音読することが有効です。
音読することで、英語のリズムや文の構造などを覚えることにも役立ちます。Ted talkやPodcastなどを活用し、音声をまねて、発音してみましょう。ニュースキャスターになった気分で話すと、活舌もよくなり、より一層効果的です。
機械的(メカニカル)になってしまう
何度もアウトプットの練習を重ね、解答を丸暗記してしまう人が起こしがちな間違いです。
答えを暗記しているため、文章を棒読みしているような、機械的な解答に聞こえ、高い点数が取れないと言われています。
いい解答をしても、試験官は、暗記している文章を口に出しているだけと考え、場合によっては減点することもあります。
解答が機械的に聞こえないように、一度覚えたフレーズを、違う表現を使って言い換えることを意識してみましょう。言い換えを行うことで、自分の言葉で考え、解答しているように聞こえます。
解答時に、「ふりをする」ことも、実はとても有効です。ニュースキャスターのように、抑揚をつけ、話すスピードを変えてみましょう。これにより、ネイティブに近い話し方に近づけることができます。
結論を言えずダラダラ話してしまう
沈黙が続かないように、「何かを話さなくては!」という思いから、解答がつい長くなってしまうこともよくあります。話の締めくくり方が分からず、”and”などを使い続けて、ダラダラと話してしまいがちです。
このような場合は、「質問で尋ねられている事に、必ず戻ってくる」ことを意識してください。
うまく解答をまとめるために、以下のような構成で解答を考えてみましょう。
- まず、質問の答えを直接述べる
- その理由を必ず述べる (理由は2つあるとベター)
- 結論として尋ねられた答えを再度述べる
この方法で解答すると、話がまとまり、試験官が理解しやすくなります。
In what way is your family important to you?
My family is everything to me.(自分の意見)
They are my best friends to me and support me when things aren’t going well.I know they’ll always be there for me, no matter what.(理由)
So that my family is very important to me.(結論)
答え方のサンプル
以下に、フルアンサーと言われる、理想的な解答例を紹介します。
Do you think the traditional classroom will disappear in the future?
I don’t think it will disappear, but it might become less common. (自分の意見)
I think more people will study independently, using different technologies rather than sitting in a classroom. (理由)
Maybe students will attend a lesson just once a week, and spend the rest of their time following online courses or watching video lessons. (具体例)
So, I think the traditional classroom will not disappear in the future.(結論)
このように、解答の流れがまとまっていて、理解しやすい内容だと、スコアアップにつながります。フルアンサーな解答については、以下の記事でも紹介しているので、参考にしてください。
まとめ
自分では、スピーキングの癖にはなかなか気が付かないものです。
ここで挙げた注意点は、誰でもついついおかしがちなミスです。注意点を再認識して、より明確で具体的、かつ流暢なスピーキングを目指しましょう!
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