IELTSの勉強をコツコツ独学で勉強している方に、ありがちなケースです。
何回も受験すれば、順調にスコアが上がっていくわけではありません。
または、英語の勉強をつづけていれば自動的にスコアが上がるというものではありません。
そこがIELTSの難しい所といえば難しところですが、ではなぜ、スコアが下がってしまうのか?
理由はいくつかあります。
IELTSスコアが下がる5つの理由
- 前回のスコアが自分の実力を反映しているものではなかった
- 自分の熟知していないトピックもしくは苦手な設問形式(ライティング・リーディング)だった
- 体調や周りの環境が良くなかった
- 実力があっても試験スキルを磨いていなかった(試験に慣れていない)
- 英語基礎力の強化段階で一時的なスランプに落ちいっている
前回のスコアが自分の実力を反映しているものではなかった
IELTS初受験の場合は特にありがちなのですが、テスト結果が自分の実力を反映しているスコアではそもそもなかった場合です。
ほとんどの場合は、緊張などのせいで実力を発揮することができず、スコアが低い場合が多いのですが、逆に運がよくスコアが高く出る方もいらっしゃいます。つまり、まぐれでいい点数が取れたケース。

そもそも3時間のテスト内で受験者の英語力を図るのって限界があるよね。



ましてはスピーキング力は14分以内で判定されてしまうからね…
そうです。そもそもテストで自分の英語力が着実に反映されているかは、確信が持てないものです。
3回受験して3回の平均スコアが本当の実力であると思うとよいかもしれません。
スコアが実力を反映していない場合の対処法
試験に慣れる、「試験スキルを磨くこと」で、かなり安定してスコアを獲得することができるようになります。
自分の熟知していないトピックもしくは苦手な設問形式だった
IELTSでは、どのセクションでも多岐にわたる分野をカバーしています。環境、テクノロジー、社会問題(老齢化社会など)、文学、歴史、芸術、教育などです。
もちろん、自分の知識が豊富な分野のトピックだった場合は、普段より理解しやすいのは誰でも同じでしょう。
リーディングでは、タイトル付け問題、穴埋め問題、選択問題、IELTS特有の”True/False/Not Given”問題があります。
True/False/Not Given の問題が苦手なのに、その時に限ってかなりの割合でその問題がでれば不利になります。
タイトル付け問題は、出題される場合とされない場合があるのでこれもまたスコアを上下させるものになるでしょう。
対処法
苦手をなくしていく勉強法を取り入れましょう。
全てのセクションに共通して言えることなのですが、背景知識を得るための努力をしましょう。
それは、分野別のリーディングを行うことで知識を増やします。
頻繁に出題される課題は以下の通りです。
- 環境
- 教育
- テクノロジー
- 芸術
- 社会
調べたいニュースは、キーワードを絞って検索しましょう。例えば「scientific breakthroughs today」「arts trend」
ニュース記事も分野別にになっているものは便利ですね。BBCニュースは分野別になっているので良いでしょう。
問題形式に左右される場合は、どの問題が間違いやすいのか、を確認してから、なぜ苦手なのかを追求しましょう。
そしてたくさんの苦手な問題を解いて、徐々に問題の間違いが少なくなっていることを確認していきましょう。
体調や周りの環境が良くなかった
体調がよくない時は、集中力が欠けてしまいます。考えが定まらず、もちろんテスト結果に大きな影響を与えるでしょう。
特にリスニングでは聞けない、リーディングでは、内容を把握するのに時間がかかり、読み終わらなくなってしまいます。
朝の9時から始まるテストの場合で、移動などを考えると早起きをしなければならない方も多いでしょう。
脳が起きてない状態ですと、聞き逃しが多くなりますね。コンピューターテストですとリスニングから始まるテストなので「ボーとしてしまう」といつの間にか話が進んでしまい、遅れを取ってしまいます。
または、会場のざわつきや、空調管理などが最適でないと、集中力を欠くことになりかねません。
対処法
”体調管理も実力のうち”と考える方もいるでしょう。体調が万全ですと実力を出しやすいですよね。
テスト日とスケジュールは分かっているので、一週間前から体調には気を付けておきましょう。
また、試験前の一週間は根詰めて勉強するのではなく、テストスケジュールに合わせた体調のリズムを作りましょう。
食事、軽い運動なども大事。テストは3時間にもわたります。体力勝負ともいえるでしょう。
実力があっても試験スキルを磨いていなかった(試験に慣れていない)
実力がある人でも試験の傾向や問題形式に慣れていないと、タイムマネージメントに問題がでて、時間内に解けなくなります。
また、IELTSはひっかけ問題も多く、その認識に乏しかったり、何について聞かれる問題化を把握していないとスムーズに解答に導けなくなります。



では、試験スキルって何でしょうか?



試験スキルとは、英語力とは関係なく、テストを効率的に解くための戦略のようなものです。
つまり、問題の解き方や、設問の問われ方を把握して、時間内に素早く解くための戦略のこと。
英文法や語彙力があっても、IELTSでは5.5以上の点数が取れないこともあります。それは、試験スキルを磨いていないから。
対処法
ずばり、IELTSの各セクションの問題形式と採点基準をよく熟知することが大切です。
IELTSの設問形式は昔からあまり変化しておらず、一定の形式があります。各セクション別形式は以下の通り!
【リーディング問題形式】
- 空欄穴埋め問題(記述)
- 内容一致問題(True/ False/ Not given 問題)
- 段落マッチング問題
- タイトルマッチング問題
- 図表完成問題
- 四択問題
- 複数解答を選ぶ多肢選択問題
【リスニング問題形式】
- セクション1ー穴埋め問題(表完成問題)
- セクション2ー選択問題
- セクション3ー選択問題
- セクション4ー穴埋め問題
【ライティング問題形式】
- ライティングタスク1:図表の説明 / 地図問題 / プロセスマップ
- ライティングタスク2:エッセイ
【スピーキング問題形式】
- パート1:身近なテーマに対する質問に答える
- パート2:2分間のスピーチ
- パート3:非日常的な課題に対して試験官とディスカッション
問題形式を理解して時間の短縮につなげたり、評価基準を把握して取り組むことが、スコアアップには欠かせません。
この試験スキル強化対策を怠ると、スコアが伸びにくい、逆にスコアアップのための重要ポイントを見逃して、無意味な対策をしてしまい時間のロスになりますので試験スキルも磨きましょう。
英語基礎力の強化段階で一時的なスランプに落ちいっている
多くの方が、IELTSの講座を受講し始めの時に起こる現象です。自己流でやっていたやり方、フォームなどを1から修正されて適切なフォームで行うので、慣れていない、時間がかかるなどの問題があるからです。
その時期を乗り越えるとグーンとスコアはアップしますので、心配はいりません。
特に、ライティングでは、見よう見まねでオンラインにあるサンプルを参照して書いているだけだと、なかなか5.5や6.0以上の壁を超えることはできません。
文法のことはあまり気にせず、文章を書いていた方は、文法から叩き直された場合は、書くことにどうしても時間がかかってしまうことでしょう。
リーディングでは、本文から読まず、問題を読んで、その内容をキーワードで探していくだけで、なんとなーくんで読んでいて、内容理解を怠ると6.5の壁を超えることはできません。
つまり、正しい知識のものとに今までのやり方、考え方、IELTSの知識を一度捨てることになります。
また新たにブロックを構築していく段階で一時的にスコアが下がる現象です。
対処方
目標スコアが6.5であれば、6.0の小手先の戦術では、到底スコア達成に至ることができません。
正しい知識と対策が必要です。正しい知識の元に英語力を構築している段階なので、継続してやっていくことが大事です。
最終的には基礎力を固めていくための段階なので、すぐにスコアアップを実感することはできませんが、身についているものが実を結ぶ時が必ず来ます。
リーディングで大事なのは、内容の理解と読者の主旨を理解することです。キーワードを探してそこを抜き出すのではないです。そのため、一文一文の適切な訳と、しいては段落の主旨、そしてパッセージ全体の主旨を把握するように読み進める精読の段階が必ず必要になります。スピードが一時落ちますが、必ず読み慣れていくと早くなります。
リスニングでは、ただ聞いてて分かったところだけ埋め合わせて、なんとなーくで想像して判断することから卒業しましょう。聞けなかったのはしょうがないこと、なぜ聞けなかったのかを分析して、復習に専念することは最も大事なスコアアップの秘訣です。リスニング力を鍛えるディクテーション(英語を書きとる練習)やアクティブに英語を聞く練習は必ず毎日行いましょう。
ライティングはサンプルを参照して見よう見まねで書く早めて、文章力を付けるために文法が怪しいところは必ずおさらいしましょう。
正しい文章が書けるようなったら、複雑な文章が書けることが大事。学んだ文法を駆使して使える文法力を養いましょう。
それから構文やエッセイの書き方を学びましょう。英語のエッセイはイントロダクション、ボディー、結論に分かれ、段落はトピックセンテンス(段落の主旨)から始まるというルールがあります。
英語の段落構成は
→トピックセンテンス
→サポーティブセンテンス(その根拠)
→具体的説明
→まとめの文
という段落構成になります。
スピーキングは、「質問にただ答える」だけでなく、評価につながる回答に導く必要があります。
スピーキングの評価基準をしっかりと理解して、流暢さを重んじてConnectivesを活用する、必ず具体的説明を付けることを忘れずに練習することでスコアアップしますので、そのためのテンプレートに沿う必要があります。
テンプレート一例:
①質問の答え
②その理由と根拠
③具体例
IELTSスコアが下がる理由と対策 まとめ
IELTSのスコアは上下します。一度下がることもありますが、失望せず、継続して行えば、ぐんとスコアアップにつながる日が必ず来ます!
まずは、自分の実力を「かさ増し」しないで、3回試験を受けた平均が自分の実力だと思い、初心に戻って対策を取りましょう。
一回目のまぐれやトピックの相性、体調などに左右されないように試験スキル、英語力の底上げ対策を取りましょう。