【新形式】TOEFLリーディングでは35分という試験時間の中で、長文2つ、20問を解くことが求められます。正確にそして早く問題を解かなくてはなりませんね。また、内容もTOEICや英検などの試験よりもアカデミックになります。また、リーディングから試験が開始されるため、メンタル的な影響も考えて余裕をもって進めたいところです。TOEFLリーディングのスコアアップに役立てるコツをつかんで対策を取りましょう。ここでは新形式対応のTOEFLリーディング問題の解き方のコツをご紹介します。まずはリーディングの概要についてご説明します。
【新形式】TOEFLリーディングの概要
【新形式】TOEFL iBTのリーディングは、約700語からなるパッセージが2つ出題されます。それぞれ10問の設問が用意され、内容は地理、生物、政治、経済、医学、物理学と広範囲にわたるアカデミックな分野になります。しかし、専門知識を問われることはないので、問題はパッセージから読み取ることができます。制限時間は35分。
全てを解き終わるには、時間配分に十分注意しなければなりません。
パッセージ数 | 問題数 | 制限時間 | 課題 | |
リーディング | 2 | 各10問ずつ(計20問) | 35分 | 課題を読んで設問に答える |
アカデミックな内容が出題されるので、パッセージをじっくり読んでしまうと時間が足りなくなってしまいます。1パッセージあたりにかけられる時間は17分を見積もっておくとよいでしょう。だからといって、時間ギリギリに問題をこなすのはお勧めしませので、15分を目安にしましょう。解らない問題があれば飛ばすこともコツです。トーフルのリーディング問題は最後の3つの主旨を選ぶ問題の配点が高いので、リーディングを段落ごとに読み進める際にはライターの主旨(パッセージの重要なポイント)を抑えながら読み進めることが重要なポイントです。
ポイント1:質問タイプを把握する
【新形式】TOEFLのリーディングは10種類の質問タイプがあります。質問タイプを事前に把握しておくことで、何を問われているのかが解りやすくなり、設問にすぐ取り掛かることができます。またその解き方も覚えておきましょう。
- 語彙問題 語句の意味を問う問題
- 代名詞 指示語が何を指しているのかを問う問題
- 文章挿入問題 指定された箇所に文章を挿入する問題
- 段落要約問題 パッセージの要約として正しい解答を選択する問題
- 文章言い換え問題 言い換えされた正しい解答を選択する問題
- 内容一致問題 パッセージの内容と一致するものを選択する問題
- 内容不一致問題 パッセージの内容と一致しないものを選択する問題
- 推測問題 本文から推測できることを選択する問題
- 意図問題 筆者の意図を読み取る問題
- 表の穴埋め問題 表に当てはめる選択肢を選ぶ問題
詳しい問題形式とその解き方のコツは下記をチェック!
ポイント2:キーワードを探す
問題と解答の両方に含まれるキーワードを探すことで、設問に対する正しい解答を見つけることができますが、全く同じ単語やキーワードを使わず言い換えをして表現されることが多々あります。
キーワードは多くの場合、名詞や固有名詞です。キーワードをパッセージの中からスキャニングし、該当箇所を見つけたらその前後の文章をよく読みましょう。また、「ディスコースマーカー」といい、文章を文章つなぐ時に意味を成す接続詞〔as a result, However, In additionなど〕に着目して、文の発展を理解しましょう。
TOEFLでは言い換え表現を用いられることがよくあるので日頃から語彙力を増やすことは大切です。
ポイント3:問題文の意味と設問の違いを把握する
TOEFLのリーディングが難しい理由は、まず、問題文で問われていることは何か?そして設問の違いが把握できなことにあります。例えば
<例題> In paragraph3, what does the author NOT suggest about Jo Anne Van Tilburg’s hypothesis concerning the method of transporting the moai?
問題文をしっかりと把握することが最も大事です。ここでは、「3段落目で、作者はモアイ像を輸送する方法に関しての Jo Anne Van Tilburg さんの仮説について提案していないものは何か?」と聞かれています。NOTと聞かれている時は一つを除いてはすべて本文で述べられているので、一つ述べられていないものを選びますが、モアイ像の輸送手段に関する仮説に対してというポイントを読み逃さないことがポイントです。
<例題2>
Which of the following methods of transportation does the author say is supported by the most compelling evidence?
「下記の選択肢の中で、最も有力な証拠で支えられている輸送手段はどれか、と作者は言っていますか?」という質問です。
この問題のキーポイントは「最も有力な証拠だ」と書いてある文章を探していくことにあります。TOEFLでは昔は xxxが最も有力だと考えられていた、などの文章が書かれている場合も多く、それに引っ張られて間違ないように注意が必要です。過去形で書かれていないので、今はどうなのか?を本文から探していきましょう。
この問題の設問を見てみましょう。
<設問例>
A. The rolling of moai in an upright position on logs.
B. The shuffling of moai with ropes tied to the head and base.
C. The rolling of moai in a prone position.
D. The rocking of moai with ropes tied to the head.
どれも似たり寄ったりの設問を並べています。Rocking of Moai(モアイ像を揺り動かす)、Shuffling of moai (モアイ像を引きずる)Rolling of Moai(モアイ像を転がす)という設問がありましたが,「 Shuffle, Roll, Rock」どれも意味が似ている動詞です。その違いに気づくこととその違いが分かることが正解へ導けるポイントです。「a upright position」 , 「a prone position」 も選択肢にありますが、アップライトは想像しやすいように直立という意味です。prone ポジションが想像できなったにしても、アップライトではないポジションである(もしくは逆と想像する)ことを把握している必要があります。proneポジションとは、うつ伏せのポジションという意味です。
このように「問題文では何が問われているのか?」「設問の違いは何か?」を見極めることが非常に重要なポイントになります。
ポイント4:消去法で解く
TOEFLリーディングでは、消去法を活用することで正解に導ける問題がたくさんあります。「これだ!」とすぐに飛びつくことができない問題です。その場合は各設問の内容を本文と照らし合わせてひとつずつ確認していき、消去法で残ったもの選ぶことが最良の選択になります。約一問にあたり1分の解答時間があります。解答は同じ段落から選ぶものばかりですので十分確認しながら進めていけるでしょう。
<設問例>
A. control weeds without the use of chemicals
B. take advantage of more effective pesticides
C. use fewer and less toxic chemicals
D. increase harvesting up to 21 percent
この設問でトリッキーなのはBとCです。最終的に言いたいことは同じに聞こえるからです。日本語訳は B.「もっと効果的な殺虫剤を活用する」、C. 「より少なくより無害な化学物質を使用する」という意味です。実際にはより少ない化学物質を使うことが正しいのですが、「Use less」か 「take advantage of more」 に着目するとよいでしょう。フォーカスはどちらか。そして複数形や単数形も大きなポイントになることがあります。ですのでBだともっと殺虫剤を使うことを奨励してしまうことになります。
ポイント5:解答となる選択肢の修飾語に注意
上記の設問の意味を理解することと重なる所がありますが、TOEFLでは、受験者を惑わすために修飾語を用いたひっかけ問題が出題されます。文章はぱっと見同じようにみえても、異なる修飾語を用いている、または修飾語の位置が違うだけで全く文の意味が異なります。正しい解答を選択するには修飾語に注意しなければなりません。
▼例
Only Tom wants pizza. (ピザを食べたいのはトムだけ。)
Tom wants pizza only. (トムはピザだけが欲しい。)
The hurricane rarely hit my town. (ハリケーンは私の町をほとんど直撃しなかった。)
The hurricane frequently hit my town. (そのハリケーンは頻繁に私の町を襲った。)
このような設問の違いを分かるためには意味をしっかりと理解することが非常に重要ですので、練習問題を行う時は設問の意味の違いを把握するようにしましょう。
ポイント6:配点が高い問題に時間をかける
TOEFLの採点方法ですが、リーディングの設問は全部で20問、それを30のスケールに換算する時に各問題の点数は同じように配点されているわけではありません。TOEFLリーディングは時間制限があり点数の低い問題は比較的難易度が易しいのでできるだけ時間を浪費させず、高得点の問題に集中し時間を費やすのが最も効果的です。例えば最後の主旨を問う問題は配点が高い。その逆で語彙問題は配点が低いと言われいます。知らない語彙に時間を費やしてもしょうがないので、前後の文章から意味が通じるものをさっと選んでいきましょう。実際に語彙問題は30秒かけてはいけません。
その他の設問でどうしても解けない問題は飛ばして次の設問に移ることも大事です。
他に解けそうな問題があればそれを優先させることもコツといえるでしょう。しかし最終的には選択問題なので空欄で提出せず、問題にはすべて答えるようにしましょう。
TOEFL リーディングの勉強法
時間を計って時間内で読む練習をする
まずは、TOEFLリーディングでは制限時間が設けられるので、時間以内にパッセージを読む必要があります。慣れてきたらストップウォッチを使いながら、各問題を解くのにどれぐらいの時間がかかるのか計るとよいでしょう。
TOEFLリーディングの各パッセージにかけられる時間は約17分です。時間のプレッシャーの中で解くことは非常な大事な練習です。時間があれば読める方も多くいらっしゃる中で時間がないからこそリーディングは難しいと思ってください。短い時間で作者の意図を把握する、段落の発展を理解することが求められるからです。そのため、なるべく実践に近い状態でいつも時間を気にしながら解くことも非常に大事な練習です。
もちろん最初は時間をオーバーしてしまう場合もあるでしょう。それはそれでいいですが、時間を詰める努力をしていくようにしましょう。
同じ課題を時間を気にせず精読する
長文読解で必要なことは英語の文章を読むのに慣れることです。語彙、文法の他に文の構成を知らないとパッセージで何について書いてあるのか、何を問われれているのかが理解できません。ですからパッセージを何回か読み同じ問題を解きなおし復習することは大事です。内容が異なるパッセージをできるだけ多く読むことも語彙力が増え、違ったトピックの課題を知る意味では大切ですが、自分が解いた問題を振り返り学んだことをしっかり身に付けることも必要です。
同じパッセージを再度精読することで、文法や文の構成をより理解することができ読解力が養われます。最初に問題を時間通りに解いてから、読みっぱなしにせず、精読を必ず行いましょう。そして再度解きなおしてみましょう。内容を理解した上で正解に導ける問題は多いでしょう。
一回目の解答と二回目の解答を比較して、なぜ間違えたのかを分析することも大事です。
パッセージの読み間違いなのか、問題文の読み間違いなのか、それとも単語を理解できていないのか、理由を知り自分の弱点を掴み対策を取りましょう。
【新形式】TOEFLリーディング解き方のコツ まとめ
【新形式】TOEFLリーディングはアカデミックな内容であり、単語も難しく、しっかりと内容を理解していないと間違える問題ばかりです。上記のコツを把握し実行することで正答率が高まるでしょう。そして最終的には精読、多読を繰り返し読解力の向上を図ることが飛躍的なスコアアップにつながります。新しい問題にすぐ手を付けるよりも一つの課題をしっかり読み込むようにしましょう。
リーディングのコツを学ぶ