スピーキングの流れをつかめ!
IELTSスピーキングは、試験官と1対1の対面で行われる面接形式です。最近では、ビデオコーリングといい、オンライン上でのスピーキングを行う会場もあります。ビデオコーリングも個室で行われ、試験官が画面の向こう側にいるにせよ、1対1の面接形式で行われます。
IELTSの試験に限らず、面接は誰もが緊張するものです。目標の点数を獲得するためにも、まずは全体の流れを理解しておくことが大切です。試験中に頭が真っ白になり、思考が停止してしまった場合でも、次にすべきことを理解していれば、態勢を立て直すことができます。また、試験本番で緊張することなく、スムーズに面接を進めることもできます。
不安を解消して面接に挑むためにも、IELTSスピーキングの流れは予め把握しておくとよいでしょう。
IELTSスピーキング全体の流れ
スピーキングの面接時間は、予め告知されます。面接時間の15分から20分前には、会場に戻ってくることをお勧めします。面接時間になったら、ご自身の名前が呼ばれるので、入室してください。
試験官が先に話しかけてきます。「Hi,nice to meet you」などと挨拶を交わすのもよいでしょう。その後、名前とIDを確認されますので、聞かれた質問に適切に答えましょう。この時点では、質問に答えるだけで大丈夫です。余計な事は話さないように気を付けましょう。
“Let’s talk about A” とパート1が始まります。質問数が一番多いパートで、身近な課題について、6問ほど問われます。
“I will give you a card” と言われ、パート2が始まります。課題の書かれたカード、鉛筆とペンが配られ、メモを取ることができます。トピックを変えることはできませんので、そのトピックについて具体性を持って話せるネタを、何とか考えましょう。時間は1分間です。この時間を大事にしましょう。
パート2に関連したトピックについて、自分の意見を求められます。タスク2とは違い、試験官からの質問に答えていきます。主に、通例の社会問題など、抽象度の高い質問をされるので、いかに自分の意見をアウトプットできるかがポイントとなります。
‘this is the end of the test” と言われたら、”Thank you very much for your time”とお礼を言って退出しましょう。
1. 入室から自己紹介とIDチェックまでの流れ
IELTSスピーキングは、1対1の面接になりますので、当日は受験生1人1人に試験時間が割り当てられます。この試験開始時間に遅刻すると、受験不可になったり、後に回されたりします。必ず早めに会場に着き、ご自分の順番が来るまで、待合室で待機しておきましょう。ギリギリに到着すると、心に余裕が持てず、待ちすぎても緊張してしまいます。そのため、15分から20分前に到着することをおすすめします。
試験時間は15分間ですが、試験中はとれも長く感じます。面接の途中でお手洗いに立つことはできませんので、試験前に必ず済ませ、準備万全で本番に挑みましょう。
入室後は、指定の席に着き、必ず挨拶と自己紹介、身分証明の提出から始まります。
【試験官からの質問例】
①Good afternoon. My name is (試験官の名前). Could I have your full name, please?
②what can I call you?
③Can I see your ID?
上記の質問は、試験官より必ず聞かれますので、回答できるように前もって準備しておきましょう。「③Can I see your ID?」の本人確認では、登録時のID(パスポートで登録した方は、パスポートの原本)を提示します。
【解答例】
①Good afternoon. My name is Taro Yamada.
②You can call me Taro.
③Yes, of course. Here it is.
挨拶部分は、スコアに直接関わらないので、緊張をほぐすという意味でも、リラックスして会話することが大事です。ここで緊張感を解くことができれば、後のパート1からパート3まで、落ち着いて実力を発揮することができます。
2. パート1からパート3の流れ
IELTSスピーキングは、以下の3パートから成り立ちます。
IELTSスピーキングパート1では、まず簡単な自己紹介から始まります。
その後、試験官から身近なトピックに関する質問が出題されるので、それに沿って解答していく流れになります。質問内容は、仕事や学校、家族、趣味、住んでいる場所など、日常的な話題になります。
【試験官からの質問例】
④Where are you from?
⑤Do you work or study? (試験官はあなたが社会人か学生かを判断するのでこの質問は必ずと言っていいほど聞かれます)
⑥What do you do for a living?
⑦What are you studying?
⑧Do you like your job?
⑨Do you live in a house or an apartment?
自己紹介として、上記のような質問が問われますので、事前に何を話すのかを用意しておきましょう。解答の丸暗記は、スコアダウンにつながるため、やめましょう。
また、高得点を取るために、”Yes, I do.”など、短く答えるのではなく、追加の情報を付け加えると、自発的に話を広げると見なされ、スコアアップにつながります。ただし、パート1ではあまり長い解答は求められていませんので、3文から5文ぐらいの、適度な長さで話しましょう。
【解答例】
④I am from Yokohama city, which is located in the South of the capital city of Tokyo.
⑤I am currently studying for a master’s degree at Cambridge university, but before I was working as a software engineer in a large IT company.
⑥I have been working at St. Catherine hospital as a nursing assistant. This is my first job, and I’m working hard to fill the needs of our patients.
⑦I am studying computer science because it’s an interesting subject and I am very good at dealing with computers. I’m hoping to pursue it as a career in the future.
⑧Most of the time, yes. It is very rewarding to help patients. Nursing Assistants have a strong career outlook because the population of elderly people is steadily increasing.
⑨I live in a brand-new apartment, which has got a living room, 2 bed rooms with a big bathroom and kitchen.
上記の質問例以外にも、パート1のトピックは幅広いジャンルで存在するので、なるべく多くの「よくある質問」を見ておくことをお勧めします。下の記事では、問題例について取り上げているので、参考にしてください。
パート1は、比較的難易度が低いと言われていますので、しっかり点数を取っておきましょう。ここでつまずいてしまうと、パート2とパート3へのプレッシャーが増し、流れが悪くなってしまう可能性も考えられます。しかし、そのような場面でも、恐れず、落ち着いて解答できるように、他のパートについても予習しておくことが大事です。
IELTSスピーキング パート2の流れ
IELTSスピーキングパート2では、与えられたトピックに対し、2分間スピーチをします。
始めに、試験官から「Cue card (トピックカード)」と呼ばれる、問題が書かれた紙と、メモとり用の白紙、鉛筆、の3点が渡されます。その後、出題される内容に対し、1分間考える時間が設けられ、時間になったら2分間スピーチを行うという流れになります。
【トピックカードのサンプル例】
Describe a friend of your family you remember from your childhood.
You should say:
• Who the person was
• How your family knew this person
• How often this person visited your family
and explain why you remember this person.
スピーチは約2分間与えられますが、なるべく詰まらずに、試験官からストップの声がかかるまで話し続けましょう。途中でスピーチが止められても、減点にはなりません。しかし、2分間とはいえ、実際に話してみると、とても長く感じ、時間を余らしてしまうことも少なくありません。
パート2では、どれだけストーリーを展開させ、時間を余らせないかが重要になってきます。具体的なエピソードを、自分の感情を出すように話しましょう。内容のないことをだらだらと話しても、評価はされませんので、とにかくストーリ―を作ることが肝心です。練習の段階で事前に問題をこなして、2分間、自分のストーリーを具体的に話せているか、確認しましょう。
IELTSスピーキング パート3の流れ
IELTSスピーキングパート3では,、パート2のトピックに関連した問題が、試験官より数問問われます。
パート3では考える時間は設けられず、パート1と同様に、質問後、すぐに回答する流れになります。パート1とパート2では、自分に関することや、個人的な経験を問われる質問形式でしたが、パート3では、自分の意見や客観的な意見、一般論を述べることが求められる、試験官とのディスカッション形式となります。
【試験官からの質問例】
⑩In what ways have families in your country changed in recent?
⑪How important do you think spending time together is for the relationships between parents and children?
⑫Have relationships between parents and children changed in recent years?
⑬Which are more important to you: your family or your friends?
パート3は、最も難易度が高く、普段考えることがないような質問が聞かれ、パニックになることも少なくありません。その状態でも、自分の意見を伝えられるよう、まずは、試験官から問われている質問を理解することが大切です。
試験官からの質問がわからなければ、「I’m sorry, I didn’t get the question. Could you say that again, please? 」のように、必ず聞き返しましょう。聞き返すことに減点はありません。
パート3では、質問に対し論理的に述べる必要があります。まずは、結論となる自分の意見を、はっきりと言いましょう。次に、「なぜそう思うのか?」について、いくつか理由を述べます。その後、具体例を加えながら話を展開させることで、自分の考えを支持することができます。
この3つを覚えておくと、スムーズかつ、論理的な解答として評価されます。
3. 退出の流れ
パート3が終わると、 「Thank you, that is the end of speaking test. 」と言われてスピーキングテストが終わったことをしっかりと告げられます。まずはお礼を言いましょう。「Thank you very much for your time.」といって席を立ってください。しっかりと挨拶ができることも大事なポイントです。何も言わずに立ち去るのではなく、お礼の言葉を忘れないようにしましょう。
まとめ
IELTSスピーキングの全体的な流れは、大きく分けると以下の順序になります。
入室→ 挨拶 → 本人確認 → パート1 → パート2 → パート3 → 退室
事前に流れを知る事で、IELTSスピーキングがどう進んでいくのかがイメージでき、不安を最小限に抑えることができます。本番でうまく実力を発揮できるよう、練習に励みましょう。
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