スピーキングで試験で、試験官からの質問に即座に答えられない、という場面は頻繁にあります。この記事では、原因別に、どのような対策ができるかを紹介したいと思います。
質問に即座に答えられない要因
試験官からの質問に即答できない理由は、大きく3つに分類できます。
- 答える内容が思いつかない
- 質問の意味が分からない
- 英語でどう答えていいのかわからない
それぞれの原因別に、有効的な対策方法を紹介します。
答える内容が思いつかない場合
スピーキング試験では、日本語でも返答に困るような、突飛な質問がされることがあります。答える内容が思いつかないときは、以下の対策が有効です。
フィラーを使う
フィラーとは、「つなぎ言葉」のことです。日本語でも、言葉に詰まった時、「えーと」などの言い淀みを使用するように、英語にも間をつないだり、考える時間をつなぐための表現として、フィラーがあります。
試験中に使用できる便利なフィラーを紹介します。
- Well,
- Ok,
- Let me think…
- I mean,
- I guess/think,
- You know,
- The point I want to make is….
- Anyway…
- Well, what I mean is that …
- The basic idea is…
- I haven’t thought about it.
- It’s a tough(difficult) question.
フィラーは、沈黙の回避ができるだけでなく、自然な会話ができている、という印象にもつながります。下の記事でも、有効な対策として紹介しています。
頻出問題を事前にチェックしておく
IELTSスピーキングには、頻出問題が存在します。あらかじめ質問をカバーし、解答の方向性を決めておきましょう。ここでは、パート1で特に多いトピックと質問を紹介します。
頻出トピック
- hometown
- work
- study
- family & friends
- arts
- sports
頻出問題
- Why did you chose that job?
- Where do you work?
- How could your hometown be improved ?
- What is your most favorite sport?
- When do you see your friends?
- Do you like your hometown?
- Do you like arts?
頻出問題の中でも、「1番好きなもの(嫌いなもの)」を問われる質問は必ず出題される傾向があります。「1番」という表現に縛られず、思いつく範囲で答えましょう。自分の考えを話す試験なので、内容に正解、不正解はありません。
頻出問題をカバーすることで、事前に考えをまとめられ、解答時間の短縮にもつながります。しかし、あくまで、話題を選定する参考にとどめ、解答の丸暗記は避けましょう。丸暗記の危険性について、以下の記事でも紹介しています。
質問の意味が分からない場合
IELTSスピーキングで、質問の内容が理解できない場合、多くは以下の原因が挙げられます。
- 試験官の英語が聞き取りづらい
- 単語の意味がわからない
- 単語の発音がわからない
- 文法が理解できていない
- 英語を聴きなれていない
原因別に、有効な対策方法・学習方法を紹介します。
試験官の英語が聞き取りづらい場合
試験官は、多くの場合、ゆっくり、もしくは普通のスピードで話しますが、試験官によっては、聞き取りづらいこともあります。その場合は、質問を聞き返し、質問の内容を理解してから解答しましょう。
質問を聞き返すことで減点されることはありません。1度聞き返しても理解できなかった際は、再度聞き返しましょう。以下に、聞き返しに便利な表現を紹介します。
初めて聞き返すとき
- I am sorry I missed what you said …
- Could you rephrase that, please?
- Sorry, could you say that again?
- Could you expand on that?
2度目に聞き返すとき
- Do you mean (my favorite cloth)?
- If I understand you correctly,
- I have very hard time understanding your question, but I assume you are asking me (my favorite cloth)
- Could you clarify that again?
- Can you give me an example?
正しいフレーズを使用した聞き返しは、コミュニケーション能力のアピールにもつながります。反対に、質問を理解せず、的を得ない解答をしてしまうと、減点につながります。
聞き返し返すことを恐れず、正しいフレーズを理解してスコアアップにつなげましょう。
単語の意味が分からない場合
単語の意味がわからず、質問の意味が理解できなかった場合、語彙力をつけることが1番の対策になります。
語彙力の強化には、毎日の積み重ねが重要です。1回で覚えることは難しいので、学習と復習を繰り返し、記憶に定着させましょう。以下の記事では、英単語の習得について紹介しています。
パート1とパート3では、試験官に単語の意味を聞くこともできます。単語の意味を聞く際の便利なフレーズを紹介します。
- Sorry, what does “x” mean please?
- Sorry I didn’t understand the word “x.” Could you please explain what it means?
試験官は、多くの場合、単語の意味について答えてくれるか、問題を言い換えてくれます。パート2では単語の意味を質問することはできませんので、気を付けましょう。
単語の発音がわからない場合
単語の発音がわからないと、単語を識別できず、意味を理解できません。
単語を覚える際は、意味やスペルだけでなく、正確な発音(イントネーションの位置)を覚えるように意識しましょう。以下に、英語に特有の、発音の特徴を紹介します。
- リンキングサウンド(連続)
-
連続とは、「単語の最後の音と、次の単語の音がつながり、あたかも1つの単語のように発音すること」です。
- Thanks a lot. 「サンクス ア ロット」→「サンクサ ロット」
- Can I 「キャン アイ」→「キャナイ」
- ミッシングサウンド(脱落)
-
脱落とは、下記の場合に、「英語のスペルにあって、本来発音されるべき音が発音されなくなること」です。
① 子音 + 子音で音が脱落する
② 文末の破裂音が脱落する- call him 「コール ヒム」→「コーリム」
- send them 「センド ゼム」→「センゼム」
- I did it. 「アイ ディドゥ イット」→「アイ ディディッ」
- アシミレーションサウンド(同化)
-
同化とは、「ある音が、隣接する音に影響を受けて、スペルと異なる音に変化すること」です。
- Water 「ウォーダー」
- Better 「ベダ」
- Would you 「ウッジュー」
音の連結・脱落・同化の英語の特徴を知り、正しい発音を覚えることで、リスニング力を向上させましょう。
文法が理解できていない場合
文章は、ただ単語を並べているのではなく、文法に沿ってつなげています。正しく文法を理解することで、文章の意味を理解しやすくなります。
英語は、主語+動詞+補語(目的語+修飾語)の形で単語が並んでいます。
例えば、”Do you think library is a good place to study ?” を分解すると、「Do you think」は主語+動詞、「that ~」が目的後になっています。英語の文法が理解できていると、質問を聞きながら、内容を理解できるようになります。
英語を聴きなれていない場合
英語を聴きなれておらず、質問の内容が理解できない場合は、普段から英語を聞く機会を増やしましょう。
スクリプトを見ながら音声を聞くことで、より理解が深まります。教材として、Tedtalksやpodcastなどのサービスを活用すると便利です。慣れてきたら、スクリプトなしでも意味が分かるようになります。
また、英文を聞き、書き取る「ディクテーション」や、聞き取った英文を反復する「リテンション」なども、リスニング力の向上に有効です。下の記事で、英語に慣れる方法を紹介しています。
英語でどう答えていいのか分からない場合
答えたい考えがあっても、それを英語に変換できないケースも多くあります。試験中に沈黙が続く、発音が乱れる、などが起こらないよう、以下の対策が有効です。
フィラーを使用する
解答を英語に変換する時間を稼ぐために、以下のようなフィラーが有効です。
- I don’t know how to put it in English, (英語でどういったら良いかわからないけど、)
- Well, what to say, let me think, (えーと、なんて言ったらいいのかな、考えさせて)
沈黙が続くと減点につながってしまうので、フィラーを活用し、間をつなぎましょう。
時事英語を学ぶ
英語のニュースや記事を読み、時事英語をインプットすることで、専門的な単語を学習することができます。各分野で特有の単語を学ぶことで、表現力の向上につながります。
環境問題
- climate change 気候変動
- air pollution 空気汚染
- CO2 emission 二酸化炭素の排出
社会問題
- life expectancy 寿命
- fertility rate =birth rate 出生率
- aging society 老齢化社会
ニュースなどで時事英語を学ぶことで、専門性の高い単語が身に付き、スピーキングだけでなく、ライティングでもスコアアップが望めます。
まとめ
IELTSスピーキングで、質問に即答できない場合は、フィラーを活用し間をつなげましょう。
内容が思いつかない、聞き取れない、英語に変換できないなど、それぞれの原因に対して、有効な対策を取ることで、スピーキング試験のスコアアップを実現しましょう。
ロールプレイで答えられないを解消