IELTSライティングでは、スコア6.0以上を目指す際に大きな壁があり、伸び悩む方も少なくありません。
この記事では、ライティングの落とし穴と、注意すべき点10点のうち、1~4を紹介します。
ライティングの落とし穴、注意すべき点10点
ILETSライティングは非常に難易度が高く、スコアが伸び悩んでいる、どのようにスコアを向上させていいかわからず路頭に迷っているという方が多いです。
IELTSライティングには、次のような落とし穴、注意すべき点10点あります。
- テンプレートで使われている表現を多用している
- むやみに長いが内容が薄い(反復表現が多い)
- アカデミックな表現と口語表現が混ざっている
- 接続詞などの文をつなぐ役割をする linking words が不適切に使用されていたり、もしくは不足していたり、多用されていたりする
- スペルエラーや大文字、小文字、ピリオド、コンマが不適切に使用されている
- ボディー1、2ともに、firstly, secondly , thirdly のような決まりきった形の構成で書かれている
- 三人称単数のSの誤使用や、複数名詞なのに単数の動詞で受けたりするような文法ミスがある
- 良い表現を使う努力は見られるが、不適切に使用している
- 同じ表現(冗長表現)が多い
- 意味が明確でない文章がある
この記事では①~④を紹介します。他の項目については、下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
テンプレートで使われている表現を多用している
IELTSライティングでは、短い時間、限られた字数で、トピックに沿った内容のエッセイの記述を求められます。
そのため、導入文テンプレートを使用することで時間の短縮につながり、非常に効果的です。
テンプレートの使用が直接的に減点されることはありませんが、多用してしまうと減点につながることがあります。
テンプレートの活用
IELTSライティングにおいて、テンプレートはイントロや結論の段落で大きな効果を発揮します。
特にタスク1の課題では、書き方を固定するためにも、テンプレートの使用がおすすめです。
ただし、テンプレートが多様されていると、次のようなデメリットがあるので注意しましょう。
- トピックに合わない、不自然なエッセイになってしまう
- 試験官にテンプレートと伝わり、受験者の努力で書かれたものでないと判断される
テンプレートに頼りすぎず、うまく活用することで解答の質を上げていきましょう。
テンプレートの言い換え
日本でよく使われるテンプレート表現には、以下のようなものがあります。
- Many people have been talking about…
- There are some arguments about…
- There are convincing arguments whether…
- Firstly…………Secondly……….
これらは、陳腐な決まり文句(Clichés)のようになってしまうので、使いすぎないように気を付けましょう。
その代わりに、トピックから絶対的に考えらえる事実を述べて、次のような導入文を使うと効果的です。
- There is no doubt that ……..(there is no denying that…)
- It is important to consider that………..
- There is common consensus that………
- It is a widely-held belief that……..
- In recent times,
- It is well-known fact that…………..
学習方法
ライティングの練習を行う際は、テンプレートを覚えるのではなく、「英語で書く力」を養うよう意識しましょう。
日本語を英語に直訳するのではなく、「こういうふうに言いたいとき、英語ではどのように表現するのだろうか?」を意識すると、表現力や応用力が身に付きます。
構成は日本語で考えても問題ありません。日本語を英語に直訳するのではなく、英語での表現方法を学ぶことが重要です。
また、いつも同じ表現を使うのではなく、言い方を変えるように意識すると、さらに表現の幅が広がります。
むやみに長いが内容が薄い(反復表現が多い)
IELTSライティングでは、字数が指定されているからと言って、むやみに長い文を作ればいいわけではありません。
とにかく長くてわかりづらい文章よりも、短くてわかりやすい文章の方が好まれます。
長い文章、中程度の長さの文章、短くインパクトのある文章など、バラエティーを取り入れることが大切です。
関係代名詞(限定用法・非限定用法)、分詞、分詞構文、仮定法などを適切に使用して文章を作成しましょう。
自分の解答を振り返る
IELTSライティングのスコアが伸び悩んでいる方は、時間をおいて自分の解答を振り返ってみましょう。
読み手の立場になった時に、次のポイントに注意して再確認することで、解答の改善につながります。
- 結論がはっきりしているか(「だから何?」という疑問が湧いてこないか)
- 同じ内容を、違う言葉で説明しているだけになっていないか
- 話が発展しているか(同じ内容を繰り返していないか)
タスク1、2ともに、これらのポイントに当てはまる場合、内容がない(薄い)文章になっている可能性が高いです。
タスク1解答のポイント
タスク1では、解答を記述する前に、次のポイントを意識すると反復表現を防ぐことができます。
- ポイントを箇条書きにしてまとめておく
- 比較対象を明確にする
- すでに述べた項目は再度言及しない
特に、すでに述べた項目について再度取り上げてしまうと、まとまりのない文章になってしまいます。
文章のあちこちに散らばっていると読みづらい文章にもなるため、一度言及した項目については何度も取り上げず、言い切りましょう。
タスク2解答のポイント
タスク2では、エッセイ全体を通じて、結局何を伝えたいのかが不透明になっていないか確認しましょう。
読み手にとって、内容のないエッセイは、書き手の意図が伝わらず、迷路に迷い込むような感覚を与えます。
自分の意見を明確にする
まずは、トピック・課題に対する、自分の意見や立場をはっきりさせましょう。
- この段落ではこれが言いたい!ということを明確にする
- その段落の結論を最初に述べる(賛成であればポジティブ、反対であればネガティブな結論)
- 結論の根拠となる理由を詳細に述べる
例えば、「生態系の維持」というトピックについて意見を記述するとします。
「動物を私たちの利益のためにむやみに殺してはならない」という意見を明確にし、段落を作ります。
「殺すことで生態系が崩れるから」や「殺さないことで動物の絶滅を防げるから」と結論づけます。
「必要最低限を除いて、むやみやたらに殺すことは避けられると思う。そうすることで生態系を守り、これ以上の絶滅危惧種を増やさなくて済む。」という、結論をバックアップする詳細を記述します。
「生態系が維持できれば、今までと同様に自然からの恩恵を受けることができ、後世にそれを引き継ぐことができる」と、詳細の利点を書くことで、文章を発展させることができます。
このトピックの場合、まずは「人間が動物を殺し始めたのはなぜ?」という理由を、歴史的観点で考えます。
- 食物の供給
- 新薬のテスト
- 労働力の強化
- エンターテイメント
書き出した理由に対する自分の意見を、さらに明確にしていきましょう。
- 食物の供給のため、ある程度仕方がないか(食料用に飼育もしている)
- 新薬のテスト、エンターテインメントは必要か
- 闘牛のような、その国の伝統的な文化であれば、仕方がない部分もあるか
このように、論理的なステップを念頭において解答を考えていくことが重要です。
また、段落の構成は、実際に解答を書き始める前に考えるようにしましょう。
構成を考えながら解答すると、時間がかかるうえに考えが散漫になり、まとまりのない文章になってしまいがちです。
練習問題
次のトピックについて、自分の意見を考えてみましょう。
Sending all criminals to prison would be a terrible idea.
- この意見について、賛成か?反対か?
➡賛成の場合、どのような不具合が生じるか?
➡反対の場合は、逆に社会にどのように良い影響をあたえるか? - その理由の根拠と、メリットデメリットを探していきましょう。
試験が近い方は、構成を立てる練習を行うだけでも、効果的です。
アカデミック(文語)表現と口語表現が混ざっている
IELTSライティングでは、アカデミックな表現と砕けた口語表現が混ざった文章は絶対に避けましょう。
しかし、文語表現と口語表現の違いがわからないと、判断も難しいため、まずは違いを理解することが大切です。
表現の違いを理解する
英語は特に、文語表現と口語表現が全く違い、これらがエッセイの中で統一されている必要があります。
同じ意味を持っていても、文語表現と口語表現では以下のように違いが現れます。
文語表現 | 口語表現 |
---|---|
register | tone |
I socialized with my friend several days ago. | I hang out with my buddy the other day. |
“hang out”や“buddy”は口語表現であって、文語ではありません。
また、”the other day” よりは “several days ago” の方が、どちらかというとアカデミックな表現です。
学習方法
文語表現と口語表現を独学で覚えることは難しいですが、普段から違いを意識しながら英文を読むことが重要です。
アカデミックな記事をひたすら読み、よく使われている表現や単語を覚えていきましょう。
さらに、同義語、類義語を覚える際に、「どちらがアカデミックな単語か」を一緒に覚えることも効果的です。
添削をしてもらう
文語表現と口語表現の違いを判別する能力は、すぐに身につくものではなく、時間がかかります。
ライティングの添削サービスでは、単語をまとめて確認することができるため、プロセスが短縮できます。
試験が間近に迫っている方などは、添削を受けることで早期に改善することも考えられるため、検討してください。
接続詞などの文をつなぐ役割をする linking words が不適切に使用されていたり、不足もしくは多用されていたりする
Linking wordsとは、文章と文章を繋げるための単語や表現です。Transition words / connectorsとも言われます。
つまり、接続詞のようなもので、次の例のように、linking wordsがないと文章が読みづらくなってしまいます。
このように、読み手にとってわかりやすく、読みやすい文章になります。
たかが 「linking words」、されど「linking words」です。IELTSでは、とても大事なポイントとなります。
便利なlinking words
IELTS試験でも役立つ、便利なlinking wordsをまとめたので、ぜひ使えるようにしましょう。
用途 | 表現例 |
---|---|
対比・比較 | in contrast while(whilst) on the contrary on the other hand, meanwhile in the meantime |
譲歩 | although(though) even if (even though) |
追加 | additionally (in addition) also besides furthermore moreover what is more likewise |
結果 | as a result as a consequence consequently subsequently hence therefore thus so that accordingly eventually |
例 | for example for instance take A for example to illustrate specifically such as to demonstrate |
言い換え | in other words to put it another way namely that is to say once again to clarify |
強調 | certainly clearly definitely by all means in fact undoubtedly without a doubt |
逆接 | but however, nevertheless notwithstanding despite in spite of and yet |
条件 | if given that when as long as unless in case provided that supposing that |
結論 | in conclusion to conclude after all finally in summary to summarize therefore |
注意すべき点パート1まとめ
ILETSライティングは難易度が高く、スコアが伸び悩んでいる方が少なくありません。
この記事では、ライティング試験で注意すべきポイントを4つ紹介しました。
1.テンプレートで使われている表現を多用している
2.むやみに長いが内容が薄い(反復表現が多い)
3.アカデミックな表現と口語表現が混ざっている
4.接続詞などの文をつなぐ役割をする linking words が不適切に使用されていたり、もしくは不足していたり、多用されていたりする
それぞれ十分に対策を行い、試験対策を行っていきましょう。