IELTS 海外で受けるより日本で受けた方が有利?

IELTSテストは日本で受けた方がよいのか

IELTSのテストは日本にいる時に受けたほうがいいのか、留学先で受けたほうがいいのか迷う方も多いと思います。

日本でIELTSを受けたほうが有利だと思っている人も多いでしょう。理由としては、日本に住んでる採点官は、日本人の英語に慣れてるので、下手な英語でも理解してくれる。逆に、カナダやオーストラリアなどの英語圏では受験生全体のスピーキングのレベルが高いため、高いスコアが出にくいことがある、などと思うのは当然のことだと思います。

IELTSテストの共通性

まずは知っておかなくてはいけないことですが、IELTSのテスト課題は全世界共通です。日本向けてに作成されている課題などはありません。TEST セットというものがあり、各国の試験会場で同じ課題が重ならないように組み合わせを変えています。なぜか?というと、例えばトロントは日本より13時間遅いです。日本で先に受けた受験者がその答えや課題をトロントにいる友達に教えて準備することがあっては大変なことですね。

そのため、どこで受けようと課題自体に違いはないのです。

IELTS採点基準の共通性

IELTSのリスニングとリーディングの採点基準は共通しており、正答率によって点数が決められております。

IELTSリーディング換算表

リーディング<アカデミック>・バンドスコア換算表
バンドスコア98.587.576.565.55.04.54.03.5
スコア/40問39-4037-3835-3632-3430-3126-2923-2518-2216-1713-1510-129-8

IELTSリスニング換算表

リスニング・バンドスコア換算表
バンドスコア98.587.576.565.55.04.54.03.5
スコア/40問39-4037-3835-3632-3430-3126-2923-2518-2216-1713-1510-129-8

そのため、カナダで受けたほうが易しい、日本で受けたほうが点数がとりやすいということはありません。では、スピーキングはどうでしょうか。

IELTSのスピーキングは日本の方が易しい!?

日本では、スピーキング試験官は移住してきたアメリカ人やカナダ人が多いと聞きます。カナダでは、もちろんネイティブカナダ人が大半ですが、たまに英語を第2言語とする中国人やインド人の試験官(もちろん英語は流暢ですが、たまにアクセントがあり聞きずらいこともある)もいらっしゃいます。

先述しましたように、日本のスピーキング試験官は、日本人の英語に慣れ親しんでいるので点数を高く出してくれると思っている人も多いと思います。もしくは、日本の平均点が低いので多少流暢にしゃべれれば高いスコアをとれると思うでしょうか。実際は、そういうことはありません。現に当語学学校の生徒様でトロントで受験して日本でも受験した方がいらっしゃいます。結果を言うと…ほとんどの方がスピーキングは点数に差はありませんでした。日本で受けた方が0.5点スコアが高い生徒様もいました。逆にカナダで受けたほうが点数が良かった方もいらっしゃいました。

率直にいうと、IELTSの採点基準は全世界共通です。しかし試験官のお国柄が出ることはあります。カナダ人はとても気さくな方が多いので、特に親日家の試験官に運よくあたると得をする時もあります(カナダだけではないですが)。うまくしゃべれなくても伝えようという努力を評価してくれる傾向にあるからです。

代表的なお国柄が影響する時もありますが、個人の試験官の考えやフィーリングによるものが多いのがスピーキングです。つまり、スピーキングはその時の試験官との相性や運もあるので、意識の問題とトピックの熟知度で点数が良いだけかもしれません。国によって違うのではなく、各試験官によって採点の基準が厳しかったりすることは否めません。

そして最近のIELTSコンピューター版では、ビデオコーリングというオンラインでスピーキングを行う会場も増えていて、日本にいる試験官だとは限りませんので、日本人の英語に慣れていて理解していくれるということはありません。

ビデオコーリングシステムについては下記から

IELTSのライティングは日本の方が易しい!?

Certified IELTS examiners (資格のあるIELTS試験官) 」がライティングの添削を行います。2人の試験官が採点基準に沿ってスコアを算出するため、こちらのライティングも実際は、日本だから易しいということはなさそうです。日本人のライティングの平均点は5.5です。6.0の採点基準は以下の通りですので参照してください。試験官はしっかりと採点基準に沿った評価をつけることが義務づけられています。また、試験官2人 (もしくは4人までと言われている) の採点で公平さを保っていると言えるでしょう。

IELTSライティング6.0採点基準

トピック完成度首尾一貫性単語文法
定義– addresses all parts of the task
although some parts may be more fully
covered than others

– presents a relevant position although
the conclusions may become unclear or
repetitive

– presents relevant main ideas but
some may be inadequately developed /
unclear
– arranges information and ideas coherently
and there is a clear overall progression

– uses cohesive devices effectively, but
cohesion within and /or between sentences
may be faulty or mechanical

– may not always use referencing clearly or
appropriately

– uses paragraphing, but not always logically
– uses an adequate range of
vocabulary for the task

– attempts to use less common
vocabulary but with some
inaccuracy

– makes some errors in spelling and/or word formation, but they do not impede communication
– uses a mix of simple and
complex
sentence forms

– makes some errors in grammar and punctuation but they rarely reduce communication
日本語訳– すべてのポイントがカバーされている
が、
偏りがある

– トピックに関連する意見を述べること
ができるが、結論がはっきりしない、
もしくは繰返しが多いことがある

– トピックに関連する考察を述べること
ができるが、詳細が十分でない、もし
くははっきりしないことがある
– 情報や考察を一貫して述べることができ、
論理的な順番になっている

– 文章を繋げる表現を効果的に使っている
が、間違いもしくは不自然なことがある

– 具体例を持ってくるのが正しくない、
もしくははっきりしないことがある

– パラフレーズを使っているが、正しくない
ことがある
– トピックに適切な単語を使っている

– アカデミックな単語を使おうとしているが正しくないことがある

– スペルミス、語の並びに間違いがあるが意味は伝えられる
– 基本および複雑な文法を使っている

– 文法と句読点で間違いがあるが意味は伝えられる

IELTS Writing Assessment Criteria band 6

IELTSのライティングは採点基準が非常に厳しく、なかなか6.5もしくは7.0の壁を超えることができないと言われています。その通り、カナダの平均もライティングだけが低く6.1となっています。全世界でライティングの平均点は低いという事実からも公平に評価していると言えるでしょう。

結果、日本で受けた方がいいの!?

結論は、IELTSのテストは日本で受けたからといって易しいわけではなく、点数も取りやすいわけではありません。国の違いは全くないです。

しかし、最善策として自分の気に入った会場や集中して取り組める環境をつくることで、自分の実力を出し切ることができます。「海外に行って受けると不利になる」という考えがあると逆に自信をもって取り組めなくなるので、留学先で受ける場合でも会場の環境を調べたり、何回か同じ会場で受験してみて自分に有利に働くようにしましょう。

まとめ

IELTSのテストの課題は全世界共通で、公平さを保つために採点基準が厳しく設けられているテストです。そのため日本で受けた方が有利、海外で受けると不利などの差はありません。ただスピーキングは試験官の採点が最終スコアとなるため、相性などがスコアに影響を与える可能性は否めません。試験会場の設備や慣れなどもスコアを変動する要素になり得ます。

留学先で受けようが国内で受けようがテストはテスト。気持ちよく受けられる環境を持った試験会場を選ぶことの方が大事なような気がします。

しかし、実際は環境に左右されないのも実力のひとつ。どこでも着実にスコアが取れるように準備をすることの方が得策なのです。

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