IELTSのスピーキングの対策で悩んでいませんか。スピーキング練習は、アウトプットが必要なので、なかなか自分で練習できないと悩んでいる方もいるでしょう。自由度の高いスピーキングでも、まずは自分の意見をしっかりと言えることができれば、ある程度の点数が見込めます。
まずは、IELTSのスピーキングとは何か?どのような試験傾向にあるのか? どのような回答が高得点をとれるのか? 、そして、最も大切な「スピーキングでやっていないけないこと」も含めて説明します。
IELTSスピーキングについて
IELTSスピーキングの対策を取る前に、スピーキング試験について熟知しましょう。漠然とスピーキングの練習をするのではなく、採点基準をしっかりと把握し、何に焦点をあてて練習をしたら良いのかを理解し、効率的に練習を行いましょう。
IELTSスピーキングとは..
IELTSスピーキングは、試験官と1対1の面接形式で行われる、対面式のスピーキング試験です。コンピューターテストでも、スピーキングだけは対面形式で行われます。 約14分の間に、パート1、パート2、パート3の、全3パートが実施されます。 ここでは、それぞれのパートの内容について紹介します。
パート1
パート1は、ジェネラル・クエッション(general questions)です。
一般的内容の質問と言われ、自己紹介、家族、友達、実家など、受験者自身のことについて聞かれます。
パート2
パート2は、トピックカードの課題についての2分間スピーチです。
ある特定の話題について、試験官からトピックカードが渡されます。質問事項の他、2,3つのガイドラインが提示され、それについて話すように要求されます。考える時間が1分間、トピックについてスピーチする時間が約2分間、それぞれ与えられます。
パート3
パート3は、トピック2の課題に関係した内容の質問で、試験官と対話するディスカッション形式です。
質問内容は抽象的で、トピックに関する、より詳細な内容の回答が求められます。ディスカッション形式(対面討論)で進められますので、トピックに関して、より多くの情報を伝えるようにしましょう。
コンピューター版のテストでは、会場によって「ビデオコール スピーキング」といって、個室に通され、オンライン上でのスピーキングが行われます。一対一の面接形式という面では一緒ですので、ご安心ください。
スピーキングの採点基準
バンドスコアの評価基準は、スコアごとに決められています。例えば、日本人の平均である、6.0を目指す場合は、以下のような基準が定められています。
<IELTSスピーキング6.0の採点基準>
定義 | 流暢さと一貫性 | 語彙力 | 文法 | 発音 |
---|---|---|---|---|
定義 | – is willing to speak at length, though may lose coherence at times due to occasional repetition, self-correction or hesitation – uses a range of connectives and discourse markers but not always appropriately | – has a wide enough vocabulary to discuss topics at length and make meaning clear in spite of inappropriacies – generally paraphrases successfully | – uses a mix of simple and complex structures, but with limited flexibility – may make frequent mistakes with complex structures, though these rarely cause comprehension problems | – shows some effective use of features but this is not sustained – can generally be understood throughout, though mispronunciation of individual words or sounds reduces clarity at times |
日本語訳 | – 一定の長さを持って話すことができるが、繰返しや自己訂正、躊躇によって一貫性が無いことが時々ある – いろいろな種類の接続詞や挿入句、副詞を使っているが必ずしも正しく使用しているわけではない。 | – 一定の長さで話することができる、ある程度の語彙力は持っており、その意味を理解しているが、使い方を間違うことがある。 – ほとんどの場合、言い換え表現を正しく使うことができる。 | – 基本的な文法および多少複雑な文法を使うことができるが、応用性に欠け、使い方が限られている。 – 複雑な文章で頻繁に間違うことがあるが、だいたいの意味を正しく伝えることができる。 | – 正しく効果的に発音やアクセントを加えることができる時もある。 – 全体的に言いたいことが伝えられているが、たまに間違った発音によりクリアでないことがある。 |
採点基準の中で、スコアアップにもっと重要な項目は「流暢さ」です。文法の間違いなどはあまり気にせず、試験官との会話を楽しむつもりで試験に臨むと、リラックスして取り組めるでしょう。
下記のIELTS 6.の スピーキングフルテスト(part1, 2, 3) サンプルも参照してください。
実際のIELTSスピーキングテストで6.0を達成した生徒様に協力していただきました。
IELTSスピーキングの点数は、対面した試験官が、あなたのスピーキングの採点を試験が終わった直後に出します。
他の採点者の介入はなく、この点数が最終的なスコアになることがほとんどです。
IELTSスピーキングの最近の傾向
IELTSのスピーキングでは、パートごとに、頻出課題というものがあります。
パート1
パート1は、自己紹介の部分ですので、自身の家族構成や、仕事、趣味などが出題されます。そのため、パート1が身近な課題で、1番易しく、準備をしやすいと言えるでしょう。
パート2
パート2では、常に多岐にわたる課題がカバーされるため、さまざまなトピックに対しての自分の考え方を持っていることがとても大事ポイントです。
最近の若者の傾向など、テーマが加えられることや、時事問題も多く出題されることもあります。パート2対策では、トレンドや時事問題をカバーしておくと良いでしょう。
パート
パート3では、通例の社会問題や、時事問題に関連したトピックについて、問われやすい傾向があります。
正解や不正解のない答えなので、その課題について自分の意見を持つことが大事です。「他の皆様はどう思うかわからないけど、自分はこう思う!」というように、堂々と意見を述べるようにしましょう。
自分の意見を持つためには、その議題について、事前に考えておくことが1番の対策です。よく出る傾向の課題は、常にチェックするようにしておきましょう。
【IELTSスピーキング対策】スコアアップのコツと注意点1
IELTS のスピーキングは、コツを掴めば意外と攻略しやすいので、恐れることはありません。
採点も、ライティングに比べるとそれほど厳しくはありません。まずは緊張せず、自然な会話を心がけましょう。
IELTSスピーキングでは、同じ表現、語彙を使わないこと(言い換え)がスコアアップにつながります。
話すスピードや、文法の間違いについて、神経質になる必要はありません。
自分のいつものペースで、多少ゆっくり口調で話しましょう。ゆっくりペースの方が、自信があるように聞こえます。IELTSスピーキングの、スコアアップに役立つコツと、対策の具体的なポイントについて、以下でご説明します。
1-1. フィラーを使う
IELTSスピーキングテストの時、試験官からいきなり、考えたこともないような、突飛な質問をされたら、誰でもすぐには答えられないはず。そんな時に フィラー(conversation fillers) を活用します。
フィラーとは…会話の “filler”「埋めもの」という意味で、会話と会話の間の沈黙を埋め合わせるのに役立つ表現です。
日本語だと、「えーと」などに当たります。フィラーを使えば、躓いているようには聞こえないため、情報を処理するための時間を稼ぐいいツールにもなります。
〔フィラーのフレーズ〕
- Er… let me think…
- Hmm… that’s a good question…
- Actually… I’ve never really thought about it…
- Umm… (質問を繰り返す) *
- I mean,
- You know,
- What I want to say is…
このように、効果的な「フィラー」 を使う練習も、普段から取り入れておくと役に立ちます。
質問の繰り返し方
質問の繰り返しには以下のような例があります。
What do you like to do with your family ?
Umm, what do I like to do with my family?
このように質問を繰り返すことができます。
※自分に聞かれていることなので主語が “I” となることに注意!
その他、質問の意味を明確にするために、聞き返す手段があります。
聞き返すこと自体は減点にはならないので、少しでも考える時間が欲しい時にぜひ使ってみましょう。
〔聞き返すフレーズ〕
- Excuse me, can you repeat the question, please? / I beg your pardon?
- Sorry, what do you mean by…?
- Could you say that again, please?
- Could you be more specific, please?
- Could you expand on that?
大抵の試験官は、異なった表現で言い直してくれます。
1-2. 日本語のアクセントの有無は気にせず、正しい発音を覚える
日本人のアクセントは、一般的にそれほど強くないので、英語の正しい発音(イントネーション)を覚えてさえいれば、会話の際に誤解されたり、「相手に通じない」ということはなくなります。
アクセントは、英語を第二言語としている国の人たち皆が持っているものだと思ってください。IELTSスピーキングでは、アクセントは採点基準ではありません。
「正しい発音ができているか」が採点の基準ですので、日本人の場合は特に“L” と “R” の発音の違いや和製英語に気を付けてください。単語を覚える時は、必ず発音を確認しましょう。
発音に気を付けたい単語をピックアップしました。
【発音に気を付けたい単語】
英語 | 発音 |
allow | [əláu] カタカナで言うと「アラウ」と発音 |
clothes | 「clothe iz」と発音しないように |
aisle | 「アイル」と発音 |
jewelry | 「ジューゥルリ」と発音 |
choir | 聖歌隊を意味する言葉で「クワイア」と発音します。 |
gauge | 「ゲイジ」と発音 |
herb | 「アーブ」とは発音 |
infamous | 「インファマス」と発音 |
questionnaire | 「クゥエスチャネェア」と発音 |
gloves | 「グラブス」と発音 |
risen | 「リズン」と発音 |
他にも、日本人のおこしやすい間違いとして、文の最後のイントネーションを上がり気味で終わらせる、というものがあります。不確かな時や、文を終わらせていいのか迷った時によくあるパターンです。
文を終わらせる場合は、イントネーションは⤵で終わらせましょう。
文末の音が下がると、試験官も終わったと分かります。逆に⤴だと、回答がまだ終わっていないと思われ、試験官をむやみに待たせてしまうことになります。
1-3. 和製英語に注意しよう
正しい発音を覚えることにもかかわってきますが、カタカナで示されているので、つい英語だと思って使用してしまう和製英語には注意しましょう。ネイティブには通じないばかりか、意味が全く違う単語もあります。
IELTSのスピーキングのみならず、日頃から気を付けないといけません。特に注意したい和製英語をピックアップしました。
【注意したい和製英語】
和製英語 | 英語 |
コップ | glass |
段ボール | cardboard |
ノートパソコン | laptop computer |
電子レンジ | microwave |
アルバイト | work part-time / have a part-time job |
パーカー | hoodie |
ガソリンスタンド | gas station |
オートバイ | motorcycle |
トイレ | washroom |
アンケート用紙 | questionnaire |
マフラー | scarf |
チャック | zipper |
和製英語リストは下記の別ブログを参照してください
最近では、インターネットなどで正しい発音が、簡単に検索できるようになっているので、ぜひ単語を覚える時に発音も一緒に覚えてください。一般的な単語の場合は、その単語をタイプして発音(pronounciation) と検索すると下図のように、イラスト付きで出てきます
1-4. 一貫性のある答えにするには理由を必ず言う
IELTSスピーキングの質問の答えには、必ず自分の考えや思いを付け加えて、「なぜ自分がそう思うのか」の理由を必ず言いましょう。
ライティング同様、自分の意見を提示したら、「なぜそう思うのか?why?」の見解を必ず直後に言う癖をつけることで、話題に広がりを持たせながら、論理的な結論に導きます。
以下が、試験官の質問に、理由をつけて回答した例です。
what is your job?
I am a teacher. I really like my job (自分の意見、考え), because I can help students achieve their goals (その理由). I am so lucky I have the job I wanted. (そのことから導かれる自分の意見)
ただ質問の答えだけを答えても、点数につながりません。
自発的に、自分の意見を詳細に付け足すことで、スコアアップにつなげましょう。
IELTSのスピーキングでは、自分が主役です。自分の考えや、思いを入れて、試験官との会話を弾ませましょう。そして、練習の時は、「なぜそう思うのか」の理由を、いつも用意しておくと、本番でも話しやすくなります。
1-5. 分からない場合は「分からない」とはっきり言う
何と答えたらいいかわからない場合は、思い切って「分からない」と言いましょう。
試験で、「分からない」と言うことに抵抗がある方も多いと思います。しかし、今まで考えたこともなければ、何と答えたらいいのか、考えてもわからない質問をされることがあります。特に、パート3では、そのような場面が多くあることでしょう。
以下は、どう答えるかわからなかった時の、回答例です。
I do not know really…
I have never thought about it ( フィラー を使う)
…um…. Well, I really cannot recall or think about it.
but…… I would say….. that is not a good thing for sure….
この例のように、「分からない」と言ってから、「フィラー」で時間稼ぎをして、最後に簡潔に、良い・悪いなどの一般的なことだけ伝えて逃げきることができます。
このように回答することで、試験官からは、「自然に言い逃れができている」、「答えに詰まっていない」と思われ、スコアを落とされることがなくなります。
1-6. 問題の意味が分からなければ必ず聞き返す
試験官に質問を聞き返すことは、特にパート3では、とても大事なポイントとなります。
パート1でも、質問を聞き返すことは減点対象になりません。スピーキングテストですが、リスニング力も試されていると認識しましょう。しっかりと試験官の質問を理解することは、論理的な回答をするための、大事な一歩です。
聞き返しのフレーズ
パート1では、日常的な会話が多いので、質問の意味を推測しやすく、聞き返すことも少ないと思います。しかし、パート3では、上級者でも聞き返すことが多くなる部分です。質問の内容がわからなかった時は、下記のフレーズを使用して、試験官に聞き返しましょう。
【質問の聞き直しのフレーズ】
- Sorry, I missed what you said. Can you say that again?
- I couldn’t catch the question. Can you repeat the question for me, please?
- Sorry, could you repeat the question please?
- Sorry, can you explain what that means?
質問文の例題
パート3でよく聞かれる、質問文の例題を見てみましょう。下記のように、答えにくい難しい課題も出ます。意味があいまいな時や、聞き逃しやすい部分があった際は、質問パターンを覚えるまで練習することで、スムーズに答えられることにつながります。
【パート3の質問文の例】
1-8. 回答を暗記しない
頻繁に出題する課題は存在しますが、回答を暗記し、それをそのまま答えるという回答方法は避けましょう。理由は以下の3つです。
①暗記していると試験官にばれる
②回答をすぐに思い浮かぶことができないと沈黙が続いてしまう
③抑揚を失いがち
「抑揚(よくよう)」とは、話すときの声や文章などの調子を上げたり、下げたりすることです。
抑揚がないと、棒読みになってしまい、試験官に暗記した答えだと認識され、減点につながります。これは、「メカニカルスピーキング」と呼ばれ、スピーチ能力をを判定することが不可能という結論になるからです。
下記はメカニカルスピーキングについての詳しい説明です
スピーキングの練習を行う際に、頻出問題などをネット検索し、あらかじめ回答や、考え方を準備することは大事です。回答は練習の度に言い方や表現を変えるなどして工夫してみましょう。
【スピーキング対策】コツと注意点2に続く
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