【こちらは旧型式の情報ですので下記のリンク先より「新形式TOEFLiBTとは?」 を参照してください】
TOEFLとは、アメリカの教育団体(ETS)が主催する英語能力判定試験のひとつで、大学のキャンパスや教室といった実生活でのコミュニケーションに必要な、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に測定するテストです。
アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英国圏の大学の入学や移民申請をするのに必要なテストという意味ではIELTSと同じですが、TOEFLはアカデミックモジュールのみです。
最近ではIELTSの知名度が高まっていますが、TOEFLはキャンパスライフや講義などにちなんだトピックが多いので、大学に入学する時に最も役に立つテストと言えます。
TOEFLは日本でも知名度は高く、英語能力の証明としてTOEICと並んで人気のテストです。
※2023年7月から、リスニング、リーディングにおいて設問数や時間の変更がありました。設問内容や問題形式の変更はありません。ライティングパート2のエッセイがなくなり、代わりにAcademic Discussionのタスクになりました。
TOEFL iBT テスト概要
TOEFLには以下の2つのフォーマットがあります。
- コンピューターで行われるTOEFL iBT
- 筆記試験(ペーパー版)のTOEFL PBT
98%がTOEFL iBTを受験している状況で、コンピューターにアクセスができない地域にのみTOEFLペーパー版が実施されています。
日本では、TOEFL iBTのみ実施しています。
試験科目は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング。
各セクション30点満点で、合計120点満点のスコアになります。
所有時間は約2時間のテストで、受験者の進み具合によって時間が多少短縮します。
スタート時間はだいたいから9時から9時半の間ですが、案内される順番によって10時になることもあります。カナダもしくはアメリカでは水曜日、金曜日、土曜日に実施され、月9回ほど実施されます。会場によって実施日が決まっていることが多いので近くの会場の情報を事前に入手しましょう。
日本では、全国各地の会場で実施されています。平日の実施はなく土日に実施されます。
試験開始時間は午前中の10時からが多いですが、土曜日は午後13時からの実施も行われています。
共通して筆記用具(メモをとるための紙や鉛筆)は準備されているので持参する必要はありません。セクションの合間の休憩はありません。トイレ休憩はいつでもできます。会場のコンピュータからログアウトするので時間を無駄にすることもありません。
TOEFL iBT 試験実施回数と受験料
日本では毎週土曜日、日曜日に開催されているのでかなり頻度の高いテストと言えます。
試験日の6ヵ月前から7日前まで申し込みが可能です。
受験料は日本円での表示になりましたが、US$245ですので、その時の換算レートによって異なります。
申込済みのテスト日やテスト会場の変更もテスト日の4日前まで可能ですが、変更手続きにはUS$60の費用がかかります。
4日前にキャンセルした場合は受験料の半額が返金されます。
受験回数に制限はありませんが、次の試験まで12日間の期間をあける必要があります。
TOEFL iBT テストの流れ
リーディング 35分(2パッセージを読み、1パッセージにつき10問、合計20問の問題をとく)
リスニング 36分(キャンパスでの会話2つ・講義3つを聞き、合計28問の問題をとく)
スピーキング 17分(4つの課題について答える)
ライティング 30分(タスク1と2)
TOEFL iBT 科目別評価基準
Reading, Listening, Speaking, Writing 各セクション30点満点で、合計120点満点のスコアになります。
Reading 評価基準
リーディング は2パッセージで35分内で解きます。1パッセージあたり約18分ほどで設問は10個。
新形式以前の採点されない問題(ダミー問題)はありません。設問当たりの配点数等のスコア換算表は公表はされていません。問題の難易度、受験者の間違いの多い箇所等の情報によって点数が変わると言われています。
しかし、大まかな換算方法はあります。1つのパッセージあたり10問、2パッセージで20問、これをTOEFLのスケール1~30で表します。正確な換算方式は発表されていないため正答率での換算となります。参考にしてみてください。
TOEFLのリーディング問題の対策は以下の記事でまとめています。
正答率 | Total Scaled Score(換算された点数) |
95-100 | 30 |
86-95 | 28-29 |
76-85 | 26-27 |
66-75 | 22-25 |
56-65 | 18-21 |
46-55 | 13-17 |
36-45 | 8-12 |
20-25 | 1-2 |
15-20 | 0-1 |
Listening 評価基準
リスニングの制限時間は36分です。
通常は、会話が2つ、講義が3つの構成で36分です。ダミー問題は廃止されました。
通常は28問が出題されます。
TOEFLのリスニング問題の対策は以下の記事でまとめています。
Raw Point(素点) | 間違い | Total Scaled Score(換算された点数) |
---|---|---|
28 | 0 | 30 |
27 | 1 | 29-30 |
26 | 2 | 27-29 |
25 | 3 | 26-27 |
24 | 4 | 25-26 |
23 | 5 | 24-25 |
22 | 6 | 22-24 |
21 | 7 | 20-22 |
20 | 8 | 19-20 |
19 | 9 | 18-19 |
18 | 10 | 17-18 |
17 | 11 | 16-17 |
16 | 12 | 15-16 |
15 | 14 | 14-15 |
14 | 14 | 13-14 |
13 | 15 | 12-13 |
12 | 16 | 10-12 |
11 | 16 | 9-10 |
10 | 18 | 8-9 |
9 | 19 | 7-8 |
Speaking 評価基準
スピーキングは4つの質問で構成されています。2023年の7月に行われた改正で唯一、変更がなかったセクションです。
スピーキングセクションは約17分。
1つの質問に対する回答は、各2名の評価者が4つの質問に対して0~4点スケールで採点し、合計24点(素点)となります。これをTOEFLスケールの30点に変換します。
TOEFLのスピーキングの採点基準は、以下の4つです。
- General description:概要―全体的に質問に答えているかどうかが判定される
- Delivery:話し方(流暢さ、発音やイントネーション)が判定される
- Language use:文法の正しさと適切な語彙の使い方が判定される
- Topic development:話の論理的な展開が判定される
TOEFLの公式スピーキング採点基準等の情報は、以下の日本のETSのウェブサイトをご確認ください。https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/scores.html
TOEFLのスピーキング問題の対策は以下の記事でまとめています。
Raw Point(素点) | Total Scaled Score(換算された点数) |
---|---|
4.00 | 30 |
3.83 | 29 |
3.66 | 28 |
3.50 | 27 |
3.33 | 26 |
3.16 | 24 |
3.00 | 23 |
2.83 | 22 |
2.66 | 20 |
2.50 | 19 |
2.33 | 18 |
2.16 | 17 |
2.00 | 15 |
1.83 | 14 |
1.66 | 13 |
1.50 | 11 |
1.33 | 10 |
1.16 | 9 |
1.00 | 8 |
Writing 評価基準
ライティングは課題が2つで合計30分。
①Integrated task(統合問題)と②Independent task(独立問題)で構成されています。
どちらも0~5点で評価され、人間の採点官とコンピューターによって採点されます。
最終的に2つの平均点を統計処理し、0~30のスコアへ換算します。
TOEFLのライティングの採点基準は、以下の4つです。
- development:文章構成・展開のわかりやすさ
- organization:文章のまとまり・一貫性
- grammar and vocabulary:文法・語句の使用の適切さ・正確さ
- accuracy and completeness:内容の充実さ・正確さ(Integrated taskのみ)
TOEFLのライティング問題の対策は以下の記事でまとめています。
Raw Point(素点) | Total Scaled Score(換算された点数) |
---|---|
5.00 | 30 |
4.75 | 29 |
4.50 | 28 |
4.25 | 27 |
4.00 | 25 |
3.75 | 24 |
3.50 | 22 |
3.25 | 21 |
3.00 | 20 |
2.75 | 18 |
2.50 | 17 |
2.25 | 15 |
2.00 | 14 |
1.75 | 12 |
1.50 | 11 |
1.25 | 10 |
1.00 | 8 |
IELTSとのスコア比較
他に、大学への進学に必要とされる英語力の判定試験でよく使われているのがIELTSです。
TOEFLの公式サイトには、IELTS overall score(総合スコア)6 は TOEFL 60-78点 に相当するとされています。
TOEFL、IELTSは、それぞれ特徴がある試験です。進学希望先がどちらのスコアも受け入れている場合、自分の英語力、試験の特徴を比較してどちらを受験するか決めましょう。
日本人のTOEFL平均点
2022年のETSの統計では72点でした。
近隣の英語を母国語・公用語としない国々と比べると10点ほど下回ります。
ちなみに、当校の所在するカナダの平均点は94点でした。
リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
Japan | 19 | 19 | 18 | 17 | 73 |
China | 24 | 23 | 22 | 21 | 90 |
Korea | 22 | 22 | 21 | 21 | 86 |
Canada | 24 | 24 | 24 | 23 | 95 |
TOEFL 勉強法
トーフルの対策においては、リーディングとリスニングの強化、つまり英語の基礎力をつけることが最も大切です。
まずは、単語や表現を覚えるインプットを中心に行います。
リスニング力を伸ばすため、日々のリスニングに加え、ディクテーション(英語の書き取り)とリテンションの練習を取り入れましょう。
インプットが万全になってからスピーキング・ライティング、つまりアウトプットの練習をしましょう。
スピーキングは時間内に答えられるよう練習を繰り返します。
ライティングでは、様々な言い換え表現を覚えて、具体例を書く練習をしましょう。
セクションごとの問題形式・対策をまとめた記事はこちら。
- 【新形式】TOEFL リーディング 問題形式と対策法
- 【新形式】TOEFL リスニング 問題形式と対策法
- TOEFL スピーキング 問題形式と対策法
- 【新形式】TOEFL ライティング 問題形式と対策法
TOEFL iBTの特徴 まとめ
- 大学のキャンパスや教室などの実生活でのコミュニケーションに必要な「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に測定される
- 試験はコンピューター上で行われ、選択問題が多い
- 主にアメリカ英語(ナチュラルスピード)
- 受験料はUS$245(2024年5月現在)
最近では日本円で表示されるが、その日の換算レートによって料金が変動する - テストの日程や会場の変更、キャンセルはテスト日の4日前まで可能(費用がかかる)
- 受験回数に制限はないが、次の試験まで12日間空ける必要がある
- テスト時間は2時間
- スピーキング・ライティングでも速読力・リスニング力が必要になる