海外留学を目指す場合、IELTS、TOEFLどちらのスコアも英語能力の証明として受け付けている場合、どちらを受験すべきでしょうか?IELTS、TOEFLそれぞれ特徴があり、目指すスコアや受験者の得意・不得意によってどちらの受験をおすすめするかは変わってきます。
IELTS/TOEFLの詳しい概要は下記2つの記事で説明しています。
TOEFL vs IELTS の特徴や申し込み手続き
IELTS AT&GT | vs | TOEFL |
---|---|---|
イギリス・オーストラリア | アクセント | アメリカ(ナチュラルスピード) |
移民・進学・留学 | 目的 | 進学・留学 |
筆記/コンピューター R/Lでも筆記あり | 形式 | コンピューター R/Lは選択問題 |
全国各地 コンピューター版は制限あり | 受験会場 | 全国各地 |
コンピュータ版の試験は頻繁に実施 ペーパー版は主に毎週土曜日 | 試験開催 | 主に毎週土日に実施 |
約3時間 | テスト時間 | 約2時間 |
制限なし 受験期間を空ける必要なし | 受験回数 | 制限なし 受験期間を3日空ける必要あり |
25,380円(ペーパー版) 27,500円(コンピューター版) | 受験料 | テスト7日前まで:US$245 (1ドル150円の場合36,750円) それ以降からテスト2日前まで:US$285 |
ペーパー:2週間 コンピューター:最短3営業日 | 試験結果 | 約2週間後にマイページでスコアが閲覧 |
初回:無料 2回目以降:6,300円/1回 | 申込内容の変更 | テスト4日前までUS$60 |
申込締切日まで、6,300円 | キャンセル | テスト4日前まで、50%返金 |
4つのセクションの平均を出し、最も近い整数または半分のバンド スコアに四捨五入される | スコア換算方法 | 粗点換算でセクション別30点満点を足して総合合計となる |
受験日から6週間以内であれば再採点(Enquiry on Results)を申請可能。一律15,000円 | 再採点 | スコア再採点の申請は、受験日から30日以内。手数料として、各セクションにつきUS$80(ライティングとスピキングのみの再採点) |
2年間 | 有効期限 | 2年間 |
TOEFLは2023年にダミー問題が撤廃されて試験時間がぐっと短くなりました。一方IELTSは約3時間、またスピーキングが午後に入ったり、午前に入ったりするため(コンピューター版のテスト予約時間による)拘束時間がかなり長いと言えます。IELTSをコンピュータで受験する場合は頻繁に行われており、テスト結果も3日で受け取ることができます。上記の違いはテスト自体の違いであり、試験の内容やテスト形式等を比べてどちらのテストを取るべきか、を判断したほうが良いでしょう。
また、IELTSとTOEFLのスコア換算は以下の表を参照ください。
IELTS | TOEFLiBT |
9.0 | 118 |
8.5 | 115 |
8.0 | 110 |
7.5 | 102 |
7.0 | 94 |
6.5 | 79 |
6.0 | 60 |
5.5 | 46 |
5.0 | 35 |
4.5 | 32 |
4.0 | 0-31 |
各技能ごとの違い
IELTSとTOEFLの科目ごとの違いを説明します。それぞれの違いを比較して、どちらの方が自分の「英語の得意」に合っているか参考にしてみてください。
リーディング
IELTSのリーディングもTOEFL のリーディングも難易度にあまり違いはありません。
IELTSのリーディング(アカデミックの場合)は2ページ分の長文が3つ、それぞれ13-14問ずつ、合計40問を60分で解きます。4択問題だけでなく英単語の空欄を埋める問題があります。スペルも問われてますのでスペルに自信がある人はIELTSで対策するとよいでしょう。また、早く概要を読める方にはIELTSのリーディングの方が点数が取りやすいでしょう。
TOEFLのリーディングの試験時間は長文2つが出題され合計35分。IELTSよアカデミックな大学講義の専門用語が使われている場合が多いものの、TOEFLのリーディングの方が文章がやや短く、段落ごとに問題が設置されているため、内容がどこに書いてあるかを探す必要はありません。読む時間が遅い方には向いています。
リスニング
IELTSのリスニングは、試験時間(音声が流れる時間)は30分で、問題数は40問です。筆記試験の場合は解答を書き写す時間を10分間、音声が流れ終わった後に与えられます。IELTSは筆記・コンピューター試験に関わらず、英単語で空欄を埋める問題があり、スペルに気を付ける必要があります。音声の速度は、問題によりますが、TOEFLよりも遅い場合がほとんどです。リスニングが苦手な方は断然IELTSの方をおすすめします。
TOEFLのリスニングは、問題数は28問の36分の試験時間です。ナチュラルスピードの会話文や長いレクチャーを聞いた後に問題に答えます。すべて選択・分類問題ですが、問題を先に見ることができないため、リスニングの内容を詳細に、正しくメモを取る力が必要です。また、リスニングの前に短めのリーディングが含まれる問題もあり、速読力も試されます。リスリング以外でもライティングとスピーキングでリスリング力や読解力が問われる統合問題があるため、リスニングを苦手とする方はIELTSを選ぶとよいでしょう。
ライティング
IELTSもTOEFLも2つの課題が出されます。
IELTS(アカデミック)の場合、図表の分析を行うタスク1で150語以上、最近の社会問題などがテーマのエッセイのタスク2で250語以上のライティングが求められます。試験時間は2つのタスク合計で60分。タスクごとの時間配分は受験者の自由です。ライティング能力のみが問われますが、内容など論理性も関わるため、点数が非常にとりづらいセクションです。
TOEFLのライティングの大きな特徴は、トピックに関連する文章を読み、その内容に関するレクチャーを聞いてライティングを行うIntegrated Task (統合問題)が1問出題されることです。つまり、ライティングの試験ですが、読解力とリスニング力も問われます。もう1問は単純にライティング能力が問われるAcademic Discussionです。こちらはInstructor の質問に対して自分の意見を述べる投稿形式。100文字以上で回答しますが、130文字ぐらいを目指しましょう。試験時間は合計30分で、Integrated Task(20分)、Academic Discussion (10分)それぞれ解答時間の配分が明確に決まっています。
IELTSのライティングで6.5以上の高得点を取ることは非常に難しいと言われています。TOEFLは少ない時間で多くの語数を書く必要があること・リーディングとリスニング力が必要となりますが、進学先の要件としてIELTSのライティングで7.0以上を求められている場合は、TOEFLを選択した方が早く目標を達成できるでしょう。しかしセクション毎の最低スコアが決められていない場合は、IELTSのリスニング、リーディングのインプットの方で点数をとれれば、ライティングとスピーキングの方が低くても総合スコアは7.0をとることができるため、セクション毎の最低スコアが決められているかどうかはしっかりと把握しましょう。
総合スコア7.0目標の場合】
L7.5 R:7.5 W:6.0 S6.0 総合バンドスコアは7.0となります。
スピーキング
IELTSのスピーキングは面接官と個室に入って、直接対話する形式です(約14分)。最近ではビデオコーリングというコンピューターを介しての面接も行われますが、個室で一対一の面接形式には変わりがありません。一方で、
TOEFLのスピーキングは、コンピューターに向かってスピーチを行います(17分)。スピーキングだけ個室で行うことはなく、周りに受験者がいる中でスピーキングのテストを行います。
IELTSの場合は、試験官とコミュニケーションをとることができるので、例えば質問の意味が分からない時や、理解できているか不安な時は聞き返すことができます。一方TOEFLは質問をすることはできず、解答時間も厳密に決められています。主に60秒で答えるタイプです。自分のスピーチを録音されるため、いかに自分の回答を時間内に収めるかが重要となり、リスニング力、メモ取りの能力を必要とする統合問題となります。
スピーキングはIELTSの方がやりやすい、点数が取りやすいと言えますが、TOEFLのスピーキングの形式に慣れればテンプレートを使用することができるので練習次第ではスピーキングで高得点を取ることも可能でしょう。やはりリスニングの能力次第と言えます。
IELTS vs TOEFL まとめ
IELTSとTOEFLの一番の形式の違いはスピーキングです。
コンピューターにスピーチをするタイプと面接官と一対一で行うタイプの違いです。
また、TOEFLはライティング・スピーキングでもIntegrated Taskと呼ばれる統合問題があり、リーディング・リスニングのスキルが問われるため、リスニング力が肝心です。中級以上のリスニング力がある方には適しているでしょう。一方、リスニングは苦手だが、リーディングに自信がある方はIELTSが適していると言えます。IELTSはライティングで高得点を取ることが難しいものの、他のセクションで高点数を取ることで補うことができます。IELTSライティングの最低スコアが7.0と決められている場合はTOEFLを狙いましょう。
IELTSかTOEFLか、どっちを受けるべきか?ご自分では判断できない方も多いと思います。MAEでは、無料体験レッスンでちょっとしたレベルテストを行い、どちらがよいかアドバイスをいたします。