スピーキングには”非言語スキル”は必要か!?

非言語スキルとは

「非言語スキル」とは何でしょうか。非言語スキルには、言葉を使用せずに行われる人間のコミュニケーションの幅広い要素が含まれます。これらには、ジェスチャーや顔の表情、文化的背景、カルチャなどを含みます。これらのスキルはコミュニケーションを通して、そして言語学習を通して身につくスキルです。直接的に学ぶことができるものではなく、英語を学ぶ過程の中で、自国の言語文化に対する違いや新たな認識が得たりすることも可能にしてくれます。得に文化や社会的背景を理解することはグローバル化が進む中、グローバル人材として活躍するためには必須のスキルとなります。

この非言語スキルを磨き、異なる文化間での共通点や相違点を認識できるようになったり、国際社会でのコミュニケーションにおいてより柔軟なアプローチを取ることができるようになることは大事なポイントです。今後さらに、語学以外に求められる必須スキルとして異文化間のコミュニケーションにおいて大きな役割を果たすことでしょう。

非言語スキルの具体例

ここでは、異文化のコミュニケーションを円滑に運ぶための非言語スキルについて具体例をあげていきます。

冗談で言ったつもりが冗談が通じなかった!っという経験は誰もが一度は持つでしょう。冗談とは社会的もしくは文化的背景を色濃く反映するものなので、意味や「おち」を理解するのにその文化を学ぶ必要性がでてきます。

そのほか、日本では謙譲語という言葉があるように日本人は自分を謙遜して表現しがちです。日本独自の概念で、褒められても、「いえいえ、僕なんて….」「がんばったね」って言われても「いやいや、別にたいしたことないです」と答えてしまいがち。英語の直訳では、”No, not really, I didn’t do well”, とか、”No, I was not that good” ” I could have done better”と言えるでしょうか。しかし、これでは相手方は褒めてあげているのに「なぜ喜んでくれないのか?」と不思議がることでしょう。

「謙遜する」という日本文化を理解できない社会は世界にはたくさんあることを認識しましょう。以下の例はどうでしょうか。

日本語 ➡「つまらないものですが、どうぞお受け取りください。」

英語訳 ➡ “It’s nothing special but I want you to have it”


相手方は 「なぜつまらないものを私たちにくれるのか」と不思議がるところでしょう。他文化に謙遜の概念があるとは限りません。そう考えると、謙遜することが必ずしもコミュニケーションを円滑にするとは限らないわけです。

適切な英訳 ➡ ” I bought you a gift, I hope you like it.”

このような文化背景を考えた回答が非言語スキルと言います。

非言語スキルは英会話以外のテスト対策でも必要か

IELTSやTOEFLのスピーキングテストは、自分の意見を述べることが大事になります。まず日本人が陥りがちな過ちは、私たち日本人という形で一般化しようとするところにあります。また、「率直な意見を述べる答え方をしない」というところが文化的な背景にあると言えます。

英語圏では、まずは聞かれたことの答えを言う、「NO/YES」をはっきりさせる必要があります。そしてそれはなぜか?という理由を後につけていく答え方になります。しかし、日本語では、ぶしつけな態度にならないように言いたいことを先にもってくるのではなく、理由が先に言ってからやんわりと断ることが多いでしょう。

例えば、ピザは好き? 答え→「パンがあまり好きじゃないから嫌いかな。」のような感じですね。この表現の仕方には、社会的背景が絡んでいると考えます。しかし、英語の場合は、自分の意見を述べることは大事な自己主張の1つです。そのため答え方を変えていく必要があります。

IELTSのスピーキングのテストを例にあげると、パート3では社会問題について答える必要があります。その時に「自分の意見を言ってはいけない」と思っている方がいらっしゃいますが、それは違います。自分との一対一の面接形式であることを忘れないようにしましょう。どのパートでも日本人全般の意見を代表するのではなく、一般的なこと聞かれたとしても「自分はそれに対してどう思うのか?」を明確に表現するようにしましょう。

自分の意見を言う時の便利な表現

  • I think/ feel/ believe that…
  • it seems to me that…
  • I tend to think that…
  • In my opinion,
  • As far as I am cocerned,
  • From my experience,

スピーキングに必要な非言語スキルの磨き方

英会話でも試験対策のスピーキングでも非言語スキルは必要です。では、どうやって非言語スキルを向上させることができるのでしょうか。これは、「文化的背景を理解すること」と「自分の意見をしっかりとはっきりといえる力」、何よりも「リスニング力」が決め手となるのです。

アイコンタクトを忘れない

人とコミュニケーションをとる時、もしくはプレゼンをする時でも、しっかりとしたアイコンタクトができない人の主張を信頼することは難しいでしょう。目線がしっかりしており、目を見て話すことができると良い印象を与えるだけでなく自信に満ちた答えとして。異文化間であっても共通して言えることで(ユニバーサルサイン)、アイコンタクトを取ることはコミュニケーションの中ではとても大切な要素です。

よく話している時に瞬きが多い人、決して目を見ない人はうそをついている可能性が高いと判断される研究を聞いたことがありますか。その通り、アイコンタクトをしないと直視することができない理由があるのかと考えられてしまいます。逆にアイコンタクトをすることで信ぴょう性を高めることができるのです。

積極的な聞き手になること

アイコンタクトを維持し、同意する場合は、うなずき、誤解しているかもしれない場合は、明確に質問するなどの聞き上手な合図とリスニングスキルを向上させましょう。まずコミュニケーションは異文化間であれ、同文化間であれ、聞き上手であることが第一の要素です。なぜかというと、意見を誤解なくしっかりと把握しようとする姿勢と関心、共感を示すことができるからです。相手方の意見をしっかりと把握して、理解しようとする努力が信頼関係を構築することを容易にしてくれるでしょう。

最新の出来事を把握する

最新のニュースなどに詳しいといろんな話題についていけるようになります。相手方の興味のあるトピックにも意見を述べることができるようになり、自分の幅広い知識を印象付けることができます。IELTSでは、さまざまな社会問題についてスピーキングでもライティングでも問われます。TOEFLでは、さまざまな分野の知識がリーディング、リスニングで役にたちます。スピーキングのパート1でもあるトピックに対して自分の意見とそのバックアップ理由2つをとっさに言わなければなりません。

ネイティブとの会話でもさまざまな興味のあるトピックの話に参加しなければならなくなるでしょう。

例えば、音楽に興味がなくても、なぜ音楽に興味がないのかについて考えたり、なぜある人は音楽に熱狂的なのかについての記事を読んだりしてみましょう。自分の興味を広げることにもなります。何事も関心を持ち世の中を見てみるとよいでしょう。

知識を蓄積する上で興味は大事なモチベーションです。他の文化について学ぶことが楽しいと思えることも、まずは興味があって始めることですね。

相手を意見を肯定しましょう

自分とは違った意見を批判ばかりするのは、良いとはされません。また自分の意見も頭ごなしに批判されることにつながります。違った意見のいい点を必ず認識しましょう。それからその意見の向上点について話してみましょう。そのことで建設的な discussion になります。 

例えば、「development of local communities」 についての戦略として、transportation network をセットアップすることはもちろん大事ですが(相手方の意見)、まず第一に市民が引っ越すきっかけを与えるbusiness relocationが効果的なのでは?などと提案してみましょう。多角的なものの考え方はdiscussionでは欠かせません。自分の意見を譲歩し、同時に強化する答え方を実践してみましょう。

また、自分の意見を肯定する際に、相手方の意見が間違っているからという理由は絶対にしないこと。自分の意見を肯定すること=イコール相手方の意見を否定することではありません。エッセイでも、スピーキングでも、反対意見のデメリットを述べて自分の意見をバックアップする答え方を聞くこともありますが、この考えは直接的ではない、否定的な意見となりますのでなるべく避ける必要があります。

和製英語に注意する

適切な英語表現を学ぶという下記の項目にも述べていることですが、和製英語は通じません。ですから適切な英語表現を学ぶ必要があります。そもそもどの和製英語が通じないかを判断するのが難しいのかもしれませんが、代表的な和製英語を下記に挙げます。

和製英語正しい英語表現
ベビーカーstroller
カオスケイオスと発音します
ノートパソコンlap-top
クレームcomplaint
アルバイトwork part-time
コンセントelectrical outlet

言語習得を通して適切な英語表現を学ぶ

 英語を学ぶ際には、まずはリーディング、リスニング、そして英作やスピーキングのようにインプットからアウトプットへ移行していくのが効果的です。その中で、最初の英語のインプットの時に自然な英語表現を多く学んでいきましょう。ある意味、初心者はパーターン化して覚えるのもよいでしょう。そしていつも、「このように日本語で表現したい時は英語ではどのように言えるのか?」の回答を見つけましょう。ただ単に自分の言いたいことを直接英訳していたら自分のいいたいことが伝わらないことも多々ありまし、文化的な背景を無視することにもつながります。

「行きたい大学の見学をしに、この間東京にある大学に行った時にマップを使用しました。」と表現したい場合に、

✖ ➡ When I went to open campus to see the university. I used a map.

この英文の問題は何でしょうか。

”open campus” は、日本語だと大学や専門学校が高校生や保護者などに向けて、学校の特色を知ってもらうためにキャンパスを開放するイベントのことと定義されています。しかし、英国圏では、一般市民を対象に大学側が公的にキャンパスを解放されていることを意味することもありますが、大学自体が、一般の人々に閉ざされた場所という定義がないので、”open campus” という概念が理解されないことも多々あります。

また、英語は、「discriptive language」の一種 で、意味を成す一つの完成した文章の中に情報が詳細に説明されていないと不自然に感じます。Mapといっても種類は”electric map”と”Paper map”に分かれるので、英語で表現する場合は、もっと限定的に具体的に表現しましょう。

◎例 ➡ I used the electric map on my cellphone when I visisted the univeristy I want(ed) to go to.

まとめ

「非言語的スキル」とは、外国語を流暢に話す以外のスキルのことで文化的、社会的な背景を考慮したコミュニケーション能力全般を指します。このスキルを学ぶことで他の言語や文化に対する理解が高まる、かつ母国語に対する理解が促進されるといったポジティブな要素も伴います。グローバル時代に生きるわたくしたちは、異なる文化間の意見や背景の違いを理解し、円滑な対話を可能にする力を育成する必要があるでしょう。

今後の外国語学習では言語スキルだけでなく、非言語スキルの習得が大事な要素となることは明らかで、他の英語学校ではなかなか教えてくれないスキルでもあります。そのような非言語スキルの育成にも貢献することができる語学学校で英会話、試験対策を学ぶと「目からうろこ」の体験となることでしょう。

非言語スキルも磨ける!

 

Metropolitan Academy of English

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