IELTSバンドスコアとセクション別スコア採点基準
IELTSは合格、不合格という評価ではなくバンドスコアと呼ばれる1-9までの9段階スコアで、0.5刻みで示されます。バンドスコア 9 が満点で最低スコアは 3.5 と言われています。
band スコア 9.0 | エキスパートユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力がある。 |
8.0- 8.5 | band スコア 非常に優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さ不規則にみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。慣れない 状況においては、誤解が生ずることもありえる。複雑で込み入った議論に対応することができる。 |
7.0-7.5 | band スコア 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さ、誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。概して複雑な言語も上手く扱い、理解しており、厳密な論理に従って物事を捉えることができる。 |
band スコア 6.0-6.5 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力がある。特に、慣れ親しんだ状況下では、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5.0-5.5 | band スコア中程度のユーザー | 部分的に英語を駆使する能力があり、ほとんどの状況で全体的な意味をつかむことができる。ただし、多くの間違いもある。自身の精通した分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4.0-4.5 | band スコア限定的ユーザー | 慣れ親しんだ状況においてのみ、基本的能力を発揮することができるが、理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。 |
3.5 | band スコア非常に限定的なユーザー | これが実際に使用される最低スコアと考えてよいかと思います。 |
IELTSのオーバーオールスコア (Overall Score) の付け方
IELTSでは、バンドスコア (Band Score) は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各モジュール毎にスコアがつきます。
4つのセクションのスコアを足して4で割った合計(平均点)が オーバーオールバンドスコアとなります。小数点以下の数字が 0 以上 0.25 未満の場合は切り捨てられ、0.25以上0.75未満の場合は0.5になり0.75以上は切り上げになります。
例1】 セクション別スコアが下記の場合
リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング |
BAND 6.5 | BAND 6.5 | BAND 5.0 | BAND 7.0 |
トータルバンドスコアの平均値 =(6.5+6.5+5.0+7.0)÷ 4 = 6.25
小数点以下が 0.25 ですので 0.5 となります。そのためオーバーオールバンドスコアは 6.5 となります。
➡総合スコアは 6.675 を切り捨てて 6.5 となる
つまり6.75 以上は総合スコア 7.0 になりますが、6.675 未満の場合は 6.5 が総合スコアとなります。
例2】セクション別スコアが下記の場合
リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング |
BAND 5.5 | BAND 5.0 | BAND 6.0 | BAND 5.5 |
トータルバンドスコアの平均値 =(5.5+5.0+5.5+5.5) ÷ 4 = 5.375
小数点以下が0.375となるため、0.5となり、オーバーオールスコアは5.5となります。
➡ 総合スコアは 5.375 を切り上げて 5.5 となる
IELTS セクション別の採点方法とスコア換算
IELTSリスニングとリーディングの 採点基準とバンドスコア
リスニングとリーディングのスコア採点は、40問中の正解数によって決まります。
リーディングではジェネラルとアカデミックの換算方法が多少異なります。
アカデミックの方が難易度が高いため、同じ正解数でも下記のように0.5から1.0ほどアカデミックの方がジェネラルより高いバンドスコアになります。
リスニングはジェネラルもアカデミックも共通した内容ですので点数の換算方法に違いはありません。
リーディング<ジェネラル>・バンドスコア換算表 | ||||||||||||
バンドスコア | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
スコア/40問 | 40 | 39 | 37-38 | 36 | 34-35 | 32-33 | 30-31 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 14-12 |
リーディング<アカデミック>・バンドスコア換算表 | ||||||||||||
バンドスコア | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
スコア/40問 | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 32-34 | 30-31 | 26-29 | 23-25 | 18-22 | 16-17 | 13-15 | 10-12 | 9-8 |
リスニング・バンドスコア換算表 | ||||||||||||
バンドスコア | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
スコア/40問 | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 32-34 | 30-31 | 26-29 | 23-25 | 18-22 | 16-17 | 13-15 | 10-12 | 9-8 |
IELTS WRITING 採点基準とバンドスコア
ライティングの採点基準は、以下の4点です。
- Task achievement (タスク達成度)
- Coherence and Cohesion (内容の一貫性と論理性)
- Grammatical range and accuracy (文法の知識と正確さ)
- Lexical resources (語彙の広さ)
この採点基準と、descriptor (評価表) をもとに、ライティングの試験官が採点します。
タスク1もタスク2も同じ採点基準となっています。
日本人にとっては、6.5 を取ることできても、 7.0を取ることはとても難しいとされています。ちなみに日本人のライティングの平均値は5.7です。
【IELTS ライティング 6.0の採点基準】
トピック完成度 | 首尾一貫性 | 単語 | 文法 | |
定義 | – addresses all parts of the task although some parts may be more fully covered than others – presents a relevant position although the conclusions may become unclear or repetitive – presents relevant main ideas but some may be inadequately developed / unclear | – arranges information and ideas coherently and there is a clear overall progression – uses cohesive devices effectively, but cohesion within and /or between sentences may be faulty or mechanical – may not always use referencing clearly or appropriately – uses paragraphing, but not always logically | – uses an adequate range of vocabulary for the task – attempts to use less common vocabulary but with some inaccuracy – makes some errors in spelling and/or word formation, but they do not impede communication | – uses a mix of simple and complex sentence forms – makes some errors in grammar and punctuation but they rarely reduce communication |
日本語訳 | – すべてのポイントがカバーされている が、 偏りがある – トピックに関連する意見を述べること ができるが、結論がはっきりしない、 もしくは繰返しが多いことがある – トピックに関連する考察を述べること ができるが、詳細が十分でない、もし くははっきりしないことがある | – 情報や考察を一貫して述べることができ、 論理的な順番になっている – 文章を繋げる表現を効果的に使っている が、間違いもしくは不自然なことがある – 具体例を持ってくるのが正しくない、 もしくははっきりしないことがある – パラフレーズを使っているが、正しくない ことがある | – トピックに適切な単語を使っている – アカデミックな単語を使おうとしているが正しくないことがある – スペルミス、語の並びに間違いがあるが意味は伝えられる | – 基本および複雑な文法を使っている – 文法と句読点で間違いがあるが意味は伝えられる |
【IELTS ライティング 7.0の採点基準】
トピック完成度 | 首尾一貫性 | 単語 | 文法 | |
定義 | – addresses all parts of the task – presents presents a clear position throughout the response – presents, extends and supports main ideas, but there may be a tendency to overgeneralise and/or supporting ideas may lack focus | – logically organises information and ideas; there is clear progression throughout – uses a range of cohesive devices appropriately although there may be some under-/over-use – presents a clear central topic within each paragraph | – uses a sufficient range of vocabulary to allow some flexibility and precision – uses less common lexical items with some awareness of style and collocation – may produce occasional errors in word choice, spelling and/or word formation | – uses a variety of complex structures – produces frequent error-free sentences – has good control of grammar and punctuation but may make a few errors |
日本語訳 | – すべてのポイントがカバーされている – トピックに関した自分の意見が明確に示されている – トピックのメインアイデアが提示されており、 理由がしっかりと裏付けされている が、自分の 考えを一般的な意見にあてはめ過ぎている、 もしくは自分の考えを十分に支持しきれていない部分がある | – 情報や考察を一貫して述べることができ、論理的かつ明確なトピックの発展がある – さまざまな文章を繋げる表現を適切に使っているが、使われ過ぎ、もしくは不足していることがある – 各段落には明確な主旨が述べられている | – 適切かつ柔軟に様々な語彙が使われている – アカデミック用語や表現、熟語を適切に使用している – 単語の使用法やスペル、語形成(造語法)において時々間違いがみられる | – 複雑な文法(複文、複合文)を使用している – 文法ミスのない文が頻繁にある – 文法と句読点を適切に使用しているが、少々の間違いが見受けられる |
IELTS ライティングの総合バンドスコアの計算方式
タスク 2 はタスク 1 の2倍の配点になると言われています。
そのため、タスク1は覚えた表現を使用してなるべく早く終わらせて、タスク2に時間をかけ、構成と内容、論理性を重視して書くことが点数をとるためには大事です。
タスク 1 とタスク 2 の合計スコアの計算式:
タスク 1 が 5.5、タスク 2 が 6.0 の場合、5.5+6.0+6.0=17.5
この合計を 3 で割ると 5.8 となり、ライティングのバンドスコアは切り上げの 6.0 となります。
IELTS SPEAKING 採点基準とバンドスコア
IELTSのスピーキングテストは、インタビューを行ったIELTS認定試験官がインタビュー中、もしくは直後にスコアを換算すると言われています。
レコーダーは試験官のパフォーマンスを記録するもの、もしくは採点のレビューを行うのに使用されるとされていますが、実際はその場にいた1人の試験官の採点が最終的なスコアとなるようです。
スピーキングの採点基準は、以下の 4点です。
この 4 つの基準について、それぞれどのくらいのレベルで、どのバンドに相当するかを、評価表を元にスピーキングの試験官が決定します。
- Fluency and Coherence (流暢さと一貫性)
- Lexical Resource (語彙力)
- Grammatical Range and Accuracy (文法の知識と正確さ)
- Pronunciation (発音)
このスピーキングの採点基準の中で一番大事なのは流暢性と言えます。アカデミックな用語を使用しなくてもカジュアルな表現でも点数は取れます。英語を文章にして話す(S+Vがあること)ことが求められますが、多少の文法間違えは気にしなくても大丈夫。イントネーションの間違えには気を付けましょう。
【IELTS スピーキング 5.0の採点基準】
流暢さと一貫性 | 語彙力 | 文法 | 発音 | |
定義 | – usually maintains flow of speech but uses repetition, self correction and/or slow speech to keep going – may over-use certain connectives and discourse markers – produces simple speech fluently, but more complex communication causes fluency problems | – manages to talk about familiar and unfamiliar topics but uses vocabulary with limited flexibility – attempts to use paraphrase but with mixed success | – produces basic sentence forms with reasonable accuracy – uses a limited range of more complex structures, but these usually contain errors and may cause some comprehension problems | – shows all the positive features of Band 4 and some, but not all, of the positive features of Band 6 |
日本語訳 | – 概ね途切れなく話すが、繰り返しや言い直しがあり、また/あるいは、話を続けるためにゆっくり話すことがある。 – ある接続詞や副詞、リンキングワードを、使いすぎる傾向がある。 -単純なスピーチであれば淀みなく話すが、複雑なスピーチになると流暢さに欠ける。 | – よく知っている事柄と、知らない事柄の両方について何とか話すことができるが、語彙の使い方が限られている。 -言い換えを試みるが失敗することがある。 | – 単純な文をほぼ正確に組み立てて話すことができる。 – さらに複雑な構造を持った文の使用が限られており、間違いが多く、正確に伝わらないことがある。 | – バンドスコア 4 で要求される基準を全て満たしているが、バンドスコア 6 で要求される基準は満たすことができない。 |
【IELTS スピーキング 6.0の採点基準】
流暢さと一貫性 | 語彙力 | 文法 | 発音 | |
定義 | – is willing to speak at length, though may lose coherence at times due to occasional repetition, self-correction or hesitation – uses a range of connectives and discourse markers but not always appropriately | – has a wide enough vocabulary to discuss topics at length and make meaning clear in spite of inappropriacies – generally paraphrases successfully | – uses a mix of simple and complex structures, but with limited flexibility – may make frequent mistakes with complex structures, though these rarely cause comprehension problems | – shows some effective use of features but this is not sustained – can generally be understood throughout, though mispronunciation of individual words or sounds reduces clarity at times |
日本語訳 | – 一定の長さを持って話すことができるが、繰返しや自己訂正、躊躇によって一貫性が無いことが時々ある – いろいろな種類の接続詞や挿入句、副詞を使っているが必ずしも正しく使用しているわけではない。 | – 一定の長さで話することができる、ある程度の語彙力は持っており、その意味を理解しているが、使い方を間違うことがある。 – ほとんどの場合、言い換え表現を正しく使うことができる。 | – 基本的な文法および多少複雑な文法を使うことができるが、応用性に欠け、使い方が限られている。 – 複雑な文章で頻繁に間違うことがあるが、だいたいの意味を正しく伝えることができる。 | – 正しく効果的に発音やアクセントを加えることができる時もある。 – 全体的に言いたいことが伝えられているが、たまに間違った発音によりクリアでないことがある。 |
IELTSの採点基準とバンドスコアについてまとめ
リスニングとリーディングは40問中の正解数でスコアが決まるため、自分で模擬問題を行いスコアを判定することが可能です。
ライティングとスピーキングは4つの評価基準を元に BAND DESCRIPTORS (評価表) に従って試験官が採点を行います。