IELTSのリスニングは、ひっかけ問題なども多く、内容を正確に理解するリスニング力が求められます。
リスニング力は、模擬問題をとにかく多く解けば向上する、というものではありません。
この記事では、リスニング力を底上げするための勉強方法を紹介します。
IELTSで必要とされる真のリスニング力
IELTSのリスニングでは、内容理解が必要となるため、真のリスニング力が問われると言われています。
リスニング力が不足していると、どれだけ演習を重ねても次のような結果になることが多いです。
- 同じところで間違える
- 正答率が高い時と低い時がある
- スコアが安定しない
スコア向上のため、とにかく問題を解くのではなく、効果的な学習を行い、リスニング力を鍛えていきましょう。
アクティブに聞く!リスニングの効果的な勉強法
IELTSのリスニングで高得点を獲得するためには、以下4つのポイントが重要になります。
- アクティブリスニングができているか
- ショートメモリーの改善練習を取り入れているか(リテンション・リプロダクション能力を高める訓練)
- 語彙力強化の対策は常にとっているか
- 正確な単語の発音とリンキングは聞き取れているか
①アクティブリスニングとは
アクティブリスニングとは、文字通り「注意深く聞く能力」のことです。
聞いた音声が、背景音のように右から左へ流れていかないようにするための、とても重要なリスニング能力です。
アクティブリスニングの向上には、ディクテーション演習が非常に効果的です。
ディクテーション
ディクテーションとは、英語で聞こえてきた音声を、聞いたまま文字に書き起こしていく学習方法です。
“a” や “the”といった冠詞、名詞の単数・複数にも注意して聞き取り、書き出しを行っていきます。
ディクテーションを行うことで、次のような能力を鍛えることができます。
- 文脈から単語を当てはめられる
知らない単語や、聞き取れない単語があっても、文脈から想像して単語を補えるようになります。 - 文章のおおまかな内容を理解する能力
- 文の構造、コロケーションの理解
書き出すことで、文章の構造やコロケーションへの理解を深めることができます。 - 語彙の強化
リスニングが苦手な方は、まずディクテーションを始めることで、総合的なリスニング力を高めることができます。
IELTS リスニングで高得点を得るために、「アクティブリスナー」を目指しましょう!
リスニング力強化におすすめのサイト
TED Talks
「TED Talks」は、世界の著名人や、ある分野で成功を収めた人の講演を、無料で聞くことができるサイトです。
自分の興味のあるトピックや、注目されているトピックなど、トピック別に音声を選ぶことができます。
また、スピードの変更や英語・日本語キャプションの表示ができることも魅力的です。
TED Talksは、リスニング力の強化に非常に便利なサイトです!
2分以内の短い音声を選ぶこともできるため、ぜひ学習に活用してみてください。
② ショートメモリー改善のためのリテンション演習を取り入れる
リテンション能力とは、聞いたことを一時的に脳に記憶する短期記憶能力のことをいいます。
この短期記憶力を鍛えるため、1文を聞いて、その文を反復するトレーニングを「リテンション演習」と呼びます。
脳のキャパシティを増やす
リスニングを行うと、しっかり聞いているつもりが、何となくしか理解できていない、大事な部分や詳細が抜けてしまう、ということが多々あります。
これは、母国語である日本語と異なり、英語を受け入れる脳のキャパシティが狭いことが原因です。
このキャパシティは、練習することで母国語並みに広げていくことができます。
逐次通訳でも、情報を頭にとどめておき、日本語で正確に再構築する能力が必要とされています。
シャドーイングは効果があるのか?
最近では、リスニング力の向上に、「シャドーイング」が有効とされていますが、本当でしょうか?
「シャドーイング」は、英文を聴き、その後に続いて発音する演習です。
実は、シャドーイングには欠点があり、リスニング力の向上には効果的ではありません。
- 英文をまねているだけで、内容を理解できていない
- 慣れてくると、自動的・機械的に発音するようになる
リテンションのメリット
「リテンション」演習では、英文の内容を正確に理解し、それを記憶していなければ、文を反復して組み立てることはできません。
理解力と記憶力の両方が鍛えられるため、リスニング力の向上に非常に効果的な学習方法です。
IELTSのリスニングでも記憶力は重要です。流れてきた音声をすぐに忘れてしまうと、解答する時に「あれっ!?」と迷ってしまいます。
演習方法
リテンション演習は、次の手順で演習を行っていきます。
- スクリプトを見ずに、英文の読み上げ音声を聞く
- 文章の切れ目で音声を止める(ピリオドの部分)
- 聞いた音声をリピートしながら声に出す
- スクリプトを見て、間違えた部分がないかを確認する
- 間違っていたら、スクリプトを見ながら、もう一度言い直す
文章が長いと感じた場合は、主語の部分など、意味の塊で音声を止めて反復します。
単語レベルなど、音声が短すぎると内容が理解しづらくなるため、気を付けましょう。
- 文章を正確に聞き取れない場合は、まずは文章全体の大まかな内容を把握しましょう。
- 大まかな意味が理解できるようになったら、音声を正確に聞き取ることにフォーカスします。
- 聞き取りができるようになったら文章の長さを増やして、演習を重ねていきましょう。
- 繰り返し演習を行うことで、徐々に英語理解のキャパシティを広げていくことができます。
リテンションは、リスニング力が劇的に上がる有効な練習方法の1つです。
リテンション演習を繰り返し行うことで、脳のキャパシティと短期記憶力を鍛えていきましょう。
③ 語彙力の強化
語彙力は、リスニングにおいても非常に重要な能力の1つです。
英文を聞いて、「何を言っているのがわからない」と感じる場合、使われている単語、もしくは単語の発音を知らないことがほとんどです。
知らない単語を飛ばして内容を理解することもできますが、名詞や動詞がわからないと、特に読解が難しくなります。
名詞と動詞を優先する
英単語を学習する際は、英文において根幹となる、名詞と動詞を優先して覚えるようにしましょう。
文章の構造に大きな影響を及ぼさない形容詞や副詞は、優先度を下げて覚えていくようにしましょう。
インプットしすぎない
英単語を覚える際は、一度にたくさん覚えようとしないように注意しましょう。
1つの英単語を書き出したら、何度か思い出すことを繰り返し、記憶に定着させていくことが大切です。
スクリプトを活用する
リスニングの演習では、必ずスクリプトを見て内容を確認するように意識しましょう。
スクリプトを見ながら、知らない単語や表現を確認し、その都度覚えていくことで、語彙力の強化が望めます。
語彙力、IELTSの全セクションで求められます。日々の積み重ねで、着実に鍛えていきましょう。
④ 英語の正確な発音とリンキングパターンを覚える
英単語は、意味やスペルだけではなく、発音と一緒に覚えることが非常に重要です。
発音がわからない、もしくは間違えて覚えていると、知っている単語でも聞き取れず、判別できないことがあります。
また、正しく発声することができないため、リスニングだけでなく、スピーキングにも影響を及ぼします。
正確な発音を学ぶ
IELTSリスニングでは、難解な単語がキーワードや穴埋めの答えになることはありません。
英単語を学習する際は発音もしっかりと覚え、単語と発音を結びつけながら学習しましょう。
単語の正確な発音は、インターネットなどで簡単に検索することができます。これらも活用しましょう。
リンキングを理解する
英語の発音ルールの1つに、「リンキング」と言われるものがあります。
これは、2つの単語の前後の音が、つながって発音されることです。
リスニング力向上させるために、リンキングやリンキングが起こる単語を理解することが不可欠です。
リンキングの例
代表的なリンキングの例を紹介します。
I ask him.
リンキングを起こさない場合、「アスク」と「ヒム」のそれぞれを発音します。
しかし、 実際に発音する際はリンキングが起こり、「アスキム」とつながって発音されます。
特に、前置詞と単語の組み合わせはリンキングを起こしやすいなど、パターンがあるので覚えていきましょう。
ディクテーション演習でも、スクリプトを見ながら聞き直し、リンキングが起こっている部分に注意してみましょう。
リスニング力を底上げする勉強法のまとめ
この記事では、リスニング力を向上させる効果的な学習方法を紹介しました。
リスニング力は一朝一夕で伸びるものではありませんが、日々の積み重ねで確実に身に付き、向上させることができます。
①アクティプに聞く
②ディクテーション・リテンションの練習をする
③語彙力の強化
④英語の正確な発音とリンキングパターンを覚える
ただ聞き流すだけでは効果は出ませんので、集中して聞く、英語をアクティブに聞く時間を増やしましょう。
試験スキル+リスニング力を同時に鍛える