IELTSリスニングでは、パート1とパート4で穴埋め問題が出題されます。
出題形式は大きく2つあり、選択肢から解答を選ぶものと、適切な語句を記入するものです。
この記事では、リスニングの穴埋め問題で、効率的にスコアを獲得するための対策方法を紹介します。
穴埋め問題
穴埋め問題は、名前の通り「本文を読み、空欄を埋めていく」形式の問題です。
IELTSのリスニングでは、主にパート1とパート2で出題され、難易度が次のように異なります。
- パート1:比較的易しい問題が出題されます。
- パート4:アカデミックな内容も多く、難易度は高めです。
穴埋め問題では、前後関係で解答を予測できるため、パート1、パート4とも確実にスコアを獲得を狙いましょう。
穴埋め問題では、全て正解すれば約20問正解となり、スコア5.5は確実です。高得点を取りたい方は、ぜひこのパートの正答率を上げましょう。
選択肢から選ぶ問題の対策
穴埋め問題の出題形式のうち、選択肢から単語を選択するパターンについて解説します。
この問題では、主に物事の手順やステージについて問われます。
IELTSのリスニングでは、頻繁に出題されていませんでしたが、最近では出題頻度が上がっています。
例題
Questions 26-30
Complete the flow-chart below.
Choose FIVE answers from the box and write the correct letter, A-H, next to Questions 26-30
A container | B soil | C weight | D condition |
E height | F colour | G types | H depths |
Stages in the experiment
Select seeds of different 26 ……………… and sizes.
Measure and record the 27……………………… and size of each one.
Decide on the 28 ……………………… to be used.
Use a different 29 …………………. for each seed and label it.
After about 3 weeks record the plant’s 30 ……………………..
Investigate the findings
解答のポイント
IELTSのリスニングでは、音声が流れるまで20~30秒の間、問題文に目を通すことができます。
穴埋め問題に限らず、どのパートでも、まずはこの時間を無駄にしないことが重要です。
事前に選択肢に目を通し、空欄に入る品詞など、解答の予測を立てることがとても大事です。
選択肢をしっかりと読む
選択問題では、選択肢が1つに絞れなくても、一般的に当てはまりそうな項目を選ぶと、正解の確率が高くなります。
項目を1つに絞れなくても、焦らず選択肢を読んで解答していきましょう。
“you may use any letter more than once”と指示がある場合
この問題では、1つの選択肢を複数の解答で使用します。
この形式では、最後に残った項目で判断したり、消去法で解いたりできませんので、注意しましょう。
解説
26:select seeds of different ( ) and sizes.
it must be the same size and how many sorts do we need? About 4 different ones?
ここでの”sorts”は、「種類」という意味で使荒れているため、類義語であるGの”types” が正解です。
“then”, “next step is that”, “also”, などの表現が使われ場合、話題が切り替わることを意味します。
この用語が聞こえたら、解答を飛ばして次の問題に移るようにしましょう。
27:Measure and record that ( ) and size of each one.
Then, for each seed, we need to find out how much it weighs, and also measure its dimension, and we need to keep a careful record of all that.
“dimension” は「寸法」なので、”size”に置き換えることができます。
もう1つの部分は、選択肢Cの”weight”が入ります。
音声では”weigh”という動詞が使われていますが、解答では品詞が変わり、名詞が入るので気を付けましょう。
28:Decide on ( ) to be used.
we also need to decide how deep we are going to plant the seeds.
この問題でも、品詞が形容詞から名詞に変化しています。選択しHの”depths”が正解です。
29: Use different ( ) for each seed “
So, then we get planting. Do you think we can plant several seeds together in the same plant pot.” “No, I think we need a different one for each seed.
この問題のポイントは、”a different one”という表現です。
“different”は問題文がそのまま使われていますが、代名詞”one“は何を指しているでしょうか。
代名詞は、先に出た名詞を指します。”one”は単数形なので、前文の単数名詞が当てはまります。
答えは”Plant Pot“です。つまり、”pot”の類義語である選択肢Aの”container”が解答になります。
このように、代名詞が何に置き換えられているかを見極め、その同義語または類義語を探していきましょう。
30:After about 3 weeks, record the plant’s ( ).
I reckon that would be about 3 weeks, depending on what the weather is like. Then, we see our plants would come up and write down how tall they have grown.
1文目にある”about 3 weeks“は、問題文の”after about 3 weeks”に値するため、次に続く文が重要になります。
2文目では次のポイントに注目しましょう。
- “write down”が、問題文では”record” に言い換えられている
- “how tall”(どのくらい高さか)を記録するということを示している
形容詞の”tall”が、名詞の”height”の類義語となるので、解答はEとなります。
IELTSリスニング穴埋め問題対策①
- 2人の話者が順序を追って手順を説明する会話の中では、”then”, “next”, “also” などに注意
- 言い換えられている箇所を適切に聞き出し、「文章に当てはまる品詞に言い換えられた選択肢」or「代名詞が指しているもの」を探す
- そのまま使われているキーワードを見逃さない
記述式(適切な語句を記入)問題の対策
穴埋め問題の出題形式のうち、「適切な1単語または数字」を記述するパターンについて解説します。
この形式の問題は、パート1、パート4とも出題頻度が高い問題ですので、しっかりと対策しましょう。
問題文の特徴
この形式では、ほとんどの場合、”One word and/or a number”と指示があり、「1単語と(または)数字」を解答します。
解答に用いる数字は、一連のものであっても構いませんが、それがひとつの意味を成している場合に限ります。
例えば、電話番号(6477413776)や部屋番号(404)などです。
例題
Section 4 Questions 31-40
Complete the notes below.
Write ONE WORD ONLY for each answer.
Episodic memory
・the ability to recall details, e.g. the time and 31……………………… of past event
・different to semantic memory – the ability to remember general information about the 32 ………………… , which does not involve recalling 33 ……………………………… information
Forming episodic memories involves three steps :
Encoding
・involves receiving and processing information
・the more 34 ……………………… given to an event, the more successfully it can be encoded
・to remember a 35 ……………………, it is useful to have a strategy for encoding such information
解答のポイント
IELTSリス二ングは、すべてケース・センシティブなので、固有名詞などは大文字で始めないと正解になりません。
また、問題文は必ずと言っていいほど言い換えられているので、注意して聞くことで、聞き漏らしを防ぎましょう。
この軽視kではスペルも問われるため、スペルミス、大文字、小文字、複数形や単数形などにも気をつけましょう。
パート4のポイント
パート4は、例題のように、概ねタイトル毎に問題が別れています。
うっかり聞き漏らした場合でも、内容が変わったことに気づきやすいので、段落のタイトルは必ず確認しましょう。
また、ほとんどの場合、解答には名詞が入ります。
音声の内容が難しくなっても、解答に用いる単語は一般的な用語で、難しいアカデミック用語や専門用語が問われることはありません。
解説
この文章全体は、”Episodic memory” についての講義を行っています。
“episodic memory”の意味は、わからなくて問題ありません。「このような記憶がある」程度に認識しましょう。
“E.g.”は、「例えば」の略称ですので、同意味の”such as”, “for example”などで言い換えられる場合がほとんどです。
31:the ability to recall details, e.g. the time and ( ) of past events.
Episodic memories include various details about these events for example when an event happened and other information such as the location.
“When an event happened”が、問題文の”e.g. The time of past events”に相当しますので、空欄には、”and”でつながっている”other information such as the location”が該当します。
1単語しか記述できないため、”information” とする方が多いですが、意味が広く、”time”も含まれます。
“e.g.”, “for example”, “such as” の後は、より特定された情報が入るため、”location” が正解です。
32: different to semantic memory – the ability to remember general information about the ( ) ,
Episodic memory is distinct from another type of memory called semantic memory. This is the type of factual memo that we have in common with everyone else – that is our general knowledge of the world.
“Episodic memory is distinct from another type of memory called semantic memory.”は、”different to semantic memory”に言い換えられています。
そのため、次の文から注目していきましょう。
“general information about the ( ).” の “general”は、音声と同じ単語を使っています。
“knowledge”は、”information”に言い換えられるため、”world” が入ります。”the”は入れなくて問題ありません。
このように、そのまま利用されている単語はキーワードになるため、特に着目しましょう。
33: which doesn’t involve recalling ( ) information.
Unlike episodic memory, semantic memo isn’t dependent on recalling personal experiences.
この問題でも、音声の”recalling”がそのまま使用されています。聞き逃さないようにしましょう。
よって、解答は”personal”になります。
“experiences”が”information”に言い換えられていますが、”information” > “experience”の関係があります。
32と33は、同じ文章の中に解答が存在しますが、まれなケースです。
たいていは、少し間を開けた文章に答えが潜んでいます。
34:the more ( ) given to an event, the more successfully it can be encoded.
The degree to which you can successfully encode information depends on the level of attention you give to an event while it’s actually happening.
“The more A, the more successfully B”の構造になっています。
The +比較級、the+比較級の構文で「AであればますますBだ」という意味を表します。
問題文では、”successfully”はそのまま利用されています。
“you can successfully encode information”は、「情報をコード化できる」と訳すことができ、”The more successfully it can be encoded”と同じ意味になり、文章レベルの言い換えが行われています。
「何がますますあれば」に当てはまるでしょうか。
“give to an event” は、”you give to an event”と同じ内容なので。”attention”が正解になります。
35:To remember a ( ), it is useful to have a strategy for encoding such information.
if you were introduced to someone called Charlie, you might make the connection that our uncle has the same name. Future recollection of Charlie’s name is much easier if you have a strategy to help you encode it.
まずは、空欄の前に”a”があるので、単数名詞だと予測することができます。
“much easier”が、より意味の広い”useful”に言い換えられています。
“Charlie”が答えになりそうだと予測した方もいるかもしれませんが、IELTSのリスニングでは、固有名詞に”aを付けることは絶対にありません。
“Charlie”とは「名前」であるため、解答は”name”になります。
IELTSでなければ、”a Charlie”のように、固有名詞に”a”が付く場合もあります(固有名詞から普通名詞への転用)。
IELTS リスニング 空欄穴埋め問題対策②
- 言い換え表現を見抜く
- そのまま使われているキーワードを見逃さない
言い換え表現のパターン
IELTSのリスニングでは、とにかく言い換え表現が多く使われます。
言い換えには以下の3パターンがありますので、それぞれ理解しておきましょう。
- 同等に言い換えられている
- より詳細に言い換えられている
- 大まかに言い換えられている
同等に言い換えられている:A=B
言葉の順序が換えられているなど、内容が同等に言い換えられているケースです。
“Remembering where you parked your car is an example of episodic memory,”
“Remembering where your car has parked is an episodic memory example,”
より詳細に言い換えられている:A>B
“It is an inadequate diet.”
“It is deficiency in minerals.”
“inadequate diet” が何であるかを、より詳しく言い換えているのが “deficiency in minerals.”となっています。
大まかに言い換えられている:A<B
“The problem has called increasing global participation.”
“This topic has been growing international importance.”
「この問題が更なる国際的関与につながる」という文章を、「この課題の国際的な重要性がますます上がる」というように、大まかな内容に言い換えています。
英語では、漏斗のように、概要から詳細へ、内容の大きい順に話が展開していきます。
次のような語句の後ろには、より詳細な情報が続きますので、チェックしておきましょう。
- in other words
- such as
- for example
- to illustrate
- including
- like
言い換えのレベル
言い換えや書き換えでは、単語レベルの言い換えと、文章レベルの言い換えの2パターンがあります。
- 単語レベル:単語の順序を変える、単語の同義語を利用する
- 文章レベル:文全体の構成を変える
単語レベルの言い換え
“Many people are unhealthy. “
➾ “Many individuals have poor health.”
文章レベルの言い換え
“Many people are unhealthy because they have lack of exercise.”
➾ “Without enough work-outs, many suffer from health issues.”
言い換え表現を理解することは、リスニングだけでなく、IELTSの他の技能でも非常に役立ちます。
空欄穴埋め問題のコツ まとめ
IELTSリスニングの穴埋め問題は、主にパート1とパート4で出題されます。
穴埋め問題は得点源にしやすいため、確実にスコア獲得を狙いましょう。特に、パート1の難易度は比較的易しいので、焦らずしっかりと解答していきましょう。
記述式の問題では、スペルミスや、大文字小文字などのケアレスミスに気をつけましょう。
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