IELTSライティングは採点基準が非常に厳しく設定されており、語彙の使い方、文法、段落の構成や内容に至るまで採点の対象となります。その中で、「Vocabulary」 語彙力は採点基準の一つです。そのため、アカデミックな表現やトピック別の流行語を使うことでスコアアップが可能です。アカデミック調に書ける一つのコツとして分野別の語彙を習得することです。そのほか、
TOPIC Specific Words<トピック別用語>とは…
IELTSライティングでは、分野別の単語や連語を覚えることはハイスコアにつながります。IELTS Task 2のエッセイライティングで 6.0以上のスコアを取るには必須となります。6.0を目指す場合でもところどころにトピック用語を使用するとよいでしょう。
IELTSライティングの最適基準に「Lexical Resource」(語彙の選択)があります。分野別用語を使うことでこの評価基準の一つを満たし、曖昧な表現をなくしていくことができるのでスコアアップには効果的です。
曖昧な表現とは、読者が勝手に想像して話を進めてしまう余地を与えるものとして(誤解が生じる)英語のライティングでは避けるべき表現のひとつに挙げられます。
曖昧な表現をしたことで、例えば出版の世界では「自分の言いたいことが伝わらない」「誤解された」と、取返しの付かないことになりかねません。スピーキングは残りませんが、ライティングは残るものです。ごまかしがききません。
“leaving no room for misinterpretation”
「誤解を生む余地を残すな」
曖昧な表現の例を出しましょう。
“good” があります。
例えば、”Recycling is good.” とした時に、なぜ “good” ではいけないのでしょうか。
Recyclingの何についてグッドと言っているのか定まらないためです。極論を言うと、何でもグッドと言えてしまいます。この文章だけではどのようにグッドなのか、どうしてグッドなのかを何も説明していません。
英語の一文の中に、 complete thought (完全な自分の考え、アイデア)が全て入っていなければなりません。文が不完全で、その意味を前後の文脈に頼らなければならない文というのは、文としての本来の機能が成り立っていないと判断されます。その結果、自分の考えがうまく読者に伝わらない、誤解が生じてしまうなどの問題が起こります。
先ほどの “Recycling is good.” は、例えば “Recycling is an effective way of reducing our carbon footprint.” のように書き換えることができます。
下記の表現や、”etc.” “and so on” も曖昧な表現の代表ですので、使用は避けましょう。
では、トピック別に分野別単語を見てみましょう。
TOPIC Specific Words<トピック別用語>
Environment (環境)
・biodiversity ( 生物多様性)
・rewilding (再野生化)
〔例文〕Rewilding Europe for biodiversity and conservation.
(生物多様性と自然保護のためにヨーロッパの再野生化)
・contamination (汚染)
〔例文〕 Air contamination drops by 30% in China.
(空気汚染は中国では30%減った)
・toxic waste (有毒廃棄物 )= hazardous waste
〔例文〕Toxic waste is unwanted chemicals that are from manufacturing.
(有毒廃棄物とは製造業から廃棄される不要な化学物質)
・erosion (浸食)
〔例文〕 Sea level rise is a result of erosion.
(海水の増加は浸食の結果だ)
・ecosystem (生態系)
・fauna and flora (動植物)
〔例文〕A loss of rich fauna and flora would have grave impact on the ecosystem in the region.
(豊かな動植物の減少がその地域の生態系に深刻な影響を与えるだろう)
・wildlife management (野生生物管理)
〔例文〕Wildlife management can include game keeping, wildlife conservation and pest control.
(野生生物管理は野生動物の世話や保護、害虫を駆除も含む)
・rare species ( 珍種、希少種)
〔例文〕Socotra has a unique ecosystem and is home to rare species of plants.
(ソコトラ島は、たくさんの希少な種類の生物が住む特有の生態系がある)
・critically endangered species ( 近絶滅種)
〔例文〕 International Union for Conservation of Nature raised the status for Malaysian species from endangered to critically endangered.
(国際自然保護連合はマレーシア種を絶滅危惧種から 絶滅寸前種に変更した)
・captivity (捕獲飼育)
〔例文〕 The captivity of marine mammals should be banned.
(海洋動物の捕獲飼育は禁止されるべきだ)
その他の環境に関する用語
recycle | リサイクル・再生利用 |
biodegradables | 生分解性資材 |
fertilizers | 肥料 |
pesticides | 殺虫剤 |
intensive farming | 集約農業 |
environmental degradation | 環境悪化 |
living organisms | 生物・生体 |
sustainable environment | 持続可能な環境 |
今回例示した環境問題は、よく出題されるトピックですので、覚えておくとスコアアップに役立ちます。また、最近では働き方の多様性について意見を問われることも増えてきました。ビジネスや経済に関する単語も見ておきましょう。
Business/Economic/Career (ビジネス一般)
・job security (雇用保障、職業の安定)
〔例文〕 Some people value job security over high salary.
(給料よりも仕事の安定性に価値を見出す人もいる)
・redundant (解雇となる <形容詞>)
〔例文〕You were suddenly made redundant.
(突然、解雇された)
・unemployed (失業中の)
〔例文〕 I am currently unemployed and looking for a job.
(今は失業中で、仕事を探しています)
・perks (職員の特典)
〔例文〕 You receive regular perks as part of your job.
(仕事の一環として福利厚生制度が受けられる)
・workaholic (仕事中毒の人)
〔例文〕 Japanese are workaholic comparing to others in different countries.
・incentives (報奨金)
〔例文〕 Our company has a generous incentive scheme.
・downsizing – 人員削減
〔例文〕 Your boss announces that there is going to be some downsizing of the workforce.
・demanding – 過大な労力を要する (形容詞)
〔例文〕You found your job very demanding.
・monetary compensation ( 報酬、サラリー)= financial remuneration
〔例文〕The other plan aims to expand the size of assembly with part-time members on lower compensation.
・benefit – 手当、社会保険
〔例文〕 The company you work has a great benefit.·
ライティングのタスク2では、社会問題、政府がとる政策や措置に関連する課題が多く出題されますので
政治関連用語を習得しておくこともライティングのスコアアップに役立ちます。
Politics (政治)
・inflation ⇔ deflation ( インフレ ⇔ デフレ)
〔例文〕The bank of Japan sets its inflation target at 2 %.
(日本銀行は2%のインフレターゲットを設定した)
・public spending (政府の支出)
〔例文〕The government needs to reduce public spending in order to cope with the financial difficulty.
(政府は財政危機に対処するため公共支出を削減する必要がある)
・standard of living (生活水準)
〔例文〕 Japan has a higher standard of living.
(日本は高い生活水準を持つ国だ)
・welfare = social security (社会福祉、生活保護)
〔例文〕Sweden’s welfare system is coveted from all over the world.
(スウェーデンの社会福祉制度は世界中の国から熱望されるシステムだ)
・well-being ( 福利、福祉、よい生活状態)
〔例文〕Connecting with nature is essential to our well-being.
(自然と関わることは私たちの至福に必須である)
・redistribution of wealth ( 富の再分配富の再分配)
〔例文〕 We want to see its agenda of massive redistribution of wealth and power.
(富と権力の再配分の議案を見てみたいものだ)
・bipartisan (2党の、2派の)
〔例文〕Bipartisan group of lawmakers pushes DACA immigration bill.
(2党派の議員はDACAの移民法案を推進している)
・platform (公約)
〔例文〕 Until Wednesday, the PCs will release an official platform.
(水曜日までにPCは公約を発表するだろう)
・authoritarian(独裁主義者)
〔例文〕Authoritarianism is a form of government characterized by strong central power.
(独裁主義とは、強い支配権が特徴的な政治体制だ)
・political corruption (汚職、買収、政治的腐敗)
〔例文〕 Stopping political corruption is a major issue in Japan.·
(日本では政治的腐食の防止が問題だ)
分野別トピック関連用語は以下の通りに分かれております。
- Arts
- Business/economy/career
- Communication
- Crime and the law
- Education
- Environment
- Healthcare
- Language
- Media
- Politics
- Relationships
- Society and technology
- Travel and transport
分野別英単語の習得には…
分野別英単語の取得は最近のニュースなどから学ぶのが一番良いでしょう。オンラインの記事や興味のある分野のリーリーディングから単語を抜き出して覚えるようにしましょう。最新のニュースはいつでもオンラインでアクセスできますね。そのほか、分野別単語集を購入しても構いませんが、分野別単語集は主に上級者向けに出版されている物ばかりですので、分野別英単語の習得はまずは基礎英単語を覚えてからにしましょう。ハイスコアを必要としない人はさほど必要ないかもしれませんが、少しづつ専門的な単語を覚えることでスコアアップにつながるでしょう。
IELTSライティングの使える表現も参照してください。
IELTSライティング使える表現 まとめ
IELTS ライティングでは、アカデミックな文語的な表現が必要です。アカデミック調に書けるコツは分野別の語彙を習得することです。トピック別単語の習得により曖昧な表現を避け、より専門性のある主題に合ったエッセイを書くことができます。また語彙力を試験官に印象づけることにも役立ちます。
高得点目指している方は、特に分野別単語を覚える必要性があります。
ライティング添削形式で
アカデミック表現を鍛える