IELTSライティング|独学勉強法

IELTSライティングにおいて、独学でスコアアップを達成するためには、何よりもタスク1とタスク2の構成を知ることが大事です。

この記事では、独学でスコアを伸ばすためのポイントや勉強方法を紹介していきます。

目次

独学で6.0から6.5に持っていくためには

まずは、IELTSライティングのタスク1とタスク2の構成を知りましょう。

タスク1は、表現を覚えることで、パターン化して解答することができます。

タスク2では、解答の基本構成に従って、求められている内容の答えを書く事に専念しましょう。

この重要なポイントを意識して、アウトプットの練習をすることで、着実にスコアアップにつながります。

対策を始める前に知っておくべきこと

IELTSのライティングは、採点基準が厳しく、スコアが取りづらいセクションと言われています。

実際に日本におけるIELTS受験者の2022年の平均点は、次の表の通りです。

スクロールできます
国籍リーディングリスニングライティングスピーキングOA
日本6.16.05.75.55.9
ドイツ7.77.96.37.47.4
2022年の統計

日本人の平均スコアが、スピーキング同様、最も低いセクションです。

比較対象として、IELTSの平均スコアが1番高いと言われているドイツを用いました。

ドイツの平均でも、ライティングは他のセクションよりスコアが1.0以上低いことがわかります。

急激な成長は期待しなし

ライティングの学習には時間がかかるため、急激な伸びを期待せず、早めに対策を行うように意識しましょう

特に、最近は社会問題に対する課題が多く、トピックが難しいと感じることがあるかもしれません。

まずは正しい文法の知識や、出題トピックに対する知識など、インプットから始めることがおすすめです。

ライティングの採点基準の確認

IELTSライティングの採点基準は、タスク1、タスク2ともに下記の4項目で評価されます。

評価基準詳細
Task achievement 課題の達成度のこと。質問に対して的確に答えれているかが問われます。
Coherence and cohesion 一貫性とまとまり。内容に一貫性があり、論理的な話の展開となっているかが問われます。
Lexical resources語彙力。同じ用語や表現の繰り返しがなく、さまざまな表現や言い回しを適切に使用されているかが問われます。
Grammar range and accuracy文法知識と正確さ。文法の誤りがなく、複雑な文の構造(重複文、複文)を取り入れているかが問われます。

それぞれの基準が25%ずつ評価され、0-9のスコアに換算されます。

スコア6.0の基準

日本人の平均を上回る6.0を取得するためには、まずは、減点対象となる文法のミス、スペルミスをなくし、言い換え表現を覚えていきましょう

ライティング6.0の採点基準

 トピック完成度 首尾一貫性単語文法
定義– addresses all parts of the task
although some parts may be more fully
covered than others

– presents a relevant position although
the conclusions may become unclear or
repetitive

– presents relevant main ideas but
some may be inadequately developed /
unclear
– arranges information and ideas coherently
and there is a clear overall progression

– uses cohesive devices effectively, but
cohesion within and /or between sentences
may be faulty or mechanical

– may not always use referencing clearly or
appropriately

– uses paragraphing, but not always logically
– uses an adequate range of
vocabulary for the task

– attempts to use less common
vocabulary but with some
inaccuracy

– makes some errors in spelling and/or word formation, but they do not impede communication
– uses a mix of simple and
complex
sentence forms

– makes some errors in grammar and punctuation but they rarely reduce communication
日本語訳– すべてのポイントがカバーされている
が、
偏りがある

– トピックに関連する意見を述べること
ができるが、結論がはっきりしない、
もしくは繰返しが多いことがある

– トピックに関連する考察を述べること
ができるが、詳細が十分でない、もし
くははっきりしないことがある
– 情報や考察を一貫して述べることができ、
論理的な順番になっている

– 文章を繋げる表現を効果的に使っている
が、間違いもしくは不自然なことがある

– 具体例を持ってくるのが正しくない、
もしくははっきりしないことがある

– パラフレーズを使っているが、正しくない
ことがある
– トピックに適切な単語を使っている

– アカデミックな単語を使おうとしているが正しくないことがある

– スペルミス、語の並びに間違いがあるが意味は伝えられる
– 基本および複雑な文法を使っている

– 文法と句読点で間違いがあるが意味は伝えられる

IELTS Writing Assessment Criteria band 6

さらに点数を6.5まで上げたい場合は、内容の一貫性と論理性、適切な語彙の選択などを意識して解答します。

IELTSライティングタスク1

ここでは、IELTSライティングのタスク1について、概要や解答方法を紹介します。

出題形式

タスク1は、大きく分けて次の3つの出題形式に分かれます。

  • フローチャートもしくはプロセスマップ
  • 図表の説明
  • 地図問題

タスク1では、まずはしっかりと4段落構成で解答を記述することが重要です。

解答の構成

タスク1の解答構成は、次の4段落で記述します。

  1. イントロダクション:問題文のパラフレーズ(言い換え)
  2. オーバービュー:図表から読み取れる、最も顕著な特徴を2つほど挙げる
  3. ボディ1:図表の詳細を記載(数字を入れて説明)
  4. ボディ2:ボディ1で記述した以外の詳細を記載(数字を入れて説明)

まだ、同じ段落内では改行はせず、段落の間は1行開けるようにしましょう。

図表の解答サンプル

イントロダクション

The chart and the table show changes of the exports of five categories in one country between 2015 and 2016.

オーバービュー

Overall, there was an upward trend in the exports of this country, and petroleum products and engineered goods were the major exports among five categories.

詳細1

In 2015, the export of petroleum products was highest, followed by engineered goods, with just above 60 billion dollars and 58 billion dollars respectively. In 2016, the exports of both categories increased moderately and had the same value.

詳細2

The export of gems and jewellery was by far lower than the exports of petroleum products and engineered goods, but it was higher than the exports of agricultural products. While the export of gems and jewellery decreased by 5.15%, the figure for agricultural export was nearly unchanged. Of all five categories, the export of textiles was the lowest at around 25 $ billion, but it saw the most significant growth of 15.24% over a year.

勉強方法

タスク1は、便利な表現や言い回しを覚えることで、それらを使い、スムーズな解答、時間の短縮が行えます

ここでは、出題タイプ別の便利な語彙や表現を紹介します。

それぞれノートなどにまとめ、使い分けながらアウトプットできるように練習しましょう。

プロセスマップでよく使われる表現と用語

  • first / second / next / then / finally (トランジションワード)
  • There are (         ) stages in the process from (             ) to (             )
  • After that, 
  • Once
  • In the meantime, meanwhile

図表の説明でよく使われる表現と用語

  • percentages / figures / pictures / diagrams
  • 〇〇 gives data on…………
  • 〇〇 compares…
  • 上がる increase / rise / go up / climb / show an upward trend
  • 下がる decrease / drop / go down / decline / shrink 
  • 少しだけ  slightly / gently / moderately / marginally / gradually
  • かなり(強調)clearly, obviously, significantly, noticeably, considerably, dramatically, drastically
  • 急激に steeply / swiftly / rapidly / wildly / sharply
  • 確実に steadily / consistently / constantly
  • 比較表現(一方で)while, whereas, although, by contrast
  • However, … / On the other hand, … / In contrast, … (文頭で使う)

地図問題でよく使われる表現

  • On the … map we can see…
  • In the [ north / south / east / west] area of the town,
  • In the [ north / south / east / west ], there [ is / was / are / were / used to be ] …
  • The … in map A is much smaller than the one in map B.
  • In 1980 the [ north / south / east / west area [ had / contained ] …
  • next to / beside 
  • in front of
  • behind
  • across from
その他の便利な言い換え表現
その他の便利な言い換え表現

テンプレートの活用

IELTSライティングのタスク1には、解答のテンプレートが存在します。

テンプレートを活用することで、スコア6.0を目指す解答を制限時間内に仕上げることに役立ちます。

ただし、スコア6.5以上になると、テンプレートにとらわれない表現の多様性が必要となり、有効ではありませんので注意しましょう。

イントロダクションの言いかえ表現

  • show ⇔ compare ⇔ illustrate ⇔ describe 
  • trends in ⇔changes in
  • the total number ⇔the overall number
  • percentage  ⇔ proportion 

第2段落のまとめに使えるテンプレート

図表が1つの場合

  • It is clear that…  
  • It is also obvious that…

図表が2つの場合

  • It is clear from the pie chart that … 
  • The table shows that …

第3、4段落の詳細で使えるテンプレート

  • Looking at the [ graph / chart / diagram / map / table ] in more detail, …
  • Looking more closely, …
  • Specifically, … / More specifically, …
  • The first notable feature is that … 
  • Another point to note is… / Also, worth noting is that… 

IELTSライティングタスク2

ここでは、IELTSライティングのタスク2について、概要や解答方法を紹介します。

出題形式

IELTSライティングのタスク2エッセイライティングで、設問形式は5つのタイプに分かれます。

1.discussion essay(advantage/disadvantage essay)

2つの対立する意見について意見を記述します。2つの異なる意見(アドバンテージとディスアドバンテージ)を、受験者が公平かつ客観的に述べる形式です。

2.Opinion essay

1つの意見に対して、賛成か反対か、受験者の意見を述べる形式です。

3.Discussion opinion essay

2つある意見のうち、自分がどちらの意見に賛成するかを述べる形式です。ただし、自分が賛成しない意見についても、客観的に肯定する必要があります。

4.Direct question essay

2つの質問が記載されており、そのどちらに対しても解答する必要がある形式です。

5.Cause and solution essay(cause and effect)

何らかの課題・問題に対して、その原因と解決方法を記述する形式です。

出題形式を知ることは、それぞれのタイプに合わせた解答方法を学ぶ上で、とても重要です

5つのエッセイタイプについて、以下の記事でより詳細に説明していますので、参考にしてください。

解答の構成

タスク2でも、特にスコア6.0以上を目指す場合は、しっかりとした解答構成で記述することが重要です。

解答は、タスク1と同様、次の4段落構成で記述しましょう。

  1. イントロダクション:問題文のパラフレーズ(言い換え)
  2. ボディ1:自分の意見に対する理由1
  3. ボディ2:自分の意見に対する理由2
  4. 結論・まとめ:ボディ1、ボディ2の内容を簡単にまとめる

オピニオンエッセイ解答サンプル

ここでは、解答の構成がわかりやすいオピニオンエッセイをサンプルとして、解答例を紹介します。

Some believe that new science related to criminal forensics should be used to look at old cases.
To what extent do you agree or disagree?

イントロダクション

Science is becoming more and more advanced as time goes on and this has led to the development of new criminal forensics that can be used to look at old cases. While there are some benefits to this, I disagree with the notion that it should be used exclusively and in all scenarios.

ボディ1

Firstly, it is important to consider the financial implications of using this technology to look at old cases. It is often expensive to purchase and maintain the equipment needed to examine evidence, and this cost can be prohibitive to some police forces and legal organisations. Additionally, the cost of hiring expert scientists and analysts to interpret the data can be a significant burden for both public and private organisations. Therefore, it is necessary to consider the cost-benefit of using this technology before it is applied in any given situation.

ボディ2

Secondly, the accuracy of this technology is not always guaranteed. Despite the fact that advancements in technology have made it possible to look at a wider range of evidence, there is still a chance that the evidence may not be interpreted correctly or that the analysis may not be comprehensive enough to provide a conclusive answer. Therefore, the risk of making a wrong decision based on this technology should be taken into account when deciding whether or not it should be used.

結論

In conclusion, while the use of new criminal forensics can be beneficial in some cases, I do not believe that it should be used exclusively and in all scenarios. The financial implications of using this technology and the risk of making an incorrect decision should be taken into account.

勉強方法

タスク2は、複雑な課題についての¥記述を求められるため、タスク1よりも難易度が上がります。

ここで紹介する勉強法を実践し、着実にスコアアップを目指しましょう。

減点対象を減らす

まずは解答の構成と文法のミスをなくし、減点対象を減らしていきましょう

スコアが6.0に到達しない原因として、次の2つが多く見られます。

  1. 解答が4段落構成になっていない
  2. 文法のミスが10個以上ある

特に、文法のミスをなくすことが重要です。英作文の演習ドリルなどに取り組み、文法力を鍛えましょう。

モデルアンサーをひたすら書き写す

オンライン上に掲載されているモデルアンサー(解答例・サンプル)や模範解答は、有効に活用できます。

高得点を実証する解答を書き写すことで、次のポイントに対する理解が深まります。

  • 解答の構成
  • 表現や語彙
  • 具体例の取り入れ方
  • トピックに対する考え方

また、模範解答を使用し学習を行う際には、以下の点に気を付けてください。

様々なトピックの解答を参照する

IELTSライティングのタスク2は、出題トピックの範囲が非常に広いです。必ず1つではなく全体をカバーするように学習しましょう。

2つ以上の模範例を参照する

解答に使用する表現や語彙は、人によって異なります。作者の異なる2つ以上の模範解答を参照することで、語句や表現の引き出しが広がります。

情報の信ぴょう性を確認する

オンライン上で掲載されている模範解答は、必ずしも全てが良質な解答ではありません。誰が書いたものか、高得点を実証しているかなど、必ず確認してから使用しましょう。

便利な単語を抜き出してまとめる

モデルアンサーや解答例を書き写しながら、解答に使用できそうな表現や語彙、単語を抜き出しましょう。

抜き出した表現をまとめて覚えることで、解答の際に使用できる語彙の引き出しが広がります。

 インプットを増やす

ライティングの対策として、精読多読(リーディング)が非常に有効です

インプットを行い表現の幅を広げることで、語彙力のアピールにつながり、スコアの向上が期待できます。

具体的には、次のような学習を毎日継続して行いましょう。

  • モデルアンサーを読む
  • オンラインニュースを読む
  • 英字新聞を読む

インプットの習慣をつけることで、正しい表現を学び、語彙力を広げる機会となります。ぜひ続けていきましょう。

テンプレートの活用

タスク1と同様に、タスク2にも、トピックに縛られず、共通して使えるテンプレートがあります。

こちらも、6.5以上の高得点を目指す方は頼りすぎないように気を付けましょう。

Discussion opinion essayのテンプレート

ここでは、IELTSアカデミックで出題頻度の高い、「Discussion opinion essay 」のテンプレートを紹介します。

例題

Some people say that holding sport competitions like Olympics cause many troubles in the hosting city, others disagree. Discuss both views and give your opinion.

イントロダクション

  1. 問題文の言い換え
  2. This essay will discuss both arguments , but in my opinion, I believe ___________.

ボディ1

  1. On the one hand, there may be some benefits to.
  2. First of all, it may _ (1つ目のアイデア).
  3. 1つ目のアイデアの例/解説
  4. Furthermore, it could _ (2つ目のアイデア).
  5. 2つ目のアイデアの例/解説

ボディ2

  1. On the other hand, I believe that have more advantages.
  2. One of them is that _ (1つ目のアイデア).
  3. 1つ目のアイデアの例/解説
  4. Another one is that _ (2つ目のアイデア).
  5. 2つ目のアイデアの例/解説

結論・まとめ

  1. In conclusion,  (問題の言い換え). 
  2. 2文目:Even though there are some negative aspects to it, I believe there are more advantages that are _
    (短くボディ2をまとめる).  

独学勉強法まとめ

IELTSライティングにおいて、独学でスコア6.0を目指す方は、まずはしっかりとした解答の構成(4段落構成)を意識し、テンプレートを活用しましょう。表現の仕方を覚えることで、使い回せるようになります。
タスク1の勉強法は、3つの出題タイプ別の表現を覚え、解答に当てはめて記述することです。精読は語彙力の強化に非常に有効なので、習慣化して毎日行うよう意識しましょう。

※スコア6.5以上を目指す方は、テンプレートに頼らない幅広い表現を行うことが重要です。トピックに合わせて、様々な表現を使い分けられるようになりましょう。   

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