IELTSアカデミックモジュールのリーディングでは、長文が3つ、設問が40問出題され、制限時間は60分です。
リーディングで伸び悩んでいる方の多くが、時間が足りないことが原因と言われています。
この記事では、時間内に解き終えるコツや、時間がかかってしまう原因とその対策について紹介していきます。
IELTSリーディング全40問を60分以内に解答するコツ
IELTSリーディングでは、1パッセージあたり20分を配分できますが、熟読すると時間が足りなくなってしまいます。
また、リーディングでスコアが取れない理由として、次のような声も多く聞きます。
- 時間に追われてしっかりと読み切れていない
- 時間がないので適当に読み、間違った解答を選んでしまう
IELTSのリーディングでは、とにかく「タイムマネージメント」行うことが重要となります。
英文の構造を理解する
一般的に英語の文章は、複数の段落(パラグラフ)で構成されています。
IELTSでも同様に、5-10段落から構成され、それぞれの段落に必ずメインアイディア(段落の主旨)があります。
段落をすべて読むのではなく、メインアイディアを把握することで、読む時間を大幅に短縮することができます。

段落の趣旨は、段落の脇にメモすると後で読み返した時に便利です。コンピュータテストでもメモやハイライトを付けることができます。
各段落のメインアイディアを把握する方法
各段落のメインアイディアを把握する方法として、段落のトピックセンテンスに注目する方法があります。
英語特有の段落構成として、段落には必ずトピックセンテンス(段落の結論)が書かれています。
トピックセンテンスとは
トピックセンテンスとは、段落の最初にくる1、2文のことで、段落の結論が書かれている文章のことを指します。
日本語とは異なり、英語のエッセイでは、段落の結論を文の最後ではなく、最初に記述します。
ほとんどの場合は、トピックセンテンスを読めば段落のメインアイデアがわかるので、非常に重要な文章です。
トピックセンテンスの読み方
最初の1、2文を読んで内容が把握できることもあれば、いまいちピンとこない場合もあります。
そのようなときは、さらに3文まで読み、段落の最後ある文章にも目を通してみましょう。
段落の最初と最後の文章から、段落がどのように展開するかを想像し、大まかな内容を把握することができます。
段落が2つのまとまり(ブロック) に分かれている場合は、次の文章を読みましょう。
- 1つ目のブロックのトピックセンテンスと最後の文章
- 2つ目のブロックのトピックセンテンスと最後の文章
トピックセンテンスと段落の最後の分を照らし合わせて段落の内容を理解する例
A
The original idea for an urban bike-sharing scheme dates back to a summer’s day in Amsterdam in 1965. Provo, the organization that came up with the idea, was a group of Dutch activists who wanted to change society. They believed the scheme, which was known as the Witte Fietsenplan, was an answer to the perceived threats of air pollution and consumerism. In the centre of Amsterdam, they painted a small number of used bikes white. They also distributed leaflets describing the dangers of cars and inviting people to use the white bikes. The bikes were then left unlocked at various locations around the city, to be used by anyone in need of transport.
この段落では、トピックセンテンスでバイクシェアのアイデアの由来について、最後の文章でそのプログラムが便利さを提供することが述べられています。
このように、トピックセンテンスを読むことで、かなりの時間短縮を行うことができます。



IELTSリーディングで、いつも時間が足りなくなる方は、ぜひトピックセンテンスから主題を見つける読み方を実践してみてください。
トピックセンテンスは、あくまで時間短縮のテクニックなので、全文をざっと読むこと(スキミング)ができる方は、それに越したことはありません。
読解力を身に着ける
トピックセンテンスを読み取ることに加え、読解力、語彙力はリーディング対策に非常に重要です。
問題を解き終わったら、復習として精読を行い、毎日少しずつでも身に着けていくよう意識しましょう。
読解力を養うことで速読力もつくようになりますが、時間がかかるので、目標に合わせ早めに対策を進めましょう。
時間がかかりすぎてしまう別の要因
IELTSリーディングで高得点を狙う方は、時間がかかる要因を分析し、根本的な解決策を見出すことが大切です。
主な原因としては、次の3つが挙げられます。
- 問題を解き慣れていない
- 設問タイプによっては多大な時間を費やしてしまう
- 文法力、語彙力が明らかに不足している
それぞれ、項目ごとに対策を紹介していきます。
1.問題を解き慣れていない
IELTSリーディングでは、設問の出題形式が決まっていますが、解き慣れていないと時間がかかってしまいます。
問題形式に慣れるまで何度も演習を重ね、予め設問の形式に慣れておくことで、時間の短縮につながります。
- 問題文をわざわざ読む必要がなくなる
- 聞かれている主旨が分かるようになる
問題を解く回数を重ねていくことで、問題を解くススピードも上がっていきます。
2.設問タイプによっては多大な時間を費やしてしまう
IELTSリーディングの出題形式の内、特に時間をかけてしまいやすい問題形式として、次の4つがあります。
- タイトル付け(見出し)問題
- True/False/Not Given(Yes/No/Not Given)
- 穴埋め問題
- 不完全な文章を完成させる問題
それぞれの形式について、解き方のコツを紹介していきます。
Ⅰ. タイトル付け(見出し)問題
この設問では、段落および設問の選択肢を1つ1つ時間をかけて読んでしまうと、時間が無くなってしまいます。
段落の主旨を理解するために、トピックセンテンスと最後の文章を読むことで、素早く解答できます。
また、すぐに答えを選ぶことができない場合は、その問題は飛ばし、確実に当てはまるものから解答を進めましょう。
これで残りの問題の選択肢を狭めることができます。このような方法で正答率を高めていくことができます。
Ⅱ. True/False/Not Given(Yes/No/Not Given)の問題
この問題では、False/Not givenもしくは No/Not Given で迷い、必要以上に時間を費やしてしまうケースが多いです。
IELTSでは、必ずその解答の根拠となる文章が本文に書いてあります。自分で想像し解答を導くのはNGです。
- False/No:その情報が書いてあるが、内容が間違っている
- Not Given:その情報を見つけることができない
設問を読んだ後に、その内容がどの段落に書いてあるかが素早くわかるように、メモを残すことも有効です。
True/False/Not given 問題についての詳細は次の記事でより詳しく紹介しているので、参考にして下さい。


Ⅲ. 穴埋め問題
穴埋め問題は、文の前後関係を見て解いていく問題です。設問に関係する内容の段落に戻り、解答を探します。
解答のポイントは次の通りです。
- 設問にタイトルがある場合は、タイトルが大きなヒントになるので見逃さない
- 必ずキーワードとなる単語があり、本文でも同じ単語がそのまま使用されていることが多い
- 言い換え表現が使われることもあるが、年号や固有名詞の書き換えはほぼ不可能
- 解答には名詞が入る確率が高い
- 文法的にどのような品詞が入るかを最初に想定すると、正解率が高まる
- 穴埋め部分の単語数も最初に把握しておく
Ⅳ. 不完全な文章を完成させる問題
この問題では、設問にタイトルがついていることが多く、タイトルがキーワードとなります。
まずは本文からキーワードを探し、どの段落に関連する内容が書いてあるかを見極めましょう。
選択肢は100%言い換えられているため、時間がかかり、選択肢も多く設定してあるので、難易度が高いです。
- emotion(選択肢)→ feelings(本文中)
- hard (選択肢)→ difficult(本文中)
- worrying(選択肢)→ troubling(本文中)
このタイプの問題が苦手な方は、捨てる問題として最初から抜かしてしまっても問題ありません。
IELTSのリーディングでは、時間を見極めて解答することが重要です。
得意な問題から先に進め確実に点数を稼ぎ、時間があれば戻って解く、という方法も立派な戦略です。



1つでも自分の得意な設問タイプがあることで、自信にもつながります。
3.文法力、語彙力が明らかに不足している
IELTSのリーディングを時間内で終わらせるためには、ある程度の文法力、語彙力が必須です。
設問を読んでいて次のように感じた場合は、文法と語彙を見直しましょう。
- 読んでいてわからない単語がかなりある
- 何を聞かれているのか全く理解できない
- 文の構造を理解できない
単語力、文法力不足は、日々の努力で簡単に克服することができます。まずは文法のおさらいから始めましょう。
単語では、特に動詞が重要なので、重要な動詞から先に覚え、副詞や形容詞は後から進めましょう。
IELTSリーディングを時間内に解くコツについては、下の記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてください。


まとめ
IELTSリーディングで時間が足りないと感じる方。制限時間60分以内で読む方法として
- まずは段落のメインアイディア(趣旨)をトピックセンテンスからつかむ
- 設問タイプによって捨てる問題、拾う問題を決める
- ある程度の単語力、文法力を身に着けておく
- 本文は必ず問題を解く前に読んでおく必要がある
本文を読む際は、どんな話の内容なのかを常に推測しながら文章を読んでいくとよいでしょう。まず最初に本文を読む時に精読はせず、大まか全体像と段落ごとの話の発展に注意して読むことが60分内で終わらせるコツです。
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