IELTSのアカデミックリーディングは長文3つ、設問数40問を60分内に解く必要があります。短い時間の中で正答率をt高めるにはコツが必要です。以下がリーディングの時に実践して欲しいポイントです。
タイトル、サブタイトルは必ず読む
本文を読む際のコツを知る
問題文をしっかりと把握する
素早く本文に戻る
設問別の解き方を身につける
本文を先に読む
IELTSアカデミックのリーディングは、本文を先に読む必要があります。その要因として問題がジェネラルリーディングのように本文の一段落目から順番通りに出題されるわけではないからです。したがって、先に本文を読みどこの段落に何の情報が記載されているか、把握しておく必要があります。
逆に言うと、先に問題に目を通したとしても設問を全て覚えられないため、本文をざっと読みどの段落にどのような内容が書かれているのか把握することの方が時間のロスがありません。
設問の内容を把握してその内容が書いてある段落に素早く戻れることが出来れば、また時間の短縮につながります。ただし、段落のタイトルマッチング問題を問われる時のみ本文よりも問題が先に出題されます。その場合は段落Aを読み、問題に戻って複数の選択肢から適切なものを選択します。
読み進める中で、人の名前が出てきたら名前のところに印をつけておきましょう。なぜなら、それに関係する問題が出題されることが多いからです。
タイトル、サブタイトルは必ず読む
まず、いきなり本文を読むのでなくタイトルとサブタイトルを必ず読むこと。タイトルとサブタイトルは本文で言いたいことを凝縮しているので、何について読んでいくのかを知っていれば内容の理解度が格段に上がります。
時間配分のコツを知る
IELTSのアカデミックリーディングは制限時間として60分設けられます。長文は3つあり、1パッセージに約20分費やしていい計算となりますが、だからと言って1パッセージにギリギリ20分を使うと、後で時間が足りなくなってしまうことがほとんど。なぜかというと、パッセージ1が比較的難易度が低く、パッセージ2か3のどちかが難易度が高く設定されているからです。
正答率を高めることの方が大事ですので、戦略にもよりますが、6.5以上(つまり40問中27問以上)の正答率を求める場合は、比較的一番易しいパッセージ1を15分で終わらせて、パッセージ2と3を20分で解くように心がけるとよいでしょう。6.0の場合は正答率は23問です。1パッセージ毎に約12-13問が設置されているので、パッセージ1で正答率を高めるために時間を費やし、パッセージ2もしくは3のどちらかにターゲットを決めて時間をかけるのも一つの戦略です。
本文を読む際のコツを知る
本文を読む際は、一つの単語にとらわれず、英語を塊(文単位)で理解しましょう。知らない単語で一度とまってしまわないように知らない単語は内容から想像し、または、抜かして読んでいきます。
この時に音読はしないこと。スピードが格段に遅くなります。目で読む(黙読)練習をしましょう。目が移り替わるスピードを強制的に速くしていきます。
普段から文の意味は前から訳す練習をし、関係代名詞がある場合でも、後ろから訳して前に戻るという訳し方はしないように注意しましょう。これもタイムロスになります。
段落を読み終えたら、その段落で作者が何を言いたいのかメモしておきます。本文を先に読む時に気を付けることは、最初から精読をしないこと。精読をすると時間が無くなります。大体の内容を抽出するようにざっと読むこと、作者の意図に気にしながら読む練習をしましょう。
【例題】
名前には必ず印をつけておくことFrom 1887 onwards, glass making developed from traditional mouth-blowing to a semiautomatic process, after factory- owner HM Ashley introduced a machine capable of producing 200 bottles per hour in Castleford, Yorkshire, England – more than three times quicker than any previous production method. Then in 1907, the first fully automated machine was developed in the USA by Michael Owens – founder of the Owens Bottle Machine Company (later the major manufacturers Owens- Illinois) – and installed in its factory. Owens’ invention could produce an impressive 2,500 bottles per hour Other developments followed rapidly, but it | was not until the First World War when Britain became cut off from essential glass suppliers, that glass became part of the scientific sector. Previous to this, glass had been seen as a craft rather than a precise science.
➡メモ:ここではガラスの伝統的な製造方法から近代的な方法に代わり、工芸から精密な化学という部門に移る過程を書いています。
【日本語訳】
1887年以降、ガラス製造は伝統的な、口で吹く方式から半自動的な工程へと発展した。これは、HMアシュレーという工場主が、英国、ヨークシャーのキャッスルフォードで1時間に200本のビンを製造できる機械を導入してからのことである。これは以前のどの製造法よりも3倍以上速い速度であった。次いで1907年、アメリカ合衆国のマイケル・オーエンスによって、完全自動式機械が開発された。彼はオーエンス・ボトル・マシーン・カンパニーの創設者である(のちに主要製造業オーエンス‐イリノイ)。彼はこの機械を自分の工場に設置し、この発明で、1時間になんと2,500本のビンを作ることが可能であった。その他の開発も矢継ぎ早に続いたが、第一世界大戦の時、英国は必需ガラス供給業者から関係を断たれ、この時に初めてガラスは科学分野の一部となった。この以前には、ガラスは精密な科学というよりは、工芸と見られていたのだった。
問題文をしっかりと把握する
段落を読み終えたら、今度は問題文をしっかりと読み内容をちゃんと理解することです。生徒様の中には問題文の意味を誤解していたため、解答を間違う方がいらっしゃいます。まずは何が聞かれているのかをしっかりと把握するところから始めましょう。
例えば 、True/False/Not Given の問題では設問の意味をしっかりと理解することが大事です。問題文をそもそも読み間違えていれば正確な解答には導けません。
【設問例題】
1. In 1887, HM Ashley had the fastest bottle-producing machine that existed at the time.
日本語訳:1887年、HMアシュリーは当時存在していた最も早くビンを作る機械を持っていた。
2. Michael Owens was hired by a large US company to design a fully-automated bottle manufacturing machine for them.
日本語訳:マイケル・オーエンスは、完全自動式のビン製造機を設計するためにアメリカの大手企業に雇われた。
3. Nowadays, most glass is produced by large international manufacturers.
日本語訳:今日、大部分のガラスは大規模な国際的製造業者により製造されている。
素早く本文に戻る
問題文を理解した後、本文でそのことが書いてあると思う場所に素早く戻る必要があります。
1の問題はアシュリーさんについて書いてある段落です。アシュリーさんの名前が出てきた段落に戻り、今度はその段落を精読することになります。この段階で初めてしっかりと読み、内容を把握する必要があります。
2の問題では、マイケル・オーエンスさんが出てきたところをしっかりと読むようにします。
そして、3の問題は近年の製造方法について書いてあるところに戻ります。
このようにその文章が書いてある所にすぐに戻ることができれば時間の短縮につながります。
設問別の解き方を身につける
上記で示したTrue/False/Not Giveの問題の他にも、IELTSリーディングでよくでる設問形式があります。設問形式別に詳しく解き方を解説していきます。
◎穴埋め問題
穴埋め問題では、穴埋めの前後の文章を手掛かりにその内容、もしくはキーワードとなる単語が書いてある所をすぐに見つけることが大切です。書き換えられている表現には、日ごろから敏感に反応することが大事です。
【例題】
The History of Glass
・ Early humans used a material called 1……………………. to make the sharp points of their 2 ……………………
・4000 BC: 3…………………. made of stone were covered in a coating of man-made glass.
・ First century BC: glass was colored because of the 4………………. in the material.
・Until 476 AD: Only the 5……………………. knew how to make glass.
・17th century: George Ravenscroft developed a process using 6 ………………. to avoid the occurrence of 7 in blown glass.
・Mid-19th century: British glass production developed after changes to laws concerning 8……………………
本文
1) From our earliest origins, man has been making use of glass. Historians have discovered that a type of natural glass – (1)obsidian – formed in places such as the mouth of a volcano as a result of the intense heat of an eruption melting sand – was first used as tips for (2)spears. Archaeologists have even found evidence of man-made glass which dates back to 4000 BC; this took the form of glazes used for coating stone (3) beads. It was not until 1500 BC, however, that the first hollow glass container was made by covering a sand core with a layer of molten glass.
2) Glass blowing became the most common way to make glass containers from the first century BC. The glass made during this time was highly coloured due to the(4) impurities of the raw material. In the first century AD, methods of creating colourless glass were developed, which was then tinted by the addition of colouring materials. The secret of glass making was taken across Europe by the (5)Romans during this century. However, they guarded the skills and technology required to make glass very closely, and it was not until their empire collapsed in 476 AD that glass-making knowledge became widespread throughout Europe and the Middle East. From the 10th century onwards, the Venetians gained a reputation for technical skill and artistic ability in the making of glass bottles, and many of the city’s craftsmen left Italy to set up glassworks throughout Europe.
➡ メモ:第1段落は古代に見つけられたグラスのようなものや、人間が作ったと思われるグラスについての説明
➡ メモ:第2段落はガラス製造がヨーロッパ全体に普及するようになった経緯
【日本語訳】
1) 人類の起源のごく初期から、ヒトはガラスを利用してきた。歴史家の発見によれば、噴火口のような場所で、噴火の高熱で砂が溶かされた結果、一種の天然ガラス(黒曜石)が形成され、最初は槍の穂先として使われたという。考古学者は、紀元前4000年にさかのぼる人造ガラスの証拠を見出してさえいる。これは石のビーズを被覆する光滑剤の形を取っていた。しかし、紀元前1500年になって初めて、砂の芯を溶けたガラスの層で被うことにより、最初の中空のガラス容器が作られた。
2) 紀元前1世紀から、ガラス吹きはガラス容器を作る最も普通の方法となった。この時期に作られたガラスは、原材料の不純物のため濃い色を帯びている。紀元1世紀には、無色のガラスを作る方法が開発され、次いで、着色剤の添加により、色づけられるようになった。ガラス製造の秘密は、この世紀にローマ人によりヨーロッパ全体にもたらされた。しかし、彼らはガラス製造に必要な技と技術はしっかりと守り、彼らの帝国が西暦476年に崩壊して初めて、ガラス製造の知識がヨーロッパと中東に広まった。10世紀以後、ベネチア人がガラス瓶製造上の技法と芸術的能力で名声を博し、この都市の多くの職人がイタリアを離れ、ヨーロッパ中にガラス工場を設立した。
✅ 書き換え表現をまとめてみました。
書き換え表現 | |
問題 | 本文 |
material | type of natural glass |
tips for spears | sharp point of their spears |
beads made of stone | stone beads |
glass was coloured | highly coloured |
only the Romans know how to make glass | they (Romans) guarded the skills and technology required to make glass |
◎図表穴埋め問題
図表穴埋め問題も、その仕組み、やり方などが書かれているところを探して、その場所をしっかりと精読し、書き換えられている表現に注意しながら解答となる単語を抜き出していきます。大体1語から2語の穴埋めはほとんど名詞が入ります。また、1つの段落内に全ての答えがあることがほとんどですが、2段落にまたがることもありますので要注意!
【例題】
Raising the hull of the Mary Rose: Stages one and two
※no more than two words
本文
An important factor in trying to salvage the Mary Rose was that the remaining hull was an open shell. This led to an important decision being taken: namely to carry out the lifting operation in three very distinct stages. The hull was attached to a (9)lifting frame via a network of bolts and lifting wires. The problem of the hull being sucked back downwards into the mud was overcome by using 12 (10)hydraulic jacks. These raised it a few centimetres over a period of several days, as the lifting frame rose slowly up its four legs. It was only when the hull was hanging freely from the lifting frame, clear of the seabed and the suction effect of the surrounding mud, that the salvage operation progressed to the second stage. In this stage, the lifting frame was fixed to a hook attached to a crane, and the hull was lifted completely clear of the seabed and transferred underwater into the lifting cradle. This required precise positioning to locate the legs into the (11)stabbing guides’ of the lifting cradle. (12)The lifting cradle was designed to fit the hull using archaeological survey drawings, and was fitted with (13)air bags to provide additional cushioning for the hull’s delicate timber framework. The third and final stage was to lift the entire structure into the air, by which time the hull was also supported from below. Finally, on 11 October 1982, millions of people around the world held their breath as the timber skeleton of the Mary Rose was lifted clear of the water, ready to be returned home to Portsmouth.
➡ メモ:リフティングオペレーションがどのように行われたかが記載されている段落
【日本語の訳】
メアリー・ローズを引き上げようとする際、重要な要素は、残存船体が開いた貝殻のような形になっていることだった。このため、重大な決定が下された。すなわち、引き上げ過程を全く異なる3つの段階にわけて行うのである。まず船体は網目状をなすボルトと挙上用ワイヤーで挙上支持体に取り付けられた。船体が泥の中に吸い込まれ、もとに戻ってしまうという問題は、12基の油圧式ジャッキを用いることで乗り越えた。これらのジャッキにより、挙上支持体がその4つの支脚にそって上っていくにつれ、船体は数日間で何センチか押し上げられるのである。船体が完全に挙上支持体からぶら下がった状態になり、海底から離れ、船体周囲の泥の吸引効果を受けなくなって始めて、引き上げ作業は第2段階に入った。この段階で挙上支持体はクレーンに取り付けられたフックに固定され、船体は完全に海底から離れ、海中で挙上架台に移された。この作業の際には、支脚を挙上架台の「刺入口」に挿入するため、位置を正確に定めることが必要だった。挙上架台は考古学的測量図を使って船体とうまく適合した形に設計されており、また浮袋が備えられ、船体のもろい木製の枠組みへの衝撃がさらに緩衝できるようになっていた。第3の、そして最後の段階は船の構造全体を空中に吊り上げることだった。この段階以前に、船体には下方からも支えが入っていた。ついに1982年10月11日、世界の何百万もの人々が固唾をのむ中、メアリー・ローズの木製骨格が水中から引き上げられ、ポーツマスに帰港する用意が整ったのだった。
書き換え表現 | |
問題 | 本文 |
lifting frame attached hull | The hull was attached to a lifting frame |
hull being sucked into mud | the hull being sucked back downwards into the mud |
overcome by 12 hydraulic jacks | hydraulic jacks to prevent |
legs are placed into | legs into the stabbing guides |
hull is lowered into lifting cradle | The lifting cradle was designed to fit the hull |
air bags used as extra protection | air bags to provide additional cushioning |
◎四択問題
選択問題では、問題文で何が聞かれているのかを理解し、また設問の選択肢の違いもしっかりと把握して、本文のどの段落に書いてあるのか素早く探していきます。消去法を使い確実に当たっているものを選びましょう。
問題文で段落を指定してくれる場合は、その段落に戻り精読していけばよいのですが、かと言っていつも段落を明示してくれるわけでないので問題文と選択肢の内容から、本文のどこに戻ればよいのか大体の目星をつけましょう。
【例題】
1. In the second paragraph, the writer refers to a shape-matching test in order to illustrate
A the subjective nature of art appreciation.
B the reliance of modern art on abstract forms.
C our tendency to be influenced by the opinions of others.
D a common problem encountered when processing visual data.
【日本語の訳】
1. 第2段落で、形をマッチさせるテストのことを述べているが、これは次のことを説明するためである
A 芸術鑑賞の持つ主観的な性質
B 現代芸術が抽象的な形に頼っていること
C 人は他人の意見に影響される傾向があること
D 視覚的データを処理するとき遭遇する共通の問題
2. Angelina Hawley-Dolan’s findings indicate that people
A mostly favour works of art which they know well.
B hold fixed ideas about what makes a good work of art.
C are often misled by their initial expectations of a work of art.
D have the ability to perceive the intention behind works of art.
【日本語の訳】
2. アンジェリーナ・ホーリー-ドランの得た知見が示唆するのは、人々が
A 多くは、自分たちがよく知っている芸術作品を好む
B 何がよい芸術作品を生み出すか、決まった考えを持っている
C 芸術作品に対して初めから持っている期待によってしばしば惑わされる
D 芸術作品の背後にある意図を知覚する能力がある
本文
【第2段落】Could the same approach also shed light on abstract twentieth-century pieces, from Mondrian’s geometrical blocks of colour, to Pollock’s seemingly haphazard arrangements of splashed paint on canvas? Sceptics believe that people claim to like such works simply because they are famous. We certainly do have an inclination to follow the crowd. When asked to make simple perceptual decisions such as matching a shape to its rotated image, for example, people often choose a definitively wrong answer if they see others doing the same. It is easy to imagine that this mentality would have even more impact on a fuzzy concept like art appreciation, where there is no right or wrong answer.
【第3段落】Angelina Hawley-Dolan, of Boston College, Massachusetts, responded to this debate by asking volunteers to view pairs of paintings – either the creations of famous abstract artists or the doodles of infants, chimps and elephants. They then had to judge which they preferred. A third of the paintings were given no captions, while many were labelled incorrectly -volunteers might think they were viewing a chimp’s messy brushstrokes when they were actually seeing an acclaimed masterpiece. In each set of trials, volunteers generally preferred the work of renowned artists, even when they believed it was by an animal or a child. It seems that the viewer can sense the artist’s vision in paintings, even if they can’t explain why.
➡ 第2段落メモ:人が絵画が好きな理由はその絵が有名だからか、特に抽象的な概念においては人は他人の意見に同調しがちである。
➡ 第3段落メモ:アンジェリーナ・ホーリー・ドランが行った研究でも有名な芸術家の作品が好まれた。そして鑑賞者はその作家が多く描いたものを感じることができるようだ。
【日本語訳】
【第2段落】モンドリアンが描く、色の区画が幾何学模様をなす絵から、カンバスに飛び散った絵の具が見た目には乱雑に並んでいるポロックの絵まで、20世紀の抽象画にも、同じやり方が光明を投げかけるだろうか?この考えに懐疑的な人々は、人がそうした作品を好むと称するのは単にそれらが有名であるからにすぎないと考えている。確かに人間には付和雷同する傾向がある。例えば、ある形とそれを回転した像をマッチさせるといった単純な知覚判断をするように言われた場合、もし他の人々が間違った答えを選ぶのを見ると、人はしばしば同じように明らかに間違った答えを選んでしまう。芸術鑑賞といった、はっきりした正解、不正解の存在しないあいまいな概念に対しては、この心的傾向の及ぼす影響はより大きいだろうということは想像に難くない。
【第3段落】マサチューセッツにあるボストン・カレッジのアンジェリーナ・ホーリー・ドランはこの議論に次のように取り組んだ。ボランティアの被験者たちに何対かの絵画を見てもらったのだが、その中には有名な抽象画家の作品もあれば、幼児、チンパンジー、象が塗りたくった絵もあった。次いで被験者にペアになった絵のどちらを好むか決めさせた。使われた絵画のうち三分の一には説明文がなく、あっても多くは誤った説明が付けられていた。実際は名高い傑作を見ていても、チンパンジーのめちゃめちゃな殴り書きを鑑賞しているとボランティアが考えることもあり得たわけである。何回か行われた実験のいずれにおいても、一般に被験者たちは名の通った芸術家の作品の方を好んだ。たとえ被験者がその作品は動物や子供が描いたものだと考えた場合にもそれは変わらなかった。理由は説明できなくとも、鑑賞者は絵画の中にその作者が思い描いたものを感じとることができるのではないかと考えられる。
◎タイトルマッチング問題
タイトルをマッチさせる問題は、本文を先に読むのではなく、段落ごとに読んでいきます。段落Aを読み、終わったら問題文をに戻り、タイトルを探していきます。段落を選ぶ問題はトピックセンテンス(段落の最初の文)がとても大事ですが、作者の意図を気にしながら少し時間をかけて読んでいきましょう。
意図的にトピックセンテンスの内容になっていない場合も多々ありますので、その内容に合っているものを選びましょう。選択肢は大体1つか2つ程使われないものがありますので気を付けましょう。また、不確かな時は段落を飛ばし確実に答えられるものから答えて選択肢の幅を狭め、正解率を上げましょう。
List of Headings
i Evidence of innovative environment management practices
(i 革新的な環境管理が実践された証拠)
ii An undisputed answer to a question about the moai
(ii モアイについての疑問に対する、異論の余地のない解答)
iii The future of the moai statues
(iii モアイ像の未来)
iv A theory which supports a local belief
(iv 現地で信じられていることを支持する理論)
v The future of Easter Island
(v イースター島の未来)
vi Two opposing views about the Rapanui people
(vi ラパヌイの人々に関する2つの相反する見解)
vii Destruction outside the inhabitants’ control
(vii 住民の制御できない破壊現象)
viii How the statues made a situation worse
(viii いかにして石像は状況を悪化させたか)
ix Diminishing food resources
(ix 減少する食料資源)
【A】Easter Island, or Rapu Nui as it is known locally, is home to several hundred ancient human statues – the moai. After this remote Pacific island was settled by the Polynesians, it remained isolated for centuries. All the energy and resources that went into the moai – some of which are ten metres tall and weigh over 7,000 kilos – came from the island itself. Yet when Dutch explorers landed in 1722, they met a Stone Age culture. The moai were carved with stone tools, then transported for many kilometres, without the use of animals or wheels, to massive stone platforms. The identity of the moai builders was in doubt until well into the twentieth century. Thor Heyerdahl, the Norwegian ethnographer and adventurer, thought the statues had been created by pre-Inca peoples from Peru. Bestselling Swiss author Erich von Daniken believed they were built by stranded extraterrestrials. Modern science – linguistic, archaeological and genetic evidence – has definitively proved the moai builders were Polynesians, but not how they moved their creations. Local folklore maintains that the statues walked, while researchers have tended to assume the ancestors dragged the statues somehow, using ropes and logs.
【B】When the Europeans arrived, Rapa Nui was grassland, with only a few scrawny trees. In the 1970s and 1980s, though, researchers found pollen preserved in lake sediments, which proved the island had been covered in lush palm forests for thousands of years. Only after the Polynesians arrived did those forests disappear. US scientist Jared Diamond believes that the Rapanui people – descendants of Polynesian settlers – wrecked their own environment. They had unfortunately settled on an extremely fragile island – dry, cool, and too remote to be properly fertilised by windblown volcanic ash. When the islanders cleared the forests for firewood and farming, the forests didn’t grow back. As trees became scarce and they could no longer construct wooden canoes for fishing, they ate birds. Soil erosion decreased their crop yields. Before Europeans arrived, the Rapanui had descended into civil war and cannibalism, he maintains. The collapse of their isolated civilisation, Diamond writes, is a ’worst-case scenario for what may lie ahead of us in our own future’.
➡ Aのメモ:イースター島のモアイ像は、イースター島でポリネシア人によって造られたものと考えられ、引きずって動かしたとされる。
➡ Bのメモ:、昔の花粉からイースター島は元々、青々とした森があったが、ヨーロッパ人が到来した時には、草で覆われ資源に乏しかった。ポリネシア人が生きるために環境破壊を行ったと言う学者もいる。
【日本語訳】
【A】イースター島、あるいは現地でラパ・ヌイとして知られているこの島には、数百に及ぶ古代の人像、モアイがある。この辺境の太平洋の島にポリネシア人が移り住んだ後、何世紀もの間、この島は周囲から隔絶された状態が続いた。モアイには高さ10メートル、重量7,000キロに達するものがあるが、モアイに注がれたエネルギーと資源は全て、この島自体から生み出されたものである。しかし、1722年にオランダ人の探検家たちが上陸したとき、遭遇したのは石器時代の文化だった。モアイは石器で彫られ、次いで巨大な石台へと、動物や車輪を使うことなく何キロも移送された。モアイを作った人々が誰だったのかは、20世紀になってしばらくするまではっきりしたことはわからなかった。ノルウェーの民族誌学者であり冒険家でもあるトール・ヘイエルダールは、インカ帝国以前のペルーから来た人々により石像が作られたと考えた。スイスのベストセラー作家、エーリッヒ・フォン・デ二ケンは、漂着した宇宙人によって石像が作られたと信じていた。が、現代科学は、言語学的、考古学的、遺伝学的証拠からモアイの建造者はポリネシア人であると明確に証明している。しかし創った石像をどのようにしてポリネシア人が動かしたかは、これらの証拠も明らかにしてはいない。現地の民間伝承によれば石像は歩いたというが、研究者の間では、(現地人の)祖先がロープや丸太を使い、石像を何らかの方法で引きずって動かしたとする考えが主流だ。
【B】ヨーロッパ人がやって来たとき、ラパ・ヌイは草原となっており、発育の悪い木々が少数あるに過ぎなかった。しかし、1970年代、1980年代に研究者らは湖の堆積物の中に残っていた花粉を見出し、これにより、この島は何千年もの間、青々とした椰子の森におおわれていたことが証明された。ポリネシア人が来た後になって、椰子の森は姿を消したのである。米国の科学者、ジャレド・ダイヤモンドはラパヌイの人々(ポリネシア人移住者の子孫)が自らの環境を破壊したと考えている。彼らが移住したのは、運悪く、極端に脆弱な環境を有する島で、乾燥し、涼しく、火山灰が風で運ばれて手ごろな肥料となるには遠すぎた。島民が薪と農耕のために森を切り払うと、森はまた元に戻ることはなかった。木の数が少なくなり、漁猟のためのカヌーをもはや造れなくなったため、島民は鳥を食糧とした。土壌の浸食で作物の収量は減少した。ヨーロッパ人が来る以前に、ラパヌイの状況は内戦や食人行為が起こるまでになってしまっていた、このようにダイヤモンドは主張する。彼らの孤立した文明の崩壊は、「我々自身の未来に横たわっている可能性の中でも最悪のシナリオ」である、と彼は記している。
IELTSリーディングの解き方のコツ まとめ
IELTSのリーディングではタイトルマッチング問題以外は、先に問題文を読む必要性があります。まずはどこにどの内容が書いているか把握してから、問題に取り組みましょう。内容を忘れないようにちょっとしたメモを取ることもおすすめします。
また、問題文を読み間違えないように、しっかり意味を把握することから始まります。設問の意味を理解したら、その内容が書いてあると思われる段落に戻り精読をしましょう。そして正しい解答を導いていきます。
リーディングは論理的に解く