IELTSのリーディング試験は、毎日コツコツ学習を重ねていても、時間内に終わらない方が多いセクションです。
実はIELTSのリーディングでは、語彙や文法などの英語力だけではなく、読解力などの国語力も必要とされます。
この記事では、国語力を高めるため対策や勉強方法について紹介していきます。
IELTSリーディングに効果を発揮・国語力トレーニング
IELTSリーディング試験を受けてみて、次のように感じたことのある方は少なくないのではないでしょうか。

何回読んでもサッパリ頭に内容が入ってこない!



何度も何度も同じ文章を読んでしまい、時間が足りない…
このような悩みを紐解いていくと、実は単語や文法よりも、書いてある内容が理解できないというケースが多いです。



日本語に訳された文章を読んでも内容がりあい出来ないという方は、読解力が不足しているかもしれません。
IELTSのリーディングでは、英語力も必要ですが、実は国語力も必要とします。
国語力を高める
IELTSで必要になる国語力とは、「正しい読解力」つまり、「客観的に正しい文章が読める能力」のことです。
文章を読み解く力を鍛えることで、時間と労力をかけずに問題が解けるようになります。
国語力を高める6つの対策
IELTSのリーディングで役立つ国語力を高めるに、普段からできる対策を5つ紹介します。
- 想像力を養う
- 日本の文学作品の本を読む
- 環境問題や、自然保護などの分野の論文を読む
- 短いニュースなどを読む
- アカデミックな長文を読む
1. 想像力を養う
まずは、想像力を養うことが大切です。想像力が高いと、わからない単語があっても文章の展開を想像できます。
想像力を養うためには、推理小説、特に英語から日本語に訳されたミステリー系を読むことがおすすめです。
ミステリーの中でも、シドニーシェルダン(Sidney Sheldon)のシリーズはおすすめです。
思わせぶりな言葉を使い想像力を掻き立て、さらにその想像を見事に裏切る手法で、想像力が刺激されます。
2. 日本の文学作品の本を読む
近代文学や純文学など、日本の文学作品の本を読むことも、読解力を養うことにつながります。
読書を勉強だと思い、負担に感じてしまわないよう、勉強の合間など、隙間時間を使って読む習慣をつけましょう。
純文学の中でも、村上春樹の作品はおすすめです。
抽象的な内容なものも多く、想像力を養い、ストーリーを理解しながら読むことの訓練になります。
3. 環境問題や、自然保護などの分野の論文を読む
アカデミックな内容や苦手な分野になると、途端に内容が頭に入りづらくなる方も少なくありません。
まずは、日本語で難しい文章を読むことに慣れ、理解力を養っていきましょう。



慣れるまでは時間をかけ、丁寧に読むことを心がけましょう。練習を重ねることで、何回も読み返さずに内容が理解できるようになります。
オンラインでニュース記事などを探すほか、学術記事は J-Stage などでも閲覧できます。
4. 短いニュースなどを読む
ある程度、難しい内容の文章が理解できるようになったら、英語の簡単なニュース記事などを読んでみましょう。
まずは興味のある分野から読み始め、慣れてきたら苦手な分野に移行していく方法がおすすめです。
JapanToday などは記事が短く、分野も幅広いのでおすすめです。
例)Entertainment, technology, Politics, Health など
5. アカデミックな長文を読む
英語で短い文章を読むことに慣れた後は、アカデミックな文体で書かれている長文にチャンレンジしましょう。
難易度としてはIELTSよりも少しわかりやすいレベルで、設問付きで演習することがおすすめです。



設問を解くことで、内容がどれくらい理解できているかを明確にすることができます。
まずは、英語長文読解問題集レベル5やハイパートレーニングレベル3などの教材から始めてみましょう。
ハイパートレーニングレベル4まで読めるようになれば、IELTSの教材にチャレンジできる段階です。
IELTSで必要な読解力を養うためには、自分のレベルを把握して、段階を踏んで能力を鍛えていくことが大切です。
英語力も重要
ここまで、長文読解には読解力が重要あると紹介してきましたが、基礎英語力ももちろん大切です。
語彙力、文法力に自信がない方は、読解力と併せてトレーニングしていくように心がけましょう。
語彙力の強化
IELTSリーディングを難しく感じる1番の原因として、単語力が不足していることが挙げられます。
単語力が足りなくて文章の内容が理解できない方は、語彙力の強化も行っていきましょう。
わからない単語、調べた単語は書き留めておき、発音、派生語・同義語を併せて覚えることがおすすめです。
言い換え表現に備える
IELTSでは、どのセクションでも言い換え表現が必ずと言っていいほど使用されます。
派生語や同義語を覚えておくことで、文章が素早く読めるだけでなく、解答を導きやすくなります。



設問と本文の言い換え表現を知らず(気づけず)、解答を間違ってしまった、という問題も解消できます。
Metal tools
Devices made of metals文法の強化(構文の理解)
文法の知識があると、主語はどこからどこまでか、どれが動詞かなど、文章を読む際に構文を素早く理解できます。
主語が長い文章や関係代名詞などで修飾されている文章は、構造が複雑なので、焦らず紐解いていきましょう
例題
Among the benefits are saving on energy costs, mitigating the risk of floods, making habitats for wildlife, tackling air pollution and even growing food.
※IELTSリーディングから抜粋
この文書では倒置が起こっていますが、並べ直すと次のような構造と同じです。
Saving on energy costs, mitigating the risk of floods, making habitats for wildlife, tackling air pollution and even growing food are among the benefits.
つまり、実際の主語は「Among the benefits」ではなく、「food」までの長い文章に当たります。
さらに、動詞は「are」で、補語が「among the benefits」になる、SVCの文型で構築された文章です。
エネルギーのコストの削減、洪水のリスクの緩和、野生動物の生息地の確保、空気汚染そして作物の栽培などがベネフィットの一例として含まれます
まとめ
IELTSのリーディングでは、自分のレベルにあった対策がとても大事です。
読解力が足りないと感じる方は、まずは日本語で文章を理解する力を養いましょう。
リーディングは、英語でも日本語でも、情報の蓄積が大切です。作者の言いたいことを意識しながら、話の展開を想像して読み進めましょう。
- 初めの段落で言いたいこと
- 次の段落にどのように繋がるか
- なぜこの例が挙げられているか
まずは日本語で理解できるかを確認し、必要な対策を重ねていきましょう。日本語で内容が理解できるようになったら、なぜ英語だとできないか、原因を明確にして、対策しましょう。
- 語彙力が足りない
- 文法理解が足りていない
- 文型が理解できていない
- 長い文章の解読ができない
この記事で紹介した対策を重ね、「なんとなく解ける」から「理解して解ける」を目指しましょう。
レベルに沿ったステップバイステップの読解演習が大事!