分詞構文のさまざまな用法
分詞構文とは、分詞が時や条件などの副詞節の働きをする構文のことです。
分詞とは、動詞が変化して形容詞・副詞の役割を持つもので、動詞に -ing がついたものを現在分詞、動詞に -ed がついたものを過去分詞と言います。ただし、動詞には、過去形・過去分詞になる時に不規則な変化をするものがありますので注意しましょう。
不規則変化の動詞の例】Stand – stood (過去形) -stood(過去分詞形)
それでは、早速分詞構文を使った英文を見てみましょう。
- Being a student, I have to get up early.
(学生なので、早起きしなければなりません。)
太字の部分が分詞構文が使われているところです。このように、分詞を含んだまとまりが when や because のような接続詞のまとまりと同じような働きをする文の形のことを指します。
日常生活でも分詞構文は使用できますが、やや文語的で固い表現です。では、分詞構文がどのような使われ方をするかご説明します。
分詞構文の仕組み
分詞構文では、分詞のまとまりと、メインとなる文(主文)の主語は同じです。つまり、先ほどの例文では、「学生である」のは「私」であるということです。
- Being a student, I have to get up early.
(私は学生なので、早起きしなければなりません。)
また、分詞のまとまりが受け身になる場合、「being」 や「 having been」が省略され、過去分詞で表される分詞構文となります。
- Written in easy English, the book is popular with children.
(簡単な英語で書かれているため、その本は子供たちに人気だ。)
ふつうに分詞構文が使われると、分詞のまとまりは、主文の時制と同じです。
分詞のまとまりが主文より過去のことを表す場合は、Having+過去分詞で表します。
- Having never seen him before, I didn’t recognize him.
(彼と以前に会ったことがなかったため、彼のことを分からなかった。)
分詞構文の用法
分詞構文は様々な意味を表す場合があります。分詞構文が表す意味は、分詞のまとまりと主節の内容から判断します。
① 時を表す場合
when, while, asで導かれる接続詞のように働きます。
- Speaking English, I often make grammatical mistakes.
(私は英語を話すと、よく文法のミスをします。) - Seen from above, the beach looks more beautiful.
(上から見ると、そのビーチはより美しく見える。)
② 原因・理由を表す場合
because, since, asで導かれる接続詞のように働きます。
- Being a student, I have to get up early.
(学生なので、早起きしなければなりません。) - Written in easy English, the book is popular with children.
(簡単な英語で書かれているため、その本は子供たちに人気だ。)
③ 条件・譲歩を表す場合
分詞構文が、条件や譲歩を表す例はあまり多くありませんが、前後の文脈からifのように「もし~すれば」、althoughのように譲歩「~だが」と読み取れる場合もあります。
- Going ahead for 200 meters, you will get to the bus stop.
(200メートルまっすぐ行けば、バス停に着くでしょう。) - Admitting you have a point, I still think I am right.
(あなたは的を得ているが、やはり私が正しいと思います。)
④ 付帯状況・結果を表す場合
それぞれの節をandで繋ぐことができます。付帯状況とは、動作が並行していることを表し、「~しながら」と訳します。
- The typhoon hit the island, causing great damage.
(台風がその島を襲い、大きな被害を引き起こした。) - They were watching a movie, talking loudly.
(彼らは大きな声で話しながら映画を見ていた。)
分詞構文に接続詞を加えた例
分詞構文が表す意味をはっきりさせるために、分詞の前に接続詞を置くことがあります。
- When speaking English, I often make grammatical mistakes.
(私は英語を話すと、よく文法のミスをします。) - While staying in Paris, I enjoyed French cuisine.
(パリにいる間、フランス料理を楽しみました。) - Once deprived of oxygen, the brain dies.
(酸素(の供給)が奪われると、脳は死んでしまう。)
独立分詞構文とは?
分詞構文では、分詞の導くまとまりと、主文の主語が一致していましたが、分詞のまとまりと主文の主語が一致しない場合も分詞を使って表現される場合があります。これを独立分詞構文と呼びます。主文と主語が異なるため、分詞のまとまりの中の主語は省略しません。
例えば、以下の文は独立分詞構文を用いた文です。
- My kid being a student, I have to get up early.
(私の子供は学生なので、私は早起きしなければなりません。)
独立分詞構文の表す意味は、分詞構文と同じです。文脈で判断しましょう。
- He talked on and on, the audience beginning to feel bored.
(彼は話し続け、聴衆は退屈し始めました。) - Her work done, Emma enjoyed dinner with her friends.
(仕事が終わった後、エマは友達とディナーを楽しみました。)
覚えておきたい!分詞を用いた慣用表現
分詞慣用表現 | 意味 |
generally speaking, | 一般的に言って、 |
frankly speaking, | 率直に言って、 |
strictly speaking, | 厳密に言うと、 |
speaking/talking of ~, | ~について言うと、 |
judging from ~, | ~から判断すると、 |
considering ~, | ~を考慮すると、 |
all things considered, | 全てを考慮に入れると、(色々考えると) |
granted (that) ~, | ~だとしても、 |
assuming (that) ~, | ~と仮定すると、 |
given (that) ~, | ~と仮定すると、 |
分詞構文と独立分詞構文 まとめ
- 分詞構文は、分詞(V~ing)から始まるまとまりで、接続詞が省略されており、時や理由、条件などさまざまな意味を表します。分詞構文が表す意味は、文脈から判断します。
- 独立分詞構文は、分詞のまとまりのある従属節と主節で主語が違う構文です。分詞のまとまりに主語を残します。
- 分詞構文・独立分詞構文は日常的な英文で無理に使う必要はありませんが、エッセイやレポートでは使えるとよりライティングな文体になります。
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