海外留学を目指す場合、IELTS、TOEFLどちらのスコアも英語能力の証明として受け付けている場合、どちらを受験すべきでしょうか?IELTS、TOEFLそれぞれ特徴があり、目指すスコアや受験者の得意・不得意によってどちらの受験をおすすめするかは変わってきます。
IELTS/TOEFLの詳しい概要は下記2つの記事で説明しています。
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試験の特徴や申し込み手続きの違い
IELTS | vs | TOEFL |
---|---|---|
イギリス・オーストラリア | アクセント | アメリカ(ナチュラルスピード) |
筆記/コンピューター R/Lでも筆記あり | 形式 | コンピューター R/Lは選択問題 |
なし | ダミー問題 | あり |
少ない | 試験開催 | 多い |
制限なし 受験期間を空ける必要なし | 受験回数 | 制限なし 受験期間を12日空ける必要あり |
25,380円 | 受験料 | テスト7日前まで:US$245(約26,900円) テスト4日前まで:US$285(約31,300円) |
初回:無料 2回目以降:6,300円/1回 | 申込内容の変更 | テスト4日前まで、US$60 |
申込締切日まで、6,300円 | キャンセル | テスト4日前まで、50%返金 |
ダミー問題とは、点数に関係のない問題のことです。TOEFLのリーディングとリスニングでは、問題数が多い場合ダミー問題が含まれています。ただし、どの問題がダミーかわからないため、すべての問題に集中して取り組む必要があります。
TOEFLの受験料は2021年2月に改訂され、$245となりました。2021年4月現在のレートで、約26,900円と、IELTSと受験料に大きな違いはありません。
IELTSの申込は残席があれば筆記試験の5日前まで可能です。IELTSの筆記試験とコンピューター試験の違いはこちら。コンピューターベースのテストは、日本では東京・大阪でのみ提供されています。
各技能ごとの違い
IELTSとTOEFLの科目ごとの違いを説明します。それぞれの違いを比較して、どちらの方が自分の「英語の得意」に合っているか参考にしてみてください。
リーディング
アカデミックの場合、IELTSのリーディングは2ページ分の長文が3つ、それぞれ13-14問ずつ、合計40問を60分で解きます。英単語で空欄を埋める問題があります。
TOEFLのリーディングの試験時間は問題数によって54~72分と幅があります。ダミー問題が含まれている可能性があります。IELTSよりアカデミックな専門用語が使われている場合が多いものの、アカTOEFLのリーディングの方が文章がやや短く、答えがどの段落にあるのか示してくれる問題が多いため、点数を取りやすいと言えるでしょう。
リスニング
IELTSのリスニングは、試験時間(音声が流れる時間)は30分で、問題数は40問です。筆記試験の場合は解答を書き写す時間を10分間、音声が流れ終わった後に与えられます。IELTSは筆記・コンピューター試験に関わらず、英単語で空欄を埋める問題があり、スペルに気を付ける必要があります。音声の速度は、問題によりますが、ナチュラルスピードよりも遅い場合がほとんどです。
TOEFLのリスニングは、問題数により試験時間が変わります(41~57分)。ダミー問題が含まれている可能性もあります。ナチュラルスピードの会話文や長いレクチャーを聞いた後に問題に答えます。すべて選択・分類問題ですが、問題を先に見ることができないため、リスニングの内容を詳細に、正しくメモを取る力が必要です。また、リスニングの前に短めのリーディングが含まれる問題もあり、速読力も試されます。
ライティング
IELTSもTOEFLも2つの課題が出されます。
アカデミックの場合、IELTSは図表の分析を行うタスク1で150語以上、最近の社会問題などがテーマのエッセイをタスク2で250語以上のライティングが求められます。試験時間は2つのタスク合計で60分。タスクごとの時間配分は受験者の自由です。ライティング能力のみが問われます。
TOEFLのライティングの大きな特徴は、トピックに関連する文章を読み、その内容に関するレクチャーを聞いてライティングを行うIntegrated Task (統合問題)が1問出題されることです。つまり、ライティングの試験ですが、速読力とリスニング力も問われます。もう1問は単純にライティング能力が問われるIndependent Task (エッセイ)ですが、高得点を取るには400語以上書く必要があると言われています。試験時間は50分で、Integrated Task、Independent Taskそれぞれ解答時間の配分が明確に決まっています。
IELTSのライティングで7.0以上の高得点を取ることは非常に難しいと言われています。TOEFLは少ない時間で多くの語数を書く必要があること・リーディングとリスニング力が必要となりますが、進学先の要件としてIELTSのライティングで7.0以上を求められている場合は、TOEFLを選択した方が早く目標を達成できるかもしれません。ライティングを基準にどちらを受験するかの判断はご自身では難しいため、専門講師に聞くことをおすすめします。
スピーキング
どの形式で受験したとしても、IELTSのスピーキングは面接官と直接対話する形式です(約14分)
TOEFLのスピーキングは、コンピューターに向かってスピーチを行います(17分)
IELTSの場合は、試験官とコミュニケーションをとることができるので、例えば質問の意味が分からない時や、理解できているか不安な時は聞き返すことができます。一方TOEFLは質問をすることはできず、解答時間も厳密に決められて自分のスピーチを録音されるため、いかに自分の回答を時間内に収めるかが重要となります。
IELTS vs TOEFL どっちを選ぶべき?
IELTSとTOEFLの一番の形式の違いはライティングとスピーキングです。
ライティングは手書き(IELTS ペーパーベースの場合)かタイピングか、スピーキングは面接官と直接話すか一人でコンピューターにスピーチするかの違いです。つまり、タイピングが苦手な方や、面接官と直接の方が話しやすい方はIELTSをおすすめします。
TOEFLはライティング・スピーキングでもIntegrated Taskと呼ばれるリーディング・リスニングとの統合問題が出題されるため、中級以上のリーディング・リスニング力が問われます。一方、IELTSはライティングで高得点を取ることが難しいものの、試験対策をして、形式に慣れれば留学で必要な点数は取りやすいと言えるでしょう。
IELTSかTOEFLか、どっちを受けるべきか迷っている場合、プロに相談するのも手です。当校はIELTS/TOEFLに精通した講師がカウンセリングを行い、最適なアドバイスを行います。