IELTSスピーキング練習方法を一挙公開!

IELTSスピーキングは試験官との一対一の面接形式で行われます。実際のテストではあがってしまったり、なかなか実力を出せなかったするため、練習を日頃からしっかりと行い、当日の試験では実力を出せるように整えることが肝心です。

でも「スピーキングでスコアアップするための日頃の練習って何をしたらいいのか?」が分からない方も多いですし、なかなか自分で取り組めない方もをいます。そこでどんなスピーキングの練習をすればスピーキング力が向上するのかをご説明いたします。

それではまず、スピーキングの採点基準を認識しましょう。

IELTSスピーキングの採点基準を把握する

まずはスピーキングテストの採点基準を理解することは非常に大切なステップです。スピーキングの対策を始める前に、「採点基準」を把握しておくことでスコアアップには何が必要なのかを理解して対策を講じることができるからです。また、採点基準を確認することで自分に足りないものが見えてきたりします。

【IELTSスピーキングの4つの採点基準】

流暢さと一貫性
の広さ

逆に採点に関係ないのは以下の点です。

話す内容について(自分の意見に対する論理的な説明は必要ですが…)
専門的知識

話す内容は関係ないですが、時事問題に詳しかったりすると採点官の質問への理解力が増したり、何を引き出したいのかの意図が読み取れたりするのでプラスです。プラスにはなってもマイナスにはならない時事問題なので社会問題、騒がれているニュース、今のトレンドなどにはアンテナを張っておきましょう。

ちなみに4つの採点基準の項目は、各25%ずつ配分されています。

以下が詳しい【スピーキング6.0の評価基準】です。具体的に記載されているの分かりやすいでしょう。

流暢さと一貫性語彙力文法発音
定義– is willing to speak at length, though may lose coherence at times due to occasional repetition, self-correction or hesitation

– uses a range of connectives and discourse markers but not always appropriately
– has a wide enough vocabulary to discuss topics at length and make meaning clear in spite of inappropriacies

– generally paraphrases successfully
– uses a mix of simple and complex structures, but with limited flexibility

– may make frequent mistakes with complex structures, though these rarely cause comprehension problems
– shows some effective use of features but this is not sustained

– can generally be understood throughout, though mispronunciation of individual words or sounds reduces clarity at times
日本語訳一定の長さを持って話すことができるが、繰返しや自己訂正、躊躇によって一貫性が無いことが時々ある

いろいろな種類の接続詞や挿入句、副詞を使っているが必ずしも正しく使用しているわけではない。
一定の長さで話することができる、ある程度の語彙力は持っており、その意味を理解しているが、使い方を間違うことがある。

ほとんどの場合、言い換え表現を正しく使うことができる。
基本的な文法および多少複雑な文法を使うことができるが、応用性に欠け、使い方が限られている。

複雑な文章で頻繁に間違うことがあるが、だいたいの意味を正しく伝えることができる。
正しく効果的に発音やアクセントを加えることができる時もある。

全体的に言いたいことが伝えられているが、たまに間違った発音によりクリアでないことがある。
IELTS Speaking Assessment Criteria band 6.0

確認してみると「なるほど」と思うことも必ずあるはず。4つの採点基準に沿った練習法を取り入れましょう。

4つの採点基準に従ったスピーキングの練習法

上記の採点基準をもとに4つの項目の技能向上を図るには以下の7つの練習法を行っていきましょう。

流暢さを鍛えるための瞬間英作を取り入れる
流暢さを鍛えるための音読練習を取り入れる
繰り返しを防ぐために表現力と語彙力を増やす
 ┗言い換え表現を覚える【派生語と同義語】
 ┗単語や表現を覚える時には正しい発音を必ずチェックする
接続詞と副詞が適切に使用できるように練習する
フィラー(conversation fillers) を覚えて使えるようにする
複雑な文法の文章をアウトプットできるように練習する
英語を常に聞く

以下で詳しく説明します。

練習法①:流暢さを鍛えるための瞬間英作を取り入れる

【瞬間英作文の演習とは…】
瞬間英作文は英語のスピーキング力を向上させるために作られた教材のことをいい、日本語の文章を見て瞬時に英語の文章に変換できることを目的とした勉強法です。

瞬間英作を繰り返し練習することで、文の正しい構成と表現の仕方を覚えることができます。また瞬発力もつけることができるのでスピーキングの流暢さを向上することも可能です。最初は、瞬間的に日本語を英語に変換する練習は難しく感じるので易しい日本語からステップアップしていくことを心がけてください。日々の練習で鍛えていくことができるので毎日少しづつでも英語をアウトプットすることを心がけてください。

書かれている日本語文を英語で口にする、または日本語で読まれた音声を英語でアウトプットすることができます。まずは書かれている日本語を英語にアウトプットすることの方が易しいので、そこから始めるのがよいでしょう。
市販の瞬間英作文の練習課題はたくさん売られていますのでどれを使っても構いませんが、大事なことは自分のレベルにあったものかどうかです。レベルが高すぎるものを選ぶと効果的ではありません。慣れないと意外と難しいので簡単な教材から始めて流暢性を磨いていきましょう。

瞬間英作文練習の練習は下記から

練習法②:流暢さを鍛えるための音読練習を取り入れる

音読とは英語のスクリプトをみて、耳で音声を聞きながら、英文を音声通りに繰り返す練習のことを言います。瞬間英作と似ている所もありますが、ここでは正しい発音とイントネーションに焦点が当たります。瞬間英作と同様に英語の表現やチャンクを覚えることにももちろんつながります。

音読は「なりきり」が一番効果的です。ニュースなどのポッドキャストを使用するのも良いでしょう。 物語りのナレーターになったつもりで、もしくはニュース記事を読むアナウンサーになったつもりで英語を音読してみましょう。

音読にあたり、スクリプトがあると便利です。意味を理解していないと音読をしても無駄だからです。単語の意味はあらかじめ確認しておきましょう。

練習問題です。下記の音声を一文一文区切って音声を真似して音読してみましょう。

【音声スクリプト】

Today, I’ve got a story about a boy who loves adventure. His life is sometimes fun, sometimes sad, but always exciting. And the boy’s name is Huckleberry Finn. So, Huckleberry, let’s call him Huck, has come into a bit of money. His sister and a lady called Miss Watson, are all trying to get him to improve his behaviour and his manners.


音読の練習を重ねることで正しいイントネーションとリズムをつかむことにつながり、流暢さが格段と上がります。

音読については下記の別ページでもご説明しています

練習法③:繰り返しを防ぐため表現力と語彙力を増やす

語彙力は採点項目にもあるように大事なポイントになります。語彙力が乏しいとどうしても同じ表現や単語ばかりを使ってしまいがち。6.0の添削基準にもあるように「ある一定の語彙力を持っていること」、「言い換え表現を正しく使用できること」がポイントになります。

単語は誰でも一機に覚えることはできません。地道に一日10個ずつ、などと決めて取り組むのが一番です。そして自分の単語帳を作るのが最善の対策です。知らない単語や表現は必ず書き留めておく、そして自分の覚えやすい例文を書き留めておきましょう。

単語を覚える時に3つの注意点は以下の通りです。

①発音を確認する
②同義語や派生語も覚える 
③例文を書きだす(覚えやすいものが効果的)

一回見ただけでは単語は覚えきれないので、何度もその単語や表現に戻って記憶に定着させることが大事です。
しっかりと覚えたかどうかを確認するには、スーとその単語が使えるかどうかを試してみてください。

単語や表現のバリエーションは2,3個持っていることが望ましいです。実際のスピーキングで探していた言葉がとっさに思い浮かばなくても、同義語をすぐに思い浮かぶことができるので大変重宝します。

例えば、adventurous (冒険心のある)という形容詞を忘れた場合でも、同義語 courageous を思い浮かぶことができれば ➤ “I admire that he is, well, courageous” もしくは、”I admire his brave nature” などで言い換えることができます。

特にIELTSのスピーキングでは頻出のテーマが決まっているのでそのテーマについてよく使われる単語や表現、その同義語と派生語をピックアップしておきましょう。

  • 家族・親戚・友人 
  • 仕事や勉強
  • 趣味
  • 旅行
  • 環境問題
  • テクノロジー

テクノロジーの単語帳の例
blue light・smartphone addiction ・interface・ platform・ Internet of thing・ cyber crime・browse・SNS・gadget・electrical devices ・vertual reality ・digital ・influencer・screen time ・streamline

勉強法④:接続詞と副詞が適切に使用できるように練習する

ここの項目は流暢さと一貫性にかかわってきます。まず接続詞(接続副詞)、もしくはディスコ―スマーカー(discourse markers)とも言われますが、このような接続詞をうまく利用して文章を組み立てると相手に理解してもらいやすいと言えます。例えば下記のように順序だてて説明することができます。←この項目はIELTSのライティングでも大事!

To start with, I really like studying English. Firstly, it is interesting, secondly it is challenging, thirdly I meet new people andlastly

上記の例で、逆に接続詞を抜いてみましょう。話が分かりづらくなることは一目瞭然ですね。
では、下記の例はどうでしょうか。副詞、もしくは接続副詞を適切に使用して不確かなことや、残念な感情を表しています。

The food I ate last night probably gave me food poisoning, so, unfortunately, I’ve been up all night.

このように接続詞や副詞をうまく使うことで流暢さとコミュケーション力がグーンと向上します。

勉強法⑤:フィラー(conversation fillers) を覚えて使えるようにする

フィラーとは何でしょうか。一般的にConversation fillers「つなぎ語」と言われます。日本語で言うところの「あー」や「えーっと」などの言い淀みのことですが、「満たすもの」、「詰めるもの」という意味から会話の間をつなぐための便利な表現として取り入れることができます。

ネイティブでも普段の会話にたくさんのフィラーを使用しています。フィラーを使うことで沈黙を避けることができますし、自然な会話に近づけることができます。

フィラーの例
Uh / Ummm


Well..

Actually,
it




フィラーも普段から使えるように練習をしておかないと、いざっという時に出てこない!使えない!ということになってしまいます。言葉に詰まった時にいつも使うと心に留めて積極的に使えるように練習を重ねましょう。


勉強法⑥:複雑な文法の文章をアウトプットできるように練習する

文法の項目は、文法の正しさだけでなく文法の複雑さも問われます。つまり、文法のミスなくコミュニケーションが取れるだけでなく、文法的に複雑な構造をした文章を組み立てることができるかということも採点基準になります。

もちろん本番では流暢さを犠牲してまで文法の複雑さに気を付ける必要はないですが、練習の段階ではドシドシ チャレンジしましょう。トライすることで鍛えることができるのがスピーキングです。

最初は自分で複雑な文章をつくる練習は難しいと思います。まずは文章として書いて音読することから始めても構いません。簡単な従属節(副詞節)を伴う文章から始めると良いでしょう。”and”でつなぐ文章 (重文と言う) よりも複雑な構造 (複文と言う) として評価されます。

While my friend loves going to the library to study, I like studying at home.
Although my friend is very outgoing, I am very shy.
When I was in high school, I studied very hard to pass the exam.

複文がうまくアウトプットできるようになったら、関係代名詞や分詞を使った長い文をつなげたり、重複文という文章を取り入れます。重複文は上記で話した複文 (while や whenなどを使った文) と重文 (and, but, because などでつなかった文)を組み合わせることです。例えば


Although my mother likes dogs, I prefer cats because I do not want to walk the dog every day.

関係代名詞を使った文などは

・ My friend who has just came back from Europe, told me about food (that) she ate during the trip.
(ヨーロッパから帰ってきたばかりの友人は旅行の間に食べたものについて私に話してくれた。)

複雑な文法構造の文章を自然にアウトプットできるようになるにはまず、耳からも聞き慣れるということが大事!6つ目の項目にもあるように聞くことで習得が速くなります。「聞く→練習する→聞く→練習する」の継続的な繰り返しが必要です。

時間はある程度かかりますが、練習と訓練を積み重ねることで複雑な文章も自然と組み立てられるようになります。

勉強法⑦:英語を常に聞く

先ほどもお話いたしましたが、英語を耳で聞くことは非常に大事なことです。「何を言っているか分からないからやっても無駄」と思うのであれば、その教材や音声のスピードが自分のレベルにあっていないのが原因です。

幼児を思い浮かべてください。まだ話すことができない子供は耳で聞いたことから言語を学びます。基本、学びのシステムは同じ経路をたどります。聞くことは五感の中でもとてもパワフルな部分です。予想以上に効果を発揮します。毎日の小さなステップですが、最初は分からなかったことが徐々に聞き取れるようになり、早いスピードのリスニングにもついていくことができるようになるからです。

カナダにいる学習者と日本にいる学習者の違いはここにあると思います。カナダや英国圏にいる学習者は英語が自然に耳に入ってきます。自分から努力をしなくても英語環境の中で暮らしていることで英語が毎日聞けるのです。

しかし今や、留学をしなくてもインターネットを介して英語に触れる機会は多くあります。Youtubeをみたり、英語のSNSのサイトをチェックしたりと無限にあると言っていいでしょう。その機会を利用して一日30分でもいいので「英語を聞く」時間を作りましょう。

英語を聞くことで複雑な文章を聞き慣れることもでき、耳に残りやすい決まったフレーズなどは簡単に覚えることができて聞くことの大切さが実感できるでしょう。

スピーキング練習でつまづいたら…

最後にスピーキング練習をやると決めても、なかなか自分では取り組めない学習者は多いはず。いつもリーディングやリスニングの方をやってしまって(やった感が強いからだと思います)スピーキングはさばってばかり。もしくはオンライン英会話をやっているので満足している方も多いでしょう。

オンライン英会話も取り組み方によっては効率よく学ぶことができます。自分のレベルを把握することから始まります。特に初心者の方は言っていること理解してくれるバイリンガルの講師からのレッスンを受講するのが一番良い方法です。勉強の仕方についての指導やモチベーションの維持、勉強の習慣化の面でも実りが多いことでしょう。

IELTSスピーキングテストの本番では!?

練習を積み重ねてきた方でも、あまり勉強ができなかった方や全くできなかった方でも、スピーキングの試験本番では文法や文法の複雑さなどは気にせず、まずは流暢さにフォーカスしましょう。

沈黙が一番点数が取れない要因となるため、とにかく思いついたことを英語にしてみましょう。ただここで「あせり」は禁物です。本番で大事なことを3つ挙げます。この3つに注意して本番のテストに臨みましょう。

✅試験官の質問を理解する → ある程度の的を得た回答に導くため
✅「答え+α」の情報を伝える → 会話を広げるように努力する

スピーキングのテンプレートを活用しよう。
  ①質問に対する自分の意見
  ②その理由
  ③その具体例


✅沈黙をなくすためのフィラーを利用する

この3つの点に注意して試験に臨めばボロボロになることはありません。

IELTSスピーキング練習方法 まとめ

IELTSのスピーキングを効果的に練習するには、まずは採点基準をしっかりと把握して求められていることがちゃんとできるように練習することです。

①流暢さを鍛えるための瞬間英作を取り入れる
②流暢さを鍛えるための音読練習を取り入れる
③繰り返しを防ぐため表現力と語彙力を増やす
 ┗言い換え表現を覚える【派生語と同義語】
 ┗単語や表現を覚える時には正しい発音を必ずチェックする
④接続詞と副詞が適切に使用できるように練習する
⑤フィラー(conversation fillers) を覚えて使えるようにしておく
⑥複雑な文法の文章をアウトプットできるように練習する
⑦英語を常に聞く

上記の練習を日々重ねていきましょう。それでも「スピーキングが上達していない」、「やり方があってるか分からない」、「自分で練習できない」、「スピーキングに不安を感じる」学習者はプロに頼ることも選択肢に入れましょう。時間は無制限にあるわけでないので、無駄を省き効率よく上達できることにつながるはずです。

プロの力を借りたくなったら

Metropolitan Academy of English

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!