この記事では、リーディングで目標スコアが5.5の方、6.0の方、それ以上の方についての戦略についてお話します。それぞれ違った対策を取る必要があります。
IELTリーディング 目標スコアが4.5~5.5の場合
IELTSリーディングは長文パッセージが3つあります。全40問を60分で終わらせます。とするとざっくり1パッセージあたり20分の計算です。4.5を目指す場合は13問から14問の正答率が必要です。5.5の場合は19問以上です。下記の換算表を参考にしてください。
スコア | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5 | 4.5 | 4 | 3.5 | 3 | 2.5 |
正解数 | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 33-34 | 30-32 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 13-14 | 10-12 | 8-9 | 6-7 | 4-5 |
3つあるパッセージの中で、パッセージ1が一番易しいと言われています。パッセージ毎に設問は12から13問あります。まず、5.5以下を目標としている方は、この易しめのパッセージ1で正解率を稼ぐ必要があります。ここで10問正解すると、すでにスコアは4.0です。そのため、パッセージ1に時間をある程度かけることをお勧めします。そして確実に解いていきましょう。本文を先に読んで問題に取り組みましょう。残りのパッセージで9問から10問の正解率が必要ですが、こちらは本文を飛ばし読みします。飛ばし読みとは、段落最初の文章(トピックセンテンス)は必ず読み、必要ならば、2文目も読み、段落の最後の部分も読んで段落の発展を推測しましょう。そして全体的な段落の内容をおおよそ把握します。
このように飛ばし読みをして、問題を解いていきますが、確実に解けると確信のある問題は拾う問題です。逆に問題文の内容を本文中で探すのに時間がかかる問題は飛ばします。
拾う問題 ➡ 確実に答えられるもの
捨てる問題 ➡ 時間ばかりかかってしまう / 全く見当がつかない
4.5-5.5を取るための戦略
このように捨てる問題と拾う問題に分けて、パッセージ1の12から13問を全問正解するぐらいの思いで取り組みましょう。そして、パッセージ2と3はタイトルを読んで、自分が取り組みやすい課題を選び、飛ばし読みをして、捨てる問題と拾う問題に分けてタイムマネージメントしましょう。
最後まで解けなくても、空欄のまま提出しないようにしましょう。まぐれであたる可能性を捨ててはいけません。
また、穴埋め問題に強くなりましょう。穴埋め問題はたくさんのヒントが隠されていて、本文のどこにその内容が記載されているか分かりやすくなっています。タイトル、キーワードや固有名詞、年代を頼りに本文の箇所を探しましょう。そして同じ言葉や表現が使われている文を特定して、前後関係や意味から適切な単語を抜き出しましょう。また、ヘッディング問題(段落マッチング問題)は得意、不得意が分かれる所です。True/ False/ Not givenも同様に得意、不得意が分かれますので、自分の得意を伸ばし、不得意は捨てる問題にしましょう。
このように「パッセージ1集中、穴埋めはしっかり解く、また他の得意な問題を作り、不得意な問題は捨てる」
この戦略があれば5.5の道は険しくはありません。
IELTSリーディング 目標スコアが6.0以上の場合
IELTS アカデミックのリーディングは時間との戦いとなります。
6.0以上を目指す場合は、40問中の23問以上あってる必要があります。パッセージ1と2合計して26問程度ありますので2つのパッセージ全問正解すれば6.0はとれます。2つのパッセージに集中してやる形をとるか、3つとも分散させるかは6.0を取りたいか、それとも6.5以上を取りたいかによって分かれるところです。どちらにせよ、6.0もしくはそれ以上のスコアと目指す方は、最初に本文をざっと読み(スキミングする)段落ごとの内容をある程度把握する必要があり、全体のパッセージの展開を理解することが重要です。タイトルとサブタイトルは必ず読みましょう。全体像を把握するのに役立ちます。
<IELTS ケンブリッジ問題集からの抜粋>
The return of the huarango
The arid valleys of southern Peru are welcoming the return of a native plant
The south coast of Peru is a narrow, 2,000-kilometre-long strip of desert squeezed between the Andes and the Pacific Ocean. It is also one of the most fragile ecosystems on Earth. It hardly ever rains there, and the only year-round source of water is located tens of metres below the surface. This is why the huarango tree is so suited to life there: it has the longest roots of any tree in the world. They stretch down 50-80 metres and, as well as sucking up water for the tree, they bring it into the higher subsoil, creating a water source for other plant life.
6.0以上を取るための戦略
最初に本文全体に目を通す(スキミングのテクニック)場合は、8分以内に抑えましょう。
読解練習をする時には、スキミングのテックニックは普段から意識して行う必要があります。スキミングとスキャニングの技術についての詳細は以下を参考にしてください。
その後、問題を1から読み、問題に関係がある内容が書いてある段落を素早く見つけて、その段落をじっくり読んで解答します。
いかに早く、適切な段落を探せるかが、解答にかかる時間を短縮させる大きなポイントとなります。
段落の内容をしっかりとメモするなど、どこに何が書いてあるか把握できるように読むことが大事です。
例えば、この段落では、HUARANGO TREEの生態系と木の特徴について書かれています。
IELTSのリーディングでは、問題用紙にメモすることが可能なので、段落の横にメモ書きをしておいたり、キーワードになる「HUARANGO TREE」に印をつけておくなど、内容を忘れない工夫が効果的です。コンピューターテストでもメモを残したり、キーワードをハイライトしたりすることができます。右クリックで選択できます。
6.0を目指して、2つのパッセージに集中してやる場合は、まず一番易しいパッセージ1をなるべく早く終わらせて、でも正答率を高める必要があります。パッセージ1は18分で終わらせるようにしましょう。そしてパッセージ2か3のどちらかは自分の読めそうな分野の課題を選びましょう。そしてそちらに25分ほど使用しましょう。そして苦手そうなパッセージには17分ほど残っているので、飛ばし読みをして、穴埋めは先に答え、他の答えられそうな問題を選んで答えていきましょう。
6.5以上を目指す場合は、すべてのパッセージで正答率を高めることになりますので、パッセージ1には18分以下でパッセージ2か3は19分で、一番難しいと思われるパッセージに23分を使用しましょう。いかに早く解答を導けるかが大事なポイントとなります。本文をざっと読むときには、どこに何が書いてあるかということに集中しましょう。問題文の箇所を本文から素早く見つけることができるかは、言い換えられている箇所が把握できるか、ということですので言い換え表現には常にアンテナを張りましょう。言い換えパターンの把握や時間内に読み終えるための戦略は下記のブログを参照してください。
また、以下のリーディングにおける注意点はしっかりと押さえておきましょう。これは目標スコアにかかわらず大事なポイントです。
IELTS リーディングにおける注意点
- 書き込む時の注意点:スペルミスや複数形、単数形に注意
- 抜き出し問題は語数制限があるので注意
「NO MORE THAN TWO WORDS」という語数制限・・・最大2単語まで
「ONE WORD AND/OR A NUMBER」という語数制限・・・「1単語+数字1つ」または「1単語のみ」あるいは「数字1つのみ」という合計3つの選択肢 - 名前が2個以上出てきた場合は名前に印をつけておく
- 言い換えパターンを見抜く
まとめ
IELTSリーディングで5.5を目指している方は、パッセージ1に時間をかけて正答率を高める
IELTSリーディングで6.0を目指している方は、パッセージ1で(時間をあまりかけずに)正答率を上げつつ、パッセージ2か3の読みやすい方を選び、そちらに集中して解く(残りのパッセージは確実に解けるものに時間をかける)
どちらにも言えることは拾う問題と捨てる問題をしっかりと区別しましょう。
IELTSのリーディングで6.0以上を目指す人は、どのパッセージも捨てるわけにはいかないので、時間の配分を守って言い換えパターンを見抜きましょう。
目標スコア別戦略で倍速でスコア達成