IELTSとは、TOEICや英検など同様に英語運用能力を判定する試験の一種です。
ブリティッシュ・カウンシル(英検)、ケンブリッジ大学英語検定機構、IDP Educationが共同運営しています。
世界的に知名度の高いテストで、英語圏への進学には必須のテストです。最近では日本の大学入試にも活用することができるようになりました。
試験は4つの技能から構成されており、試験会場に出向き、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのテストを受験します。試験時間は約3時間ほどです。※IELTSは自宅からできるオンライン版のテストもあります。
IELTSアカデミック VS ジェネラル モジュール
IELTSテストには2種類あり、アカデミックモジュールとジェネラルモジュールに分けられます。
受験者の目的によってどちらのモジュールを受験すべきかを決定します。
目的の違いは以下の通りです。
IELTSアカデミックは留学や進学に必要なテストです。
IELTSジェネラルは、海外移住・永住権申請、もしくは就職活動等に役立てる場合に必要なテストです。
多くの方々は進学や海外留学のためにIELTSのアカデミックを受験します。
どちらのモジュールもコンピュータ版とペーパー版がある
試験の内容、採点基準、試験時間は、紙と鉛筆で受験するIELTSと全く同じです。しかしコンピューター版の方が成績証明証の発行が断然に早いです。早い時は1日で結果が分かる時もあります。ペーパー版の場合は2週間必要です。
コンピューター版とは言えど、スピーキング・テストは、試験官との1対1の対面形式で行われます。最近ではビデオコーリングシステムと言い、コンピューター画面を介しての一対一の面接も試験官不足を補うために取り入れられています。
アカデミックとジェネラルの試験内容
試験内容は、アカデミックもジェネラルも同一です。いずれもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングで構成されていて、試験時間も約3時間ほどです。
※IELTS for UKVI(英国ビザ申請用IELTS)とは英国ビザ申請用のために英語能力を証明するものです。IELTS for UKVIにも2つ種類があります。
- IELTS for UKVI Academic・・・IELTSのアカデミックモジュールと内容は変わりません。
- IELTS for UKVI General・・・IELTSのジェネラルモジュールと内容は変わりません。
IELTS for UKVIについてのページは下記から
IELTSテストスコアの付け方
IELTSアカデミックもジェネラルも共通して、テスト結果は合格、不合格という評価ではなく、9を満点とするバンドスコアで換算され、1から0.5刻みで評価されます。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各セクションのバンドスコアとその平均値で示されるオーバーオールバンドスコアが出されます。
【スコア例】
L:6.0
R:5.5
W:5.5
S:6.0
この場合は4つのセクションを足して4で割って総合バンドスコアを算出します。6.0+5.5+5.5+6.0=23÷4=5.75
5.75の場合は6.0に繰り上げされます。しかし、仮に5.70の場合は5.5に繰り下げされます。
教育機関によっては、各セクションごとの最低バンドスコアを設定していることもあります。カレッジや専門学校入学にはだいたい 5.5 から6.0の総合バンドスコアが必要で、大学や大学院では、だいたい 6.5から7.0以上のスコアが必要です。
IELTS アカデミックとジェネラル共通項目
IELTSアカデミックとジェネラルの共通項目は先述のようにリスニングとスピーキングです。
リスニングは約40分程度で音声を聞きながら、40問の設問に答えます。
スピーキングは試験官との一対一の面接形式で行われて、パート1,2、3で構成される約14分程のテストです。
その他、1~9まで0.5刻みのバンドスコア,受験料、申し込み方法などに違いはありません。
試験日程や頻度ですがペーパー版の場合はアカデミックの方が頻度が高く行われています。コンピューターの場合はアカデミックもジェネラルも同様の頻度で行われています。
では、アカデミックとジェネラルの違いについて各モジュール別にご説明します。
IELTS アカデミックについて
IELTSアカデミックモジュールは、カナダやイギリスなどの英語圏のカレッジ、大学や大学院への留学を目的としている方が必要となります。
各大学の必要な英語のレベルに達しているか評価する際に用いられるテストです。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学では、IELTSアカデミックのスコアの提出が求められます。条件はさまざまですが、大学入試にはだいたい6.0-6.5のスコアが必要です。
ほとんどの大学はTOEFLのスコアも認めており、どちらのスコアを提出するかは受験者が選ぶことができます。
IELTSアカデミック モジュールの構成と流れ
IELTSの試験の流れはコンピュータテストとペーパーテストで異なりますのでご注意ください。
下記はペーパーテストの順番ですが、コンピュータテストの場合は、
リスニング ➡ リーディング ➡ ライティング ➡ スピーキング(同日)で行われます。
- 試験の流れ (アカデミック・ジェネラルモジュール共通)
日本で行われるIELTSペーパー版
試験の説明、解答用紙に名前などを記入
✔ ライティング 60分
✔ リーディング 60分
✔ リスニング 約45分
スピーキングは別日に行われることもあります
✔ スピーキング 14分
IELTSアカデミックのテスト内容
先述のようにIELTSは4技能のテストです。テスト所要時間は、約3時間強。アカデミックのライティングとリーディングは、ジェネラルと比べると難易度が高いです。スピーキングとリスニングはジェネラルと共通しています。
IELTSアカデミックリーディング
学術的な内容のリーディングのパッセージが3つ出題されます。設問数は40問で制限時間は60分です。ある程度の読解力と語彙力を必要とします。英語のニュース記事が読めるくらいのレベルであれば、無理なくパッセージを読み進めることができるでしょう。
リーディングはジェネラルと大きく違う所です。スコア換算にも違いが出ます。以下がアカデミックリーディングのスコア換算です。
【アカデミックリーディングのスコア換算表】
Band スコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
Score (素点) | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 33-34 | 30-32 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 13-14 | 10-12 | 8-9 |
IELTSリスニング
IELTSリスニングはジェネラルと共通です。パート1から4で構成されており、各セクションに10問ずつ合計40問のテストです。聞きながら答える形式ですのでメモを取る必要はありませんが、聞きながら設問を読んで理解する必要があるのでマルチタスクが必要です。パートが進むごとに難易度が増します。
●パート1が日常的な会話で一番難易度が低く設定されています。穴埋め問題がほとんどです。
●パート2はモノローグ、選択問題。パート1よりは難易度が増しますが、日常的な内容で広告や案内などのトークなど。
●パート3は難易度が高くなります。アカデミックな内容の研究や講義についての内容です。
●パート4は大学の講義の内容のモノローグ。穴埋め問題がほとんどです。
リスニングはジェネラルと共通します。スコア換算は以下の通りです。
【リスニングのスコア換算表】
Band スコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
Score (素点) | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 32-34 | 30-31 | 26-29 | 23-25 | 18-22 | 16-17 | 13-15 | 11-12 | 8-10 |
IELTSライティング
ライティングはパート1とパート2からなります。
タスク1は、図表の説明、プロセスマップ、地図問題の3つの形式があります。それぞれ150文字以上、約20分で書くことが求められます。
タスク2は、アカデミックエッセイの課題で250文字以上、40分の時間制限です。
IELTSスピーキング
IELTSのスピーキングはジェネラルと共通です。パート1から3まであり、日常的な会話からトピックに関するスピーチ、社会的な問題のディスカッションに至るまでトピックは多岐にわたります。
IELTS ジェネラルについて
IEIELTSジェネラルトレーニング・モジュールは、英語圏への移住や移民を希望している人が、ビザを申請する際に英語力を証明するためのテストです。
移民するためには、他の条件(大学卒、職種、年齢等)との関係で、ある一定のスコアを取ることが求められます。ジェネラルの内容は日常生活や職場でのやり取りの課題が多く、移住してからの生活に必要なスキルを問われます。
具体的な目的はない方でも英語力を試す為に受験をする場合、日常で使う英語がでてくうので役に立ちます。ジェネラルでは、バンドスコアは6.0ぐらいを目指し、6.0以上のスコアが取れれば履歴書にも書いてアピールしましょう。
IELTSのジェネラルモジュールの構成と流れはアカデミックと同一です。
IELTS ジェネラルのテスト内容
テスト科目と所要時間は、アカデミックと同様に約3時間弱です。
ライティングとリーディングの問題については、アカデミックと内容が異なり、難易度が低く設定されています。
ライティングはタスク1とタスク2があり、合計60分のテストです。アカデミックとの違いはタスク1のみ。タスク2のエッセイは基本アカデミックと同じです。
ジェネラルのタスク1では、会社などに依頼・苦情・お礼・お詫びなどの内容のフォーマルレターと、友人や家族などに宛てて書くインフォーマルレターを書くことが要求されます。
どちらのレター形式が出題されるかは事前に分からないようになっています。タスク2は250文字のエッセイを書きます。こちら2つのタスクを60分内に終わらせます。
タスク1が約20分でタスク2が約40分で終わらせるように指示されますが、どちらに多くの時間を費やすかは任意で決めることができます。
タスク2の方が点数の比重が大きいと言われていますのでタスク2に時間を費やすようにしましょう。
ライティング(60分) | アカデミック・モジュール | ジェネラル・モジュール |
タスク1(20分) | 3つのタイプのリポート ・図表の説明 ・地図問題 ・プロセスマップ | 2つのタイプの手紙 ・フォーマルレター ・インフォーマルレター |
タスク2(40分) | アカデミックエッセイ | アカデミックエッセイ |
リーディングでは、セクション1から3までに分かれており、セクション1では、2つのショートリーディング(約1ページ分、300~350文字)が出題されます。
セクション2も2つのショートリーディングが出題されます。内容は、アカデミックと内容が異なり、日常生活で使われる一般的な内容のリーディングが出題されます。職場のルールやアパートを借りる条件等の内容です。
パート3は長文(900 文字程)になります。パート3に関しては、アカデミックのセクション1と同等の難易度です。
リーディング(40問60分) | アカデミック・モジュール | ジェネラル・モジュール |
セクション1(パッセージ1) | パッセージ1は2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション1は短文2つ 内容は広告などや宣伝 設問は各文6-7問で計12-14問 |
セクション2(パッセージ2) | パッセージ2も2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション2も短文2つ 内容は職場関連 設問は各文6-7問で計12-14問 |
セクション3(パッセージ3) | パッセージ3も2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション3は2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 |
ジェネラルのリーディングのセクション1と2は、日常的で生活に密着した記事(広告、職場のアナウンス等)の内容なので難易度が低く、スコアを取るために必要とされる正答率はアカデミックより高く設定されています。下記の換算表を参照して下さい。
【ジェネラルリーディングのスコア換算表】
Band スコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
Score (素点) | 40 | 39 | 37-38 | 36 | 34-35 | 32-33 | 30-31 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 12-14 |
IELTSアカデミックとジェネラルの違い まとめ
IELTSにはアカデミックとジェネラルの2種類があり、どちらを受験するかは自分の目的によって異なってきます。
アカデミックとジェネラルはともに4つ技能のテストですが、リーディングの問題と、ライティングのタスク1が違います。スピーキングとリスニングに違いはありません。
ジェネラルのリーディングは、パッセージ1&2が2つのショートリーディングですが、アカデミックでは学術的な長文が3つ出題されます。ジェネラルのライティングのタスク1は、フォーマルレターとインフォーマルレターのどちらかの記述を求められますが、アカデミックでは図表の解析・リポートが求められます。
MAEではアカデミック、ジェネラルどちらの対策も行っております。リーディングとリスニングは模擬問題を使用した形式で進めます。ライティングは効果的な添削形式を取り入れ、スピーキングは実践的に頻出問題をカバーしてアウトプットの練習を行います。
無料体験レッスンは随時受付中ですので是非ご連絡ください。
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