イギリスの大学や大学院に進学を考えている方や、イギリスへの移民を考えている方は、英語能力の要件としてIELTS for UKVIのスコアが記載されているのを見たことがありませんか?また、IELTSの試験を予約する時、最初に通常のIELTSか、IELTS for UKVIかを選ぶ必要があると思います。
IELTS for UKVIとはどのようなテストか?普通のIELTSのテストとどう違うのか?このページで解説いたします。
IELTS for UKVI 試験の概要
IELTS for UKVIとは、英国政府が認めるSecure English Language Test(SELT)のひとつで、ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTSオーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)で構成されるIELTS SELT Consortiumが運営する英語力証明のテストです。UKVIとは、UK Visas and Immigrationの略で、目的によって以下の2種類があります。
- IELTS for UKVI Academic (アカデミック)
- IELTS for UKVI General Training (ジェネラル・トレーニング)
学位取得を目的とした学生ビザ(tier 4)を申請する場合はIELTS for UKVI アカデミックの、英国へ移住される方や、学士号未満の職業訓練や勉強、イギリス国内での就労を目的としたビザ申請の場合はIELTS for UKVI ジェネラルの受験が必要となります。
*英国政府側でビザの取得を目的とした英語資格の基準は変更する可能性もありますので最新の情報をアップデートする必要があります。
IELTS for UKVIと通常のIELTSの違い
IELTS for UKVI のアカデミックとジェネラルは通常のIELTSのアカデミックとジェネラルのテスト内容、試験官、形式、難易度、採点基準などに違いがないのが特徴です。
IELTS Academic ・General | IELTS for UKVI academic ・General | |
試験項目・時間 | L&R&W&S・約3時間 | L&R&W&S・約3時間 |
受験料 | 25,380円(ペーパー版) 27,500円 (コンピューター版) | 29,400円(ペーパー版) 33,000円(コンピューター版) |
試験会場 | 全国各地 | 東京と大阪の指定会場のみ |
試験内容 | Academic とGeneral の違いは ライティングとリーディング | UKVI academic は通常のIELTS Academic と同じ UKVI General は通常のIELTS General と同じ |
試験問題・試験時間
通常のIELTSとIELTS for UKVIは、アカデミック・ジェネラルともに、試験時間や試験内容に違いはありません。IELTS for UKVIを受験するからといって、個々の対策をする必要はなく、通常のIELTSと同じように対策すれば大丈夫です。
試験会場
IELTS for UKVIは、認定を受けたテストセンターでのみ受験が可能です。コンピューター版とペーパー版のどちらでも受験可能です。
日本でIELTS for UKVIを受けられる会場は、ブリティッシュ・カウンシルが提供する東京と大阪のテストセンターと、2021年の4月からは英検が提供する東京・大阪のテストセンターになります。
英検が実施するIELTS for UKVIは、紙と鉛筆で受験する形式(ペーパーベース)のテストです。コンピューターでの受験(Computer-Delivered)を希望する場合は、ブリティッシュ・カウンシルから試験を申し込みましょう。
受験料
IELTS for UKVIの受験料は、英検・ブリティッシュカウンシルどちらから申し込んでも税込29,400円です(ペーパー版)コンピューター版の場合は、33,000円(税込)。
通常のIELTSの受験料は税込25,380円ですので、イギリス政府から認定を受けている分、UKVIを希望する場合の受験料は高くなります。
IELTS for UKVI アカデミックとは?
IELTS for UKVI アカデミックは、英国の大学への出願時にスコアの提出が求められる場合がありますが、ほとんどの教育機関は独自で英語力の証明を判断することが認められているため、通常のIELTSアカデミックのスコアが受け入れられています。
つまり、留学先が指定しない限り、IELTS for UKVIを受験する必要はありません。留学・進学先の英語要件をしっかりと確認しておきましょう。
通常のIELTSについては下記からチェックしてください。
IELTS for UKVI ジェネラルとは?
IELTS for UKVI ジェネラルは、英国への移住、もしくは学士号未満の職業訓練や勉強をされる方に必要となるテストです。この場合、アカデミックとは違い、IELTS for UKVIを指定しないと提出が認められません。いずれにせよ、提出先の要件をよく確認しておきましょう。
ただし、先述の通り、IELTS for UKVIでも、試験内容と試験時間は同じなので、通常のIELTSジェネラルの対策を行いましょう。
IELTS for UKVI ジェネラルの概要
試験時間と問題数は、通常のIELTSジェネラルと同様以下の通りです。リスニング・スピーキングの問題はUKVIアカデミック・ジェネラルともに共通で、リーディング・ライティングはUKVIジェネラル独自の問題でアカデミックより難易度が低く設定されています。。
- リスニング 約40分(40問)
- リーディング 60分(40問)
- ライティング 60分(2問)
- スピーキング 約14分(パート1, 2, 3)
IELTSアカデミックとジェネラルの違いは下記からチェック
IELTS for UKVI まとめ
- IELTS for UKVIは、イギリス政府が認めたビザ申請のために必要な英語能力証明テストで、目的に応じてアカデミックとジェネラルがある。
- 通常のIELTSとIELTS for UKVIでは、試験内容や時間に違いはない。
- IELTS for UKVIの受験料は割高である。
- 留学・進学が目的であれば、あえてIELTS for UKVI Academicを取得する必要がないことが多いが、移民の場合はIELTS for UKVI General Trainingでないと認められない場合がある。自身のステータスと、試験の申し込み前に、英語の要件をよく確認しておきましょう。