自宅で受験できるDuolingo English Test【DET】とは?
近年「Duolingo English Test」という英語試験が日本にも浸透してきました。「デュオリンゴ」と発音し、英語能力を測るTOEFLやIETLSのテストに代わり、海外の大学に入学するために必要な英語資格試験として、多くの大学がDuolingo Testを採用しています。通称「DET」とも言われます。
自宅からオンラインで受験できるため、コロナ禍で試験会場での受験が制限されるTOEFLやIELTS試験に比べ、Duolingo Testの需用もそれ以降増えてきています。
Duolingoテストは、資格試験のみならず世界で一番ダウンロードされている言語学習アプリとしてもたくさんの方に広く知られています。今回お話しするDuolingoテストは、リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの技能を測る英語試験。
この試験のスコアを持って海外の大学に入学することができると、近年多くの方々から注目されています。
受験料 | $59 USD (日本円では8500円から9000円) |
所要時間 | 約1時間 ▼内訳 テスト45分 ビデオインタビュー10分 |
スコア範囲 | 10~160点 |
結果 | 48時間以内 |
受験方法 | 完全コンピューターベース(会場に行く必要はなく、自宅から受験可能) |
必要なもの | ・パスポート、運転免許証などの写真付き身分証明書 ・明るく静かな部屋 ・安定したインターネット環境 ・コンピューター ー前面カメラ ーマイク ースピーカー |
TOEFL/IELTSとのスコアの比較
Duolingo English Test | IELTS | TOEFL iBT |
75~80 | 5.0 | 44~55 |
85~90 | 5.5 | 56~67 |
95~100 | 6.0 | 68~79 |
105~110 | 6.5 | 80~91 |
115~120 | 7.0 | 92~102 |
125~130 | 7.5 | 103~112 |
135~140 | 8.0 | 113~118 |
145~150 | 8.5 | 119 |
155~160 | 9.0 | 120 |
Duolingoテストの特徴
運営している団体はDuolingoという外国語学習アプリを開発した会社で、上記のスコア換算表からわかる通り、160点満点の英語テストです。テスト時間も短く60分。しかし4技能のテストですので、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのセクションがあります。
いくつかのカナダやアメリカの大学入学のために受け入れられているDuolingoテストですが、IELTSやTOEFLにくらべて簡単であるという認識が多いと思います。しかし、AIが採点、プログラムする仕組みになっているため、受験者の解答の正誤からレベルを判断して問題を出題するため、簡単そうで簡単ではないテストと言えます。特にIELTSの6.0に値するDuolingoの95点以上はIELTSの6.0をとるのとほぼ変わらないほどの勉強時間や対策が必要になると言えます。
しかし、IELTSやTOEFL のように参考書が出回り、解き方のコツや対策が取りやすいのとは違います。先述のようにDuolingoはAIが受験者のレベルに対して問題を変えてくるため、全員が同じ問題を解くわけではありません。この特徴がTOEICやTOEFLとは大きく異なり、対策しづらい原因となっています。
Duolingoテストを受験する際のメリット
- オンラインで手軽に受験できる
TOEFLやIELTSの試験は、指定された会場に行って受験するのに対し、Duolingoテストはわざわざ試験会場に出向く必要はなく、自宅から24時間好きな時にオンラインで受けることができます。特に地方に住んでいる方や時間がない社会人の方にとっては、手軽に受験できるのがメリットでしょう。
また、試験の雰囲気に飲まれやすく緊張しやすい方にとっては、普段から慣れている自宅で、落ち着いて受験できるので自身の実力を発揮しやすいことも利点の一つです。そういった面でも気楽に受験ができます。 - テストの時間が短い
Duolingo テストの試験時間は1時間。約2時間を要するTOEFLや3時間を要するIELTSなどの試験と比較してみると圧倒的に短いのがわかります。
時間が短いと集中力を切らすことなく全力で問題に取り組めるので、高スコアを狙う方には有利でしょう。 - テストの結果が出るのが早い
TOEFLやIETLSの試験は結果が出るのに、早くて3日、もしくは1,2週間かかりますが、Duolingoテストはテスト終了後の48時間以内にスコアが出ます。早く試験結果が欲しい方や留学までに時間がない方にとっては、ありがたいでしょう。 - 受験料が安い
Duolingo English Testの一回の受験料は$59と$200~$300以上するTOEFLやIELTSと比較するとおよそ1/5で受験することができます。
経済的に優しいので、特に学生の方にとって気軽に受験することができるでしょう。一回で目標スコアに到達できなかった場合も再受験しやすいのが利点です。
Duolingoテストを受験する際のデメリット
- 教材が少ないためテスト対策がしにくい
「Duolingo English Test」が開発されてまだそれほど期間が経っていないことから、参考書などの教材があまり販売されていません。
そのため試験内容の情報が少なく、Duolingo テストに特化した対策ができないのがデメリットです。 - 出題形式が独特なため、Duolingoテスト特化の対策が必要となる
Duolingoテストtは他のIELTS/TOEFLなどとは設問形式がかなり違います。
リスニングの特徴は、聞き直しが2回できますが、「聞こえた文章を書きとる」など。
リーディングの特徴は、「空欄穴埋め問題で文脈から適切な単語を選ぶ」、「実在する英単語を選択肢から選ぶ」など。
ライティングの特徴は、「表示された画像を1文で描写する」「60~70文字の英作文」
スピーキングの特徴は、「書かれている文章を読む」「表示されている画像を見て適切な英単語を選ぶ」など。
上記のようにDuolingoテストの形式に慣れる必要があります。
英語の上級者でも試験対策をしないと点数が取れないこともあります。 - テスト環境を整える必要がある
オンラインでの試験になりますので、ネット環境が整った場所で受験する必要があります。
インターネットの接続が遅いと途中フリーズしたり、テストが中断してしまう可能性もあります。また、パソコンにアプリをダウンロードするための十分な容量やカメラとマイク、これらの機器が正常に作動している必要もあります。 - パソコン操作やタイピングに慣れていないと難しい
「Duolingo English Test」のアプリをご自分のパソコンにダウンロードしたり、何かネットでのトラブルがあった時は自分で解決する必要がありますので、普段からパソコン操作に慣れていた方がよいでしょう。また、穴埋め形式の問題やライティングの問題では、キーボードを使って文字を入力する必要がありますので、タイピングに慣れていないと時間のロスにも繋がります。 - TOEFL や IELTSほど受け入れている学校が少ない
近年たくさんの大学や教育機関がDuolingoテストでのスコアで入学を受け入れているものの、TOEFLやIELTSほど入学を受け入れている大学や教育機関は少ないため、学校の選択肢はがくんと減ります。ご自分の志望先の大学によっては確認する必要があります。 - 総合的な英語力が伸びない
リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各技能に特化したTOEFLやIELTSの試験と比較すると、Duolingoテストは問題数や時間数が少ないことから、広く浅い内容になるため、総合的な英語力をアップできるとは言い難いです。
ライティングに関してもエッセイ形式を求めるTOEFLやIELTSに対し、Duolingoテストはエッセイタイプではないため、大学でのレポート作成や講義についていけるだけの技術や英語力は別で補う必要が出てきます。大学進学を視野に入れている方は、大学に行ってから苦労することになることを考えると、余裕をもってIELTSやTOEFLの対策をしながら、総合的な英語能力を養う方が賢いと言えるでしょう。 - 95点以上をとるは難しい
60点から80点の間は比較的取りやすいと言えますが、それ以上のスコアをとるには、中上級者レベルでそれなりの語彙力、文法力、スピーキング力を必要とするため「簡単そうだし、気軽にできるから」という理由でDuolingoを始めるのであればそれは間違った認識と言えるでしょう。一度自分の立ち位置をはかるために無料テストを受けてあともう少しという位置にいれば頑張れば目標に届く可能性は高いですが、
Duolingoテスト対策
① 無料で受験できる練習問題を解く
Duolingoホームページ《https://englishtest.duolingo.com/applicants》からプラクティステストを何度でも無料で受験することが可能です。形式に慣れるためにも何度も練習してみましょう。最後まで解くと予測スコアも出されます。練習問題は実際の問題よりやや簡単に設定されているのでご注意を。
② 参考書を購入して対策をとる
日本語の参考書は出版されておりませんが、英語版の参考書はいくつか出版されています。Amazonなどで下記の教材が購入可能です。
③ 文法、単語力を鍛える
IELTSやTOEFLのテストに比べて、基礎文法的な知識、単語力が聞かれる問題が多いため、基礎的な対策をとれば、点数につながるでしょう。また話されている英語を書き写す問題も多く出題されるため、シャドーイングやディクテーションの練習は非常に役に立ちます。語彙力の穴埋め問題はかなり出題されますので語彙力は大事です。
まとめ
オンラインの需用が高まる近年、IELTS やTOEFLの代わりにDuolingo英語テストを受験する方が増えて来ています。 TOEFLやIELTSといった試験とは異なる点がいくつかあるので、どちらがご自身にとって向いているのかメリット・デメリットを把握して、自分に合ったテストであるかを判断しましょう。特に考慮すべきことは、目標時期(短期か長期か)と今の自分のレベルを判断してIELTSの方がよいか、Duolingoの方がいいのかを判断しましょう。
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