IELTSリスニングが難しいと感じる理由と対策法

IELTSリスニングは難しい!?

IELTSリスニングの話す速度は、ナチュラルなスピードというよりはむしろ遅い方であり、ゆっくりはっきり話している場合がほとんどです。ブリティシュ アクセントに慣れていないということもあるかもしませんが、ブリティッシュ アクセントが強い音声は使用しておらず、それほど苦になることはないでしょう。

ただアメリカ英語で使う単語とイギリス英語で使う単語が違うことがあるため、<例:Lift(英), elevator (米)>単語の違いはある程度対策が必要です。
それでも「聞き取れない!」「難しい!」と感じる理由はなぜでしょうか。
もちろん、その方の元々のリスニング力にもよります。今回は、その要因を解明し対策法をご紹介します。

1. IELTSのリスニング形式に慣れていない

IELTSのリスニングは穴埋め問題、選択問題が多いですが、単語のスペルを問われるほか、問題を解くのに先読みテクニックが必要となるなど、「リスニング力」以外の技術も問われそれなりの対策が必要となります。

アカデミックな内容となれば語彙力も必要となります。そのため、リスニング力だけでなく読解力、語彙力も必要不可欠となり、これらのスキルが備わっていなければ音声を聞けたとしても間違ってしまう場合があります。ですので、問題形式に慣れることは必須です。

音声の内容を理解できたとしても問われていることを誤解してしまうと、間違った選択肢を選ぶ可能性は大いにあります。問題をしっかりと読み内容を理解する「読解力」を養うことも大事です。
もちろん、リスニング力がもともと備わっている人は、それだけでメリットとなります。

リスニング形式の対策法

IELTSリスニングの本番形式に最も近いケンブリッジ公式問題集を使用します。こちらはスクリプトが付いており、模擬テストとして使用した後、スクリプトをしっかりと見ながらリスニングの内容を把握しましょう。
解答のところはスクリプトに下線が引かれているのでどこから解答が導かれたのかを知ることができます。
リスニングの設問形式はほぼ決まっているので、ケンブリッジ問題集(4つの模擬テスト)で十分ですが、音声を何度も聞き込んで、再度問題を解くことを繰り返し、間違いがほぼない状態に持っていくことが大事です。

他の参考書や問題集では本番形式に沿わないもの、イギリスやオーストラリアアクセントで録音されていないものもありますので気を付けましょう。その他のおすすめ教材は、コリンズの”Listening for IELTSの参考書です。こちらはイギリス英語になっており、設問形式に沿った内容となっています。

2. イギリスもしくはオーストラリア英語に慣れていない

IELTSはイギリス、オーストラリア、ニュージーランドのアクセントを録音しております。

日本の中学、高校で習うアメリカ英語に慣れ親しんでいる日本人には、少し聞きづらい面があります。さほど強いアクセントで話している音声はないものの、表現の仕方がアメリカ英語とは違うため意味をとれないこともあります。
例えば “bend” 「曲がり角」という意味です。

イギリスアクセントの対策法

イギリス英語に慣れるためにBBCのポッドキャストを聞いてみたり、イギリス英語のものをディクテーション(英語で書きとる練習)をして慣れていきましょう。
もちろん、ケンブリッジの公式問題集を解いていくことである程度慣れることはできますが、イギリス的な表現の仕方を学ぶためにはイギリス英語とアメリカ英語の表現の違いや単語の違いなどを調べてみるのも効果的でしょう。

代表的な例】

アメリカ英語イギリス英語
stove (ガス)コンロcooker
parking lot (駐車場)car park
cafeteria (カフェテリア)canteen
pants (ズボン)trousers
sneakers (スニーカー)trainers
elevator (エレベーター)lift
apartment (アパート)flat
closet (クローゼット)wardrobe
flashlight (懐中電灯)torch
truck (トラック)lorry

また、イギリス特有のコロケーションやイディオムも使用されることがあるのでそちらもチェックしておきます。スペルや発音も違うものもあるので下記はいくつかの表現例ですので、ぜひ覚えておいてください。

米)アメリカ英語(英)イギリス英語
a period of two weeks (2週間)fortnight
my favorite thing(好きなこと)my cup of tea
8855 エイティエイト・エイティファイブダブルエイト・ダブルファイブ
learned (学ぶの過去形と過去完了形)learnt
recognize recognise

3. ひっかけ問題にひっかかってしまう

IELTSのリスニングでは必ずひっかけ問題がでます。
ひっかけ問題とは聞き手をわざと惑わすために作られた問題のことを言います。
例えば、音声で“Oh, no” や “well…”,  “wait…”などを使って前文で言ったことを訂正し、受験者を惑わせます。
3択問題では、選択肢のすべてのことに言及しているので、単語が聞き取れたからといい「Aを選ぶ」では間違ってしまいます。パート2とパート3は内容がしっかりと把握しているかが問われるため、得にひっかけ問題が出題されやすいので気を付けましょう。

逆にパート1とパート4は穴埋め問題で、文脈が分からなくとも空欄の前後関係さえ分かってしまえば解ける問題も多いので、ここで点数を稼ぐとよいでしょう。埋め合わせる単語の難易度が高いことはあまりありません。

ひっかけ問題の対策法

ひっかけ問題を意識して最後まで聞くことが大事です。言い直しをしているか、否定語が来て前の文を打ち消しているか等を判断しましょう。否定なのか、肯定なのか?would とwouldn’t、canと cannotの違いがわかることも大事です。
特に、are や aren’t の発音の違いにも気を付けましょう。内容の理解が問われるため、リスニング力を付けることが最終的な対策となります。

ひっかけ問題については以下で詳しく述べています。

そしてリスニング力アップにはディクテーション(英語の書き取り)、シャドーイング、リテンション(英語をある程度の長さで区切って反復する練習)を取り入れてリスニング力をアップさせましょう。

4. 語彙力不足・発音の間違った知識

リスニングができない最大の理由としては語彙力不足が挙げられます。知らない単語を発音されても聞いたことがなければ、意味が分かりません。
また、単語は知っていたけど、正しい発音を覚えておらず、素通りになってしまう場合もあります。これではせっかく聞き取り自体はできていても、内容を理解できていないことになります。
そして、アカデミックな内容になるのが、パート3とパート4になりますので、語彙不足が原因で内容が把握できず、大幅に点数を落とすことになりかねません。

ちなみにパート3では二人の生徒が研究テーマについて話し合うトピック、パート4では大学の講義内容がよく出題されます。

語彙力不足の対策法

まずはリーディングセクションでも同様、単語を覚えましょう。覚える時に正しい発音もしっかりと覚えるようにしましょう。「見る」、「聞く」、「読む」、「書く」を使って単語を覚え行きましょう。
リスニングの問題集を購入する場合は、スクリプトが添付されているものを必ず選びましょう。その中から分からない単語はなるべく覚えるように丁寧にスクリプトを読みましょう。
“Garage “は「倉庫」という意味ですが、アメリカやカナダ英語ではガラージの”ラー”の部分にアクセントを置きますが、イギリス英語だとガラージの”ガ”の部分にアクセントを置きます。このように、アメリカ英語とイギリス英語では発音が違う場合もありますので、ブリティッシュの発音も同時にチェックするとよいでしょう。オンラインではイギリス英語の発音とアメリカ英語の発音をチェックすることができます。

5. 根本的な基礎リスニング力不足

ブリティッシュアクセントなどにかかわらず、語彙力不足と同様に英語を聞き取ることがそもそも苦手という方です。特に多く見受けられるのが、短い文だと理解できるが、文が長くなるにつれて追いついていけず理解できなくなるタイプです。長い文章を記憶に留めておけないのも理由になります。
これではどんなに試験対策をしても無駄です。試験スキルとは別物と考えましょう。
もっとレベルが易しい基本的な教材から始めた方が手っ取り早くリスニング力が伸ばせます。

リスニング力不足の対策法

リスニング力を付ける練習として簡単な短い文章のリテンション(英語をかたまりで切って反復する練習)を行います。初心者は、もっとレベルが易しい基本的な教材から始めた方が早く伸びます。そしてその音声でリテンションやでディクテーションの練習を行います。ディクテーションとは英語の書き取りです。なるべく区切りを長くして正確に書きとれるようにしましょう。リテンションは、シャドーイングのようにすぐ後に付いていくわけではないので高度な技術を必要としますが、慣れてくると長い1文も記憶することができるようになります。

英語はまず主語と動詞が大事であるため最初の主語、動詞を聞き逃さないことが最も大切です。
どんなに長いセンテンスが続いたとしても、まずは文頭を理解すること。
そして、慣れてきたら徐々にその後の目的語や補語を聞き取れるように意識しましょう。

6. IELTSリスニングが一番先(一番後)に実施されるため集中力が欠けてしまう

カナダではIELTSの試験はコンピューター、ペーパーのどちらの形式でもリスニングのセクションから始まります。日本ではペーパーテストの場合はライティングから始まりますが(リスニングは3技能の最後)、コンピューターベースですとリスニングから始まりますので注意してください。
特に朝早くからIELTSの試験を受験する場合は集中力に欠けてしまい、リスニングが右から左へ流れてしまうことがあるかもしれません。

または、ペーパー版ではリスニングがライティング、リーディングの次に来るので、力尽きてしまう可能性もありますね。

集中力不足の対策法

聞く準備を万全にすることは大事ですし、体調に左右される場合もありますので体調をしっかり整えてから試験に挑んでください。体調が悪いとボーっとして集中力を切らしてしまい、聞き逃しが多くなってしまいます。そのため試験日の2週間ほど前からリスニングは朝一で勉強するようにしてみましょう。
IELTSのリスニングはそれでなくてもひっかけ問題が多いので内容をしっかりと掴む必要があります。他の事を考えたり、読むのに専念しすぎないように注意しましょう。「集中して聞く癖を付ける」ということが大事です。よく通勤で英語のリスニングをする方もいらっしゃいます。もちろんいい勉強ですが、バックグラウンドとして聞くことに慣れないように集中して「何を言っているのか?」を理解するようにアクティブに聞きましょう。

力尽きてしまう場合もまた、アクティブに聞くことで、英語を聞くことに労力を要さないように訓練していきます。最初はしっかりと聞かなければならないため、聞く事自体と、ディクテーションをすることに時間を要してしまうでしょう。慣れてくるとパターンが自然と身に付き苦にならなくなります。

まとめ

IELTSリスニングが難しく感じる6つの理由

① IELTSのリスニング形式に慣れていない
② イギリスもしくはオーストラリア英語に慣れていない
③ ひっかけ問題にひっかかってしまう
④ 語彙力不足・発音の間違った知識
⑤ 根本的な基礎リスニング力不足
⑥ IELTSリスニングが一番先(一番最後)に実施されるため集中力が欠けてしまう

上記に述べられた6つの対策法を一つひとつ克服していきましょう。

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