社会人のIELTS対策┃働きながらのIELTS対策

働きながらの効果的なIELTS対策

近年、社会人の方の中には、転職や再度大学院に編入するなどの目的でIELTSを受験する方が増えてきています。
大半の方は平日は仕事で忙しいため、勉強をする時間があまり取れないのではないでしょうか。その上、家族がいる方であれば週末も時間を作ることが難しいかと思います。

これらの理由から、社会人の方がIELTSを勉強するのには、長期間コツコツとやっていくことをおススメします。
そして、英語に触れる機会が全くない社会人の方は基礎からおさらいする必要があります。まずは文法等の復習、単語の習得等に専念することが大事。しかし、着実にステップアップするためにモチベーションは失わないように勉強の目的、目標スコア、道のりをしっかりと見極めましょう。

まず、社会人の方で多いのはMBA進学、もしくは大学院編入のためにIELTSアカデミック6.5-7.0を目指す方、海外移民が目的でIELTSジェネラル6.0―7.0を目指す方がほとんどかと思います。

① 今の自分のレベルを見極める

IELTSの模擬テスト、プログレスチェック等を活用し、今の自分の英語レベルをしっかりと把握しましょう。
自分は出来る!と思う過信が一番、上達への妨げとなります。
しっかりと自分の弱点を見極めるために、当校でもリスニングとリーディングの模擬テストを無料で提供しております。

レベルチェック後、下記のチェック項目にお答えください。

☐ リーディングをやってみて語彙力不足を感じますか? 
☐ リスニングの大半は聞き取れますか?
☐ リーディングでは文法の説明や構文の解析はできますか?
☐ スピーキングの質問に対する回答が詰まることなく出てきますか?
☐ ライティングでは文法のミスがなく自分の意見を文にして書くことができますか?

② 勉強計画を立てる

自分のレベルを把握したら、目標スコアに向けての道のりを考えましょう!

今のレベルが4.5から5.0の方が6.5もしくは7.0を目標とした場合、少なくとも1年の期間が必要です。
まずは、英語基礎能力を高めてから試験対策に挑みましょう。
一日に勉強に費やす時間を1時間でもいいので確保し少しずつ学習を進めていきます。
まとめて土日に一気にやるというよりも効果的です。
勉強を一日4時間以上やっても集中力が低下するだけで正直無駄です。効率よく勉強するためには一気にやるのではなく、頻度を保つことが重要です。

例】今現在のレベルが5.5の方が目標スコア6.5を目指す場合は、

リスニング:7
リーディング:7
ライティング:6
スピーキング:6

を目標とすることが一番手っ取り早い方法です。

1日2時間と決めてまずは英語基礎能力の強化に約3ヵ月費やしましょう。
それから試験対策に入り、基礎能力をはかるリスニングと語彙の強化は常に取り入れ、一技能づつ予習と復習を繰り返します。これを約3ヵ月から4か月続けてみましょう。IELTSの本番試験は、試験対策に入ってすぐに受けてもみても構いません。その後中間、後半に分けて再度受けてみましょう。

移民のためのジェネラル6.0以上の場合でも同様、自分のレベルが4.5から5.0の場合は必ず基礎から始めましょう。

③ 英語の基礎能力を強化する勉強法

英語から離れた期間が長い方や、英語の勉強をあいまいに終わらせてしまった方、今のレベルが4.5-5.5の方は、まずは

①文法のおさらい
②単語数を増やす・語彙力強化
③読解力を養う
④リスニング力を強化

に専念しましょう。

IELTSの過去問や模擬演習は基礎力が付いてからでも間に合います。英語基礎能力が高い方であれば、何もしなくても6.0のスコアは取れます。
それ以上のスコアを目指す場合は、基礎の上に積み重ねていく課題があります。例えば、単文をミスなく書けない人に複文を書いてくださいと言っても無理でしょう。
しっかりとした基礎があるからこそ、積み上げることが出来ます。積み上げようとすると基礎がバラバラと崩れてしまうのであれば、しっかりとした土台を作らなければなりません。

何かしら英語の勉強は続けており、文法の項目について一通り覚えている方であれば過去問を使用した試験対策から始めましょう。
つまり、過去問題を解きながら、試験の傾向と問題形式を学び、同時に英語力を養う方法です。
ですので一度模擬テストや過去問を解いたからと言ってそれで終わりではなく、そこから学習しましょう。

IELTSセクション別対策

社会人のためのリーディング対策

リーディングの概要

Readingセクションは3つの長文で構成されており、パッセージ1が最も易しく、パッセージ2またはパッセージ3のどちらかが難しくなっています。
制限時間は60分。時間を分割すると1パッセージにつき20分の計算ですが、難しいパッセージでは20分以上必要となるため、一番易しいパッセージ1を15分を目標に問題を問いていくとよいでしょう。すべてにおいてですが、問題文を先に読む必要はありません。
必ず本文をざっと読み、問題の箇所を素早く見つけて解答に持って行くことが一番効率的です。

また、リーディングのセクションは質問形式が決まっています。
例えば、「True/False/Not given」などのタイプ。予め設問に慣れておき、問題文を読む手間を省きましょう。

リーディングの学習法

スキャニングの習得をする!

いわゆる「ざっと読み」のことで、ある程度本文の内容を把握したあと、問われている部分を重点的に読むことで、時間を短縮しつつ適切な解答を導きます。

まず、速読力を付けるには必ず多読精読が必要になります。オンラインの英文記事を読み、知らない単語は飛ばして読んでも大体の内容が取れるようになりましょう。一語一語にとらわれていたり、声を出してしか読めない方はスピードアップを図るために必ず黙読、知らない単語は想像して読むようにしましょう。本文をざっと読んでる間に、「人名」「会社名」「国名」「年代・年」など固有名詞を見つけたら印をつけておきましょう。それらはキーワードになり、問題で聞かれた際にすぐに戻れるようにしておくことで時間の短縮にも繋がります。

必ず、模擬テスト等は1回は時間通りに解いてみて、実際の試験の感覚を忘れないようにそして自分の今のレベルと進捗状況が分かるようにします。その後、2回目はしっかりと精読します。知らない単語は調べて、暗記するよう心がけ、そして訳せるようになりましょう。訳が出来ない箇所は文の構造(S + V 、関係代名詞、分詞が使用されている文など)を見極め、意味を把握しましょう。
このように読解力を養いながら試験対策をすることで効果的にスコアアップが目指せます。
リーディングで高得点をとっておくことは、日本人にとっては非常に有利です。アウトプットを必要とするライティングやスピーキングで点数が低くても総合スコアを上げることができるからです。

社会人のためのリスニング対策

リスニングの概要

リスニングセクションは全40問で、4つのセクションに分かれています。

セクションが進むにつれて難しくなる傾向があります。
一般的にセクション1が最も易しくなっていますのでここで正答率を上げましょう。セクション1の内容は、日常会話での場面が多いです。セクション4は大学の講義形式になるため内容が一気に難しくなります。

リスニングはとにかく「問題文を先読みする」ことが重要です。簡単な問題は確実に全問正解を取りましょう。
それと同時にリスニング力を高めるシャドーイング、ディクテーション、リテンションの練習をしてスコアアップを目指します。

リスニングの学習法

TED TALKS、BBCのポッドキャストなどのスクリプト付きオーディオを聞いて内容が理解できるようにディクテーション、シャドーイング、リテンション(英語をある程度のかたまりで切って反復)を繰り返しましょう。IELTSのリスニングはそれほどオーディオのスピードが速いわけではないですが、単語や語彙が分からないと内容を見失いますので語彙力強化は必須です。
当校の生徒様でも6.0の生徒様はディクテーションとリテンションの練習をして3か月で7.5まで伸びました。

公式問題集や模擬問題に取り組む際は、リスニングも一度オーディオを止めずに時間内に解いてみます。その後何度も聞きなおして再度、解答を導きましょう。一度聞いて答えることが求められますが、一夜で英語耳を作ることは出来ません。地道にスクリプトを見比べて英語の発音とつながり、文字に起こさなくても意味が把握できるように清聴を繰り返します。

リスニング力の向上にはディクテーション、リテンションが特に効果的ですので、ted talks 等のスクリプト付きのオーディオを必ず一日一回は聞いてディクテーション、リテンション、スクリプトの確認を行いましょう。

社会人のためのスピーキング対策

スピーキングの概要

スピーキングセクションは、IELTS試験官と1:1の対面形式面接です。
3つのパートに分かれており、パート1は日常的な話題についての質問(仕事、友達、家族等)に答えるタイプ。
パート2はトピックカード(キューカード)が渡され、書かれている問題に沿ったスピーチを2分間行います。
パート3が最も難しく、パート2に関連した抽象的な質問が多く、ここでも自分の主張が明確に述べられているか判断されます。

実はスピーキングは採点基準が最も低く、点数が取りやすいセクションです。
文法のミステイクが多少あっても英語を文章でアウトプットすることができれば(名詞だけになっていないこと)5.5ぐらいは取れるでしょう。
スピーキングセクションは、1人当たりたったの14分しかないので自分の英語力を試験官にしっかりと見せる必要があります。解答は、答えを話すだけでは点数が取れません。自発的に答えることが大事であるため内容を膨らますことが重要です。
大体パート1では5文ぐらいの長さで話しましょう。パート2は2分間ギリギリまで話します。パート3はフルアンサーで答えるといいので5文以上話すことを心掛けましょう。

スピーキングの学習法

とにかくアウトプットが大事です。
ひたすら話す練習をすることがIELTSスピーキングで得点を取るために重要となってきます。英会話のサービスを利用するのもいいでしょう。しかしご自分でもアウトプットの練習はできます。

頻出トピック「Hobbies」や「Movies」などは必ず網羅しておき、躊躇せずスラスラでなくてもいいのでしっかりと自分の考えが言えるようになることが大事です。多少の文法間違えは気にしないようにしましょう。

社会人のためのライティング対策

ライティングの概要

Writingセクションはタスク1(20分)とタスク2(40分)で構成されており、制限時間は60分です。
タスク1の問題は、図や表の説明、地図問題、プロセスマップの3つの種類があり、150文字以上の文章でレポートを作成します。タスク2は英語のアカデミックエッセイです。お題について自分の意見を250文字以上で述べる問題です。タスク2がタスク1より倍の点数で配点されると言われていますので、タスク2のエッセイに重点を置く必要があります。

ライティングが一番採点基準が厳しいと言われていますが、決して6.0を取るのが難しいというわけではありません。文法のミステイクがなく、しっかりとした構成のもとに書かれていれば6.0のスコアは十分に目指せます。

ライティングの学習法

サンプルを見て、大体のテンプレとストラクチャーを把握し、その後とにかくエッセイを書いてサンプルと比較しましょう。

まず始めに、IELTSの問題のサンプルをたくさん見てみましょう。信頼のおけるサイトにアクセスすることが大事です。そこから、構成や表現を「真似るところ」から始めます。英語で書かれた文章を読みながら、使える表現、分からない単語があったら、それをメモしておきアウトプットの引き出しを作りましょう。

使える表現を吸収することで自分のものにしていきます。そしてとにかくエッセイを書くことが大事。最初は時間をかけても構いませんが書き慣れると自然と時間がかからなくなります。
サンプルがあるものは必ず参照して違った考え方や一般的な知識を学びます。サンプルがないものは課題のテーマとなるものを検索してニュースの記事や信頼のおける文献などから知識と表現の仕方、トピック関連用語等を覚えます。

ライティングも書きっぱなしにせず、必ず他の文献にアクセスして自分のエッセイの改善点を見つけ、また書き直す作業を繰り返しましょう。書き直すことでよりよい文章が作れるようになります。

まとめ

社会人になると毎日どれぐらい勉強の時間が取れるか、わからないものですが、目標を決めたら時間を作りましょう。 時間は作るものです。 計画が順調に進んでいない場合、軌道修正が必要です。時間を後ろ倒しにできれば一番いいかもしれませんが、それが目標時期に間に合わない方はとにかく勉強を優先する姿勢を崩さないようにしましょう。働きながらコツコツと進めるのがコツです。無理な勉強時間は組まない、休みの時は多めに勉強するなど苦にならないスケジュール作りがカギとなります。

自分に甘えが入ってしまう場合は、塾に通うことを検討しましょう。むやみにお金を払うというわけではなく、教育に投資すると考え、塾に通うことは自分のモチベーション、そして勉強をしなければならないという状況を自然と作ってくれます。

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