IELTSアカデミックは英語圏や欧州の進学を目的とした英語試験で、満点はバンドスコア9.0です。海外の大学や大学院に必要な英語力の証明として使われています。
「IELTS8.0は、いったいどのくらいのレベルで、目標に達するためにはどんな勉強法が必要なのか?」
と思っている方は少なからずいるでしょう。
進学や留学を目指している方は、スコア6.5〜7.5を目標にしていることがほとんどだと思います。では、それを上回るスコア8.0を必要とするケースは?そしてその難易度と対策方法について解説します。
IELTS8.0のレベル感
IELTS8.0はを下記の英語能力のレベルを見るとわかる通り、「非常に優秀なユーザー」に分類され、英語を自由に使いこなすことができるレベルになります。つまり、8.0はかなりの英語上級者で取得するにはそれなりの努力と時間を要すると思ってください。
バンドスコア 8.0を他の英語試験に換算すると、TOEICは満点、英検だと1級が取れるレベルで、TOEFL iBTでは110~114点と言われています。教養を受けたネイティブがIELTSを受験したとしても8.0~8.5くらいのスコアと言われていることを考えると、とても高いレベルです。ネイティブに近い英語力が必要です。
しっかりとした対策を行い、長期的な学習計画を立てることが必要になります。
band スコア 9.0 | エキスパートユーザー | 英語を自由に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。 |
band スコア 8.0 | 非常に優秀なユーザー | たまに偶発的な間違いや不適切な使用が見られるだけで、英語を自在に使いこなせる。慣れない状況下では誤解が生じる可能性もある。込み入った議論にも十分に対応できる。 |
band スコア 7.0 | 優秀なユーザー | たまに間違い、不適切な使用、誤解が生じる場面もあるが、実用英語を使いこなせる。ほとんどの場合、複雑な言葉を巧みに操り、詳細な論理も理解できる。 |
IELTS 8.0以上が必要になる場合
IELTS 8.0を要求する教育機関は非常に少ないでしょう。大学院留学でも7.5のレベルで十分です。カナダの大学の場合は、総合スコア6.5から7.0で十分です。アメリカの一流大学のpostgraduateコースでも、ほとんどの場合は7.0が必要とされます。イギリスのOxford 大学でも、大学進学には7.0、大学院進学は7.5を要求します。英語圏の大学では総合バンドスコア6.5から7.0を目安としているケースがほとんどです。このことからIELTS8.0が求められることは少ないと思います。もちろん学部により最低スコアが違います。教育関連の学部やナーシング関係、法律関係は高く設定されているところが多いようです。
それでも、自分の英語力の証明のため、もしくは選抜優先順位を高めるために8.0を目指す方はいるでしょう。
その高いスコアは世界の一流大学に出願できるレベルであり、高い英語力の証明となります。
もちろん目標を高く持つことはいいことだと思いますが、今の自分のレベルを考慮して、本当にその目標スコアが必要か、実現可能かどうかを判断して勉強計画を立てましょう。ステップバイステップが肝心です。今、ご自身のレベルが6.5であれば7.0を目指しましょう。そして7.0でれば7.5を目指し、7.5であれば8.0を目指していきましょう。6.0以上の0.5の差はかなり大きい。0.5を上げていくのも易しい事ではありません。
IELTS 8.0は実現可能か
IELTS8.0のレベルは、ネイティブに近いレベルであり、かなり高い英語力を必要とします。
当校の講師のほとんどが、総合スコア7.5~8.0以上を達成しておりますので、日本人でも頑張れば達成可能なスコアです。日本生まれの日本育ちの方でも取得したケースを聞いたことがあります。しかし、努力と苦労を乗り越えてきた成果ですので、一日3時間は確保、長期の対策が必要でしょう。英語を継続して勉強している講師の方や英語を学ぶことが好きな方は達成することもそれほど難しい事ではないでしょう。
バンドスコアが8.0でも、全てのセクションで8.0が必要なわけではありません。IELTSのスコア計算は4つのセクションを足して4で割る計算。総合バンドスコアは7.75~8.24の間い値します。
【8.0の計算方式の例】
8.0(L)+8.5(R)+7.0(W)+7.5(S)=31 ÷4=7.75 ➡ バンドスコア8.0に達します。
上記のように評価基準が厳しいライティングで7.0であっても、他のセクションでカバーすることができれば実現可能。日本人の方では特にリーディングで満点を取れる方もいると思うので1つのセクションで9.0をとることができれば(もちろんインプットのリスニングでも高いスコアが取れることが前提ですが)、ライティングやスピーキングのどちらかが6.5でも8.0は可能ですね。
8.5(L)+9.0(R)+7.0(W)+6.5(S)=31 ÷4=7.75 ➡ バンドスコア8.0に達します。
IELTS 8.0に必要な勉強時間
一般的にIELTSのスコアを0.5上げるのに3か月かかると言われています。しかし、5.5から6.0を到達するのが一番簡単と言われていますが、6.5から7.0に上げるのはより難しいとされています。つまり、仮に今が7.0だったとして、8.0に上げるには、毎日定期的に勉強を行って(最低3時間)最低でも6か月以上かかると考えられます。8.0を狙うなら、すべての技能を戦略的に学ぶ必要があります。
学習者の現在のレベルによってどのくらいの期間がかかるかは変わってきますが、ネイティブレベルの英語を必要とすると考えると継続的な勉強と長期対策は欠かせません。
また、単に英語ができる、すらすら話せるだけではなく、物事を客観的・批評的(クリティカル)かつ論理的に考えられるかどうかがスピーキング、ライティングのスコアで8.0の鍵となります。つまり、さまざまな社会問題における一般的知識、論理的な考え方を持つことが求められます。英語力以外に、論理的な考え方を養うことに、より時間がかかると思ってください。8.0を目指す場合は、「The Economist」などの専門誌の記事のリーディングに挑戦し、世界のニュースや社会問題への対策などに対する知識を増やすことが重要です。
IELTS8.0 の正答率(アカデミック・リーディング&リスニング)
下記のスコア表がリーディングとリ-ディングに必要な正答率になります。リーディングとリスニング、どちらも40問のうち約35~36問の正答率です。逆に5問のミスが許容されると考えるとよいでしょう。
リーディング(アカデミック)
バンドスコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 |
正解数 | 39~40 | 37~38 | 35~36 | 33~34 |
リスニング(アカデミック・ジェネラル共通)
バンドスコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 |
正解数 | 39~40 | 37~38 | 35~36 | 32~34 |
IELTS8.0 の戦略
IELTSの総合バンドスコア8.0を目指している場合は、インプットのリーディングとリスニングで8.5を狙い、アウトプットであるスピーキングとライティングで7.0を狙う戦略が一番の近道となります。計算式は 8.5(L)+8.5(R)+7.0(W)+7.0(S)=31÷4=7.75になり、合計は四捨五入の8.0になります。
IELTS 8.0を取るための各セクションの対策と勉強法
リスニングの概要と対策
IELTSのリスニングはセクション1~4まであり、40問の問いに聞きながら答える形式です。穴埋めと選択問題から構成されてているのでスペルも問われます。また先にオーディオが流れて設問を後で答えるタイプではなく、聞きながら問題文を読み解答する形なのでマルチタスクが必要です。パート1が一番易しく穴埋め問題、パートが進むにつれ難しくなります。
IELTSのリスニングには、問題の読解力、つまり、問題の先読みテクニックが必要です。問題を先読みするには、読解力を付けることが重要です。また、言い換え表現に敏感に反応し、選択肢などのひっかけには十分注意しましょう。
総合スコア 8.0を目指すのであれば、リスニングセクションで8.5以上は取っておきたいところです。上記のスコア換算にもあるように、8.5を取るには40問中37から38問合っていないといけません。
リスニング8.0を取るための勉強法
リスニングで8.5以上を取るためには、模擬問題集を時間通りに解き、解答を確認したら、間違った原因を分析します。聞き取れなかった、意味を取り間違えていた、といった原因が考えられたら、発音を認識できなかったのか、単語を知らなかったのか、などの理由を突き詰めましょう。次に、スクリプトを見ながら聞き、知らない単語はしっかりと覚えましょう。スクリプトを見ながら聞いた後は、スクリプト無しでも聞き、全ての内容が理解できているか確認します。この一連の復習を終えて、しばらく時間が経ったら、もう一度本番を意識して問題に取り組み、間違いがないかどうか確認します。解答の箇所だけでなくスクリプトの内容は全て把握できていることが望ましいと言えます。
英語がアクティブに聞き取れることが大切ですので、「TED Talks」などナチュラルスピードの英語が聞ける教材を利用して、ディクテーション、シャドーイング、リテンションの練習をしながらリスニング力の強化をはかりましょう。オーディオは会話的なものからアカデミックなものまでできるだけ分野を広げていくこともポイントです。
そのほか、英語の処理能力を早くするためにリスニングだけでなく、リーディング、文法と総合的な対策を取りましょう。英語の処理能力は頭の中で聞いただけ(もしくは見ただけで)で即座に処理して意味を取ることができる能力です。処理能力は4つの技能をバランスよく向上させることで改善できますので普段の勉強に、文法、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングとバランス良く進めていきましょう。
リーディングの概要と対策
アカデミックのリーディングは長文が3つ、全40問を60分以内に解きます。一つのパッセージに12~13問の設問がついています。パッセージ1が最も易しいと言われています。そしてパッセージ2から3のどちらかが難易度が高くなります。
総合スコア 8.0を目指すなら、リスニングと同じく、リーディングも、少なくとも8.5は取っておきたいセクションです。リーディングでは、3つミスしても8.5になります。しかし、時間内にほぼ間違いなく解答しなくてはならないため速読、要約の能力が必要です。速読力は読解力とともに養うことができますが、要約力とはリーディングの主旨、段落の発展などに気を付ける必要があります。
リーディング8.0を取るための勉強法
リーディングのセクションで8.5を取るためには、どのレベル方にも当てはまりますが、どのリーディング教材を使用したとしても、一度時間通りに解いた後、知らない単語や文法を調べ、訳せない文はないか、どこから質問の答えを導き出したのかを確認しましょう。知らない単語はなるべくリーディングから覚えるようにします。
また、8.0以上を目指すのであれば、IELTSの課題にこだわらず、読解力や創造力を高めることが大切ですので、英語の小説や、雑誌「The Economist」などを毎日読むこともが非常に効果的です。読むことを習慣化して、むしろ、IELTSのリーディングが簡単と思われるようになるように日々読書をしてください。自分の好きなジャンルの本であれば気休めに読めるかもしれません。語彙力も大切なので、様々な種類の雑誌(ニュース、小説等)から語彙を習得して、IELTSのリーディングに分からない単語がほぼない状態が理想的です。
リーディングはとにかく、「リーディング」を毎日行ることにあります。根気よくリーディングを続ければ自ずとリーディング力が鍛えられるでしょう。
ライティングの概要と対策
IELTSのライティングはタスク1とタスク2に分かれています。合計して60分内で書き上げます。タスク1は3つのタイプに分かれます。図表の説明、プロセスマップ、地図問題と言われいて、図表の説明が頻度が高い問題です。パート2は250文字で書くアカデミックエッセイです。エッセイの方が配点が高いため、エッセイを書きあげてることは大事。どちらの課題も4段落で書きましょう。
IELTSの4つのセクションの中でもライティングが一番点数が取りにくいと言われています。採点が厳しく、ここで8.0を目指すのはネイティブでも難しいため、リスニング、リーディングのインプットで8.5以上を取り、ライティングでは、6.5~7.0を目標とすることが一番現実的だと思います。先述のようにタスク2の方が配点が高いためエッセイに時間を費やし、タスク1は15分程で書き上げられるようにしましょう。
【ライティング採点基準の確認】
まず、ライティングセクションの採点基準4つを把握しましょう。この基準はタスク1、2共通です。
- Task Achievement(質問にきちんと答えているか)
- Coherence and Cohesion(内容の一貫性と論理性)
- Lexical Resource(語彙の豊かさ)
- Grammatical Range and Accuracy(文法の正確さと複雑さ)
下記のIELTSの公式 “Band Description” を参照して、バンドスコア 8.0以上のライティングには何が求められるのか具体的に把握しましょう。
トピック完成度 | 首尾一貫性 | 単語 | 文法 | |
定義 | – sufficiently addresses all parts of the task – presents a well-developed response to the question with relevant, extended and supported ideas | – sequences information and ideas logically – manages all aspects of cohesion well – uses paragraphing sufficiently and appropriately | -uses a wide range of vocabulary fluently and flexibly to convey precise meanings -skillfully uses uncommon lexical items but there may be occasional inaccuracies in word choice and collocation -produces rare errors in spelling and/or word formation | -uses a wide range of structures -the majority of sentences are error-free -makes only very occasional errors or in appropriacies |
日本語訳 | – すべてのポイントが充分にカバーされている – トピックに関連性のある、詳細で十分な裏付けのある理由を提示し、塾考された回答になっている | – 情報や意見を論理的に配置している – すべての観点から文章を上手にまとめている – 段落分けを充分かつ適切に行っている | – 正確な意味を伝達するために幅広い語彙を流暢かつ柔軟に使用できる。 – 一般的でない語句をうまく使用できるが、 単語の選択や組み合わせに時おり不適切さがみられる – 単語の選択や語形成(またはその両方)に間違いがほとんどない。 | – 様々な構文を使用できる。 -総じて間違いのない文章を書くことができる。 – 間違いや不適切さがまれに見られる。 |
- Task Achievement:質問に答えているか?
Task Achievement はとても重要です。特に、ライティングで7.0以上の高得点を目指す人は必ず意識しておかなくてはなりません。ライティングの構成を考える際、設問にしっかりと答えられているかを確認しましょう。IELTSのライティングの質問はトリッキーな問題が多いのでしっかりと聞かれていることを把握することが大事。「タスクで聞かれていることは何か?」「最近の社会問題とどう関係しているのか?」とクリティカルに問題の主旨をつかみましょう。そして、必ず試験官が期待している一般的な考えを提供することです。つまり、奇抜でユニークな考えは必要なく、一般論かつ論理的な事実でバックアップしていきます。 - Coherence and Cohesion:一貫性と論理性
論理性とは、論理的な展開ができているか、自分の主張や結論を引き出すための詳細かつ論理的な根拠を述べられているかどうかで判断されます。また、内容に一貫性があるかどうかも見られます。一貫性は、一つの考えについて、焦点がずれることなく言及されているかどうかです。こちらもライティングで7.0以上の高得点を目指している方には非常に重要な採点基準です。また段落分けは適切に行わなくてはならないため、Connectivesと言われる接続詞をうまく使用する必要があります。 - Lexical Resource:語彙の豊かさ
アカデミックな単語や言い回しが適切であるか、同じ単語を繰り返し使っていないか、スペルなどのミステイクはないか等が見られます。Task 1でも、Task 2でも、同じ表現や単語を繰り返し使わず、語彙の豊かさを強調しましょう。IELTSのライティングは減点方式と言われていますので、間違いはどんどん点数を落とす原因となります。まずは減点対象となるミスをなくしていくことが一番早くスコアアップにつながります。
【connectives例】
・As a result,
・Subsequently,
・However,
・Take A for example,
・Accordingly, - Grammatical Range and Accuracy:文法の正確さと複雑さ
必ずしも長いセンテンスを書けば評価されるわけではありません。簡潔かつ分かりやすい文章を書くことが大切です。自分の意見を簡潔に分かりやすい一文にすると、関係代名詞や分詞、and, so that を使った重文、while, although を使った複文や重複分などが自然に多くなります。多様な文章構造を正しく使いこなせると、短い文章でもインパクトを与えることができます。文の正確さ以外にも、複雑な文章構造を持つ文を書くことが高得点を取るためには必要となります。
複雑な構造を持った例文:Those who advocate implementing a judicial process of set punishments may argue that this would make criminal trials more efficient.
- 単文とは:一つの文において、主語・述語の関係が1回だけで成り立っているもの。 例文:Sugar makes people unhealthy.
- 重文とは:2つの文が and、but、or などで繋げられている文。 例文:Sugar makes people unhealthy and it harms their teeth.
- 複文とは:一つの主節と一つ以上の従属節がつながった文。Although、after、before、because、even if、asなどを使用した分のことです。 例文:While some people will support it, others will be against it.
- 重複文とは:二つ以上の主節と一つ以上の従属節がつながった文です。つまり、重文と複文を繋げた文章です。 例文:Actually, I want to walk the dog because I love exercising , but I can only do that in the evening after dinner because I work during the day time.
ライティングで8.0を取るための勉強法
IELTSのライティングは採点基準も厳しく、なかなか日本人の方で8.0を狙うことは現実的に難しいため、ライティングは6.5~7.0を目指しましょう。ミニマムスコアがどのセクションも7.0を定められている機関もありますので、7.0は必須の方もいらっしゃいます。7.0を目指すためには以下のことを念頭に置いて勉強していきましょう。
① パート別の対策を練る
まずIELTSのエッセイは4段落で書きます。またタイプ別のエッセイの書き方を学んでください。それを元に書いてみましょう。エッセイはとにかく書くことが大切です。書いて初めて上達します。
その後、サンプルアンサーやモデルアンサー等を参照して、自分とは別の考えに触れましょう。また、そのトピック関連の記事を読み、トピック関連用語や一般的な考えを学び、もう一度書き直します。自分での勉強が難しければ、添削サービスを利用して、自分の間違いと正しい書き方を学ぶのも上達の道です。
ライティングはアウトプットのため、上達にはある程度の時間がかかります。テンプレートなどですぐ点数が上がるのは6.0ぐらいまでですので、それ以上の点数を求めている方は長期で取り組む必要があります。テンプレートからいつ出した表現の仕方が必要です。
② いい文章に触れるためにリーディングは怠らない(ライティングも復習が大事)
ライティングでは、高得点のサンプル解答を参考にすることもできますが、実際7.0以上の目標点数を取るには、プロの書いた「いい文章」に触れることが大切です。「The Economist」などの雑誌をお勧めします。英国大学院では必ず読むことが勧められる雑誌です。読者を引き付けるための文の構造、書くテクニックや文の流れ、話の展開などに気を付けて読んでいきましょう。最近の流行語やトピック別用語も一緒に学べるので一石二鳥です。気の利いた表現をどんどん盗んできましょう。
③ 分野別単語(Topic Specific Words)を覚える
語彙力を増やす方法としては、トピック特有の単語を覚えていきましょう。ライティングで高得点7.0以上を取るためには、分野別単語なしでは対応できません。常にそのトピックの関連記事を参考にして、知らない単語に出会う度に語彙を増やしていきます。
例えば、以下は Advertisement(広告)に関連した分野別単語です。
celebrity endorsement
marketing strategy
target marketing
information overload
censorship
media outlets
スピーキングの概要と対策
スピーキングは意外と点数がとりやすいセクションですが、流暢にお話できることが8.0の条件です。アカデミック用語をたくさん使用する必要があると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、パート3の部分でコロケーションやイディオムなどを多少使えていれば十分に8.0を狙えるでしょう。8を目指す場合はいかに適切な表現を使って具体的に話せるかが鍵となります。
スピーキングの採点基準を確認しましょう。以下の4つです。
- Fluency and coherence (流暢さと首尾一貫性)
- Lexical resource (語彙力)
- Grammatical range and accuracy (文法の正確さと複雑さ)
- Pronunciation (発音)
また、下記のIELTSの公式” Band Description” を参照して、バンドスコア 8.0以上のスピーキングには何が求められるのか把握しましょう。
流暢さと首尾一貫性 | 語彙力 | 文法の正確さと複雑性 | 発音 | |
定義 | – speaks fluently with only occasional repetition or self-correction; hesitation is usually content-related and only rarely to search for language – develops topics coherently and appropriately | – uses a wide vocabulary resource readily and flexibly to convey precise meaning – uses less common and idiomatic vocabulary skilfully, with occasional inaccuracies – uses paraphrase effectively as required | – uses a wide range of structures flexibly – produces a majority of error-free sentences with only very occasional in appropriacies or basic/ non-systematic errors | – uses a wide range of pronunciation features – sustains flexible use of features, with only occasional lapses – is easy to understand throughout; L1 accent has minimal effect on intelligibility |
日本語訳 | – 流暢に話すことができる。課題によっては言い淀み、繰り返しや、また/あるいは言い直しが時々みられるが 非常にまれである。 – 一貫性をもって話を適切に発展させることができる。 | – 豊富な語彙を柔軟に使用して、 正確に表現することができる。 – あまり一般的でない語(アカデミック用語)や、慣用表現、コロケーション(連語)を適切に使用しており、誤用はごく稀である。 – 言い換えを効果的に行うことができる。 | – 様々な文法構造をもったセンテンスを使うことができる。 – 文法的間違いは稀にみられるが、誤りのない文が多い。 | – 特有のイントネーションを持った様々な語句を適切に使うことができる。 – 発音上の間違えは些細なものであり、あったとしても非常にまれである。 – 非常にわかりやすく、アクセントによってコミュニケーションが妨げることは稀である。 |
- Fluency and coherence:流暢さと首尾一貫性
沈黙、言い直し、繰り返しを最小限に抑えます。質問の意図を汲み取った上で具体例を入れ、わかりやすく説明しましょう。 - Lexical resource:語彙力
ライティングと同様の評価基準です。幅広い語彙を正しく使い、同じ表現や単語を繰り返し使わず、語彙の豊かさを強調しましょう。 - Grammatical range and accuracy:文法の正確さと複雑さ
こちらもライティングの採点基準と同じく、幅広い文法を正しく使えているかどうかが判断されます。関係代名詞、分詞等を取り入れて複雑な文法表現が口頭でもできるように練習しましょう。 - Pronunciation:発音
理解しやすいクリアな発音ができる。この発音はアクセントのことでなはく、正しいイントネーションが出来ているかが問われますので、単語を覚える時は必ず正しい発音をチェックして使えるようにしましょう。
スピーキングで8.0を取るための勉強法
① パート別の対策を練る
スピーキングは3つのパートに分かれていますが、パート別に採点の比重が違うわけではありません。すべて平均的にスピーキング力、英語のコミュニケーション能力が問われます。
パート1で聞かれることは日常的なこと、例えば家族、仕事、趣味等です。難しい単語を使う機会がパート1ではないと思いますので、カジュアルな回答でスピーキングの流暢さを前面に出しましょう。
パート2はスピーチ形式です。ここでは2分間、時間いっぱいまで話すことが大切ですので、トピックカードの3つのガイドラインに沿って答えるだけではなく、必ず具体例をいれるなど、内容を肉付けする練習をしましょう。
パート3は、日常会話から離れた抽象的な質問や、ライティングの課題のような社会問題に対する質問をされます。ここでは自分の考え+理由+具体例、詳細を付けてフルアンサーを心がけましょう。2つの事柄について聞かれた場合、その2つの事柄を対比させ、共通点と異なる点を指摘します。最近の社会問題の傾向を話した場合は、それに対する自分の考えも話す、もしくは問題点があれば解決策でまとめるなど、自分のパーソナルな意見や考えに結び付けることができれば 8.0も実現可能です。
② レコーディングする
スピーキングでは、自分の回答を録音してフィードバックをしていきましょう。文法のミステイクを見つけたり、もっといい表現ができないかをクリティカルに判断し、常に改善点を見つけていきます。初級者はどうしても回りくどい言い方をしてしまいがち。より簡潔に、適切に話せるかどうか確認していきます。また、反復表現はないかにも注意しましょう。よくありがちな理由が理由になっていないなどのミスはしないようにしましょう。
③ ひたすらアウトプットの練習する
録音した自分のスピーキングを聞いて、改善点を見つけ、納得するまで練習を繰り返しましょう。スピーキングはアウトプットの機会を増やすことが直接、流暢さにつながります。高得点を取るにはただ話せるのではなく、反復表現や冗長表現を減らし、多くの情報を簡潔に言えるように練習しましょう。
スピーキングとライティングで高得点をとるためには、独学だと多大な時間を要することになってしますので独学と組み合わせることができるコースを併用していち早いスコアアップを目指しましょう。
IELTS8.0 達成のためのおすすめ教材
IELTSスコア8.0を目指す場合におすすめの教材は、ケンブリッジの問題集
(1-19)です。いわゆる模擬問題集と言われているナンバーシリーズになります。解説はついていませんが、本番に近い形式と難易度ですので、リーディング・リスニングは自分の正答数でスコアを把握することができます。
まとめ
IELTSスコア 8.0 は、ネイティブ並みの英語力が必要です。そのため、しっかりとバランスよく4つの技能の対策を長期でする必要があります。リスニングとリーディングで高得点をとれれば日本人でも十分達成可能なスコアです。しいては英語上級者になることですので、英語の文法などの土台がしっかりしている必要があります。語彙力は常に磨くことを心得ておきましょう。
戦略としてはリスニングとリーディングで高得点を稼ぐ必要があるので、リスニングとリーディング力の強化対策は常に行いましょう。継続的にコツコツ対策を進めることを心がけましょう。
高得点を目指す方の多くは、独学に限界を感じる方が多いのも事実です。時間が無限にある方は少ないです。実際に8.0を取得しているプロの講師からのレッスンを受けることは効率的にかつ時間を短縮されるためにも必要な投資になるでしょう。高得点を取るためには独学は必須ですので、独学と組み合わせて無理なくやれるレッスンを選びましょう。
IELTS8.0⁺を目指すなら
チケット制で無駄なく独学に組み入れる