ロジカルシンキングって何?
ロジカルシンキング、いわゆる論理的思考とは、物事やアイデアに対して論理的に筋道を立てて矛盾がないように結論へ導く考え方です。
簡単に言うと、事実に基づいた筋道が通ったアイデアであることです。
なぜ必要なの?
ロジカルシンキングは、試験対策でもライティングやスピーキングなどで自分の意見を説明する場面で非常に大事になります。
これから留学をする人が英語能力の証明としてIELTSやTOEFLの試験を受験するだけでなく、海外の大学や大学院ではロジカルな考え方は必須。デスカッションやグループワークを行う上で特に大事な考え方となります。
ビジネスシーンでは、意思決定の質の向上、コミュニケーション能力の向上、問題解決能力の向上、業務効率化など、ビジネスを円滑に進めるための重要なスキルと言えます。
ロジカルシンキングの例
では、まず、ロジカルシンキングについて理解を深めるために「ロジカルでない考え方」と「ロジカルな考え方」の例をライティングの課題を題材にして見てみましょう。
Access to clean water is a basic human right. Therefore every home should have a water supply that is provided free of charge.
Do you agree or disagree?
ロジカルでない考え方の例
水は確かに基本的人権だ!! ➡ 生きていく上で必要不可欠なものを政府が提供するのは当たり前。
という、自分の願望や一方的な意見を含めた結論に至ることが多々あります。
しかし、この考え方が成立するとすると、たくさんの国で水は無償で提供している例がなくてはいけません。しかしそれはありません。
また、「基本的人権」イコール「無償で提供」を説明することもできません。例えば、人間は生きていく上で食べないと死んでしまいます。食べるものも人権の一つです。しかし食べ物も無償に提供していますか?
このように、事実や他の例などと照らし合わせた時に矛盾が生じてしまう。これはロジカルな考え方ではありません。
ロジカルな考え方の例
自分の願望や考え方を一切捨てて、ニュートラルな立場で分析することから始めます。
「基本的人権」イコール「無償提供」という考え方は事実上当てはまりません。先述したように食べ物は無償ではありません。人によっては生きる上で大事な薬や治療も無償ではありません。
このように「基本的人権だから無償提供という考え」は一切あてはならないという結論になるでしょう。
そこで…
「水は、確かに生きる上で最低限のものでありますが、事実上どこの国でもチャージしています。その背景には何があるのか?」
について考えてみましょう。
「Why So?(それはなぜ?)」の問いかけを繰り返して、きちんと上下に因果関係があるかを確認していくことが必要です。
昔にさかのぼってみましょう。日本では井戸がありました。井戸の水を飲み水として使っていましたね。でも井戸の水は衛生的な問題があり、人々が病気になることもありました。
そのため、安全で安定した水を供給するために、浄水場や水道管などの大規模なインフラ整備が必要だったからです。江戸時代から課金制度がありました。
近代では、もっと大規模なインフラ整備と時代にあった環境的な目的で課金するシステムにもなっています。
水は、石油と同様に地球上の限りない資源でもあります。使えば使うほど減っていくものです。無料で供給すると無駄遣いをする人はどうしても避けられないでしょう。
ロジカルシンキングを鍛える方法
では、どのように論理的思考を鍛えることができるのか?
題材は、エッセイ課題、解決策を必要とする題材など、たくさんあります。
たとえば「自分の今必要なこと!」を将来のゴールを見定め、そのルートを考えてみましょう。
題材となるトピックについて、「どうしたなのか、なぜか」と具体的に分析して、説明だてる。
題材となるトピックについて、「どうしたなのか、なぜか」と具体的に説自分の理由の説明が、事実や過去の事例に当てはまるかを考える。
→例外の可能性があれば、その可能性についても漏れなく取り上げる
ここで大事な考え方は、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とは言い、事象を「モレなく、ダブリなく」捉え考えることです
最終的な結論は、一番可能性の現実性の高いものや、事実上可能なものを選びましょう!
クリティカルシンキングとの違いは?
クリティカルシンキングは、批判的思考と言います。ある考えや前提が正しいかどうかを、論理的・多角的に考える思考方法です。自分の考えに左右されず、客観的な視点で分析することが求められます。
クリティカルは、「批判的、懐疑的」という意味。なので「自分の考えを常に疑う姿勢」を持ち、客観的に事実を捉えることが求められます。
つまり、クリティカルシンキングの結果を、懐疑的にみることです。「他の人の批判的な意見はないか?あるとすると何か?」、「例外はどのように説明するか?」などなど。
クリティカルシンキングをさらに上に行く考え方で、ロジカルシンキングにプラスして取り入れると、さらに落ち度のない考えとなるでしょう。
まとめ
ロジカルシンキングは、事実に基づき、筋道の通った考え方です。鍛える方法は日常生活の中では、たくさんあります。また、考える力を養うことになります。
IELTSやTOEFLなどのスピーキング、ライティングなど試験対策には多いに役立つ思考です。それだけでなく、ビジネスシーンでも、ロジカルな考えをもとに自分の意見を説明する必要があるので必須ともいえるかもしれません。
特に、海外大学、留学などをお考えの方は、事前に鍛えておくべき考え方なので、日常生活の身近なトピックから実践していきましょう。