旧型式から新形式TOEFL iBTの変更点


TOEFLを運営するアメリカの教育団体(ETS)は、TOEFL iBTの試験時間を1時間短縮した新形式のテストを2023年の7月下旬より開始いたしました。

このブログでは、旧形式から新形式への「変更点」についてお話します。
今後TOEFL iBT受験を検討されている方には無駄を省くためにも重要な情報となります。

大きな変更点は「試験時間の短縮」、「ライティングのタスク2の変更」でエッセイ問題からAcademic Writing Taskになりました。逆にスピーキングはほぼ変更なし、リスニングとリーディングは設問数の減少で設問形式に違いはありません。

変更点①: 試験時間

旧型式では約3時間の試験時間が、約2時間へ変更になりました。
この1時間の短縮に伴い、問題数が少なり、インストラクションが簡潔化しました。しかし、Reading、Listening、Speakingの出題形式、各設問と難易度には変更はありません。各セクションの変更点については、以下の通りとなります。

Reading

旧型式ではパッセージ数が3~4ですが、新形式では2つに変更(設問10問ずつは変わりなし) になります。以前は、スコアに加算されないダミー問題があり、パッセージ数にばらつきがありましたが、新形式ではダミー問題は完全に撤廃。試験時間も約35分と大幅に短縮されます。 

旧型式新形式
パッセージ数3~42
時間54~72分35分

Listening

旧型式の設問数は28~39問ですが、新形式では28問へ変更になります。Readingセクションと同様、スコアに加算されないダミー問題の撤廃で、試験時間も約36分になります。 

旧型式新形式
設問数28~39問28問
時間41~57分36分

Speaking

特にタスク数などに変更はありませんが、各セクションのイントロとナビゲーションが簡素化するため、試験時間が17分から16分(約1分の短縮) しました。

Writing

旧型式では Integrated Task(統合問題)と Independent Task(独立問題)の合計2問から構成されていますが、新形式では Independent TaskがAcademic Discussion Taskという新しい形式に変更になりました。
それに伴い試験時間も、50分から29分へ短縮されます。

旧型式新形式
出題形式Integrated Task 1問 (20分)
Independent Task 1問 (30分)
Integrated Task 1問 (20分)
Academic Discussion Task 1問 (10分) 
時間50分30分

Academic Discussion Taskとは?

新形式で問われるAcademic Discussion Taskとはどのような問題なのでしょうか?
これは、Instruction、教授の質問、それに対する他の生徒の回答を読んだ後に、自分の意見を述べるタスクとなります。上記の表の通り、解答時間も10分と大幅に変更されています。
このタスクへ変更になった背景として、オンライン上で「他の生徒の意見を参考に自分の意見を述べる」と言ったようなディスカッションのシチュエーションが増え、現代のオンラインでのレッスン形式への移行に即した変更と言われています。IELTSに比べ、よりカレッジや大学教育を意識したTOEFLだからこその変更と言えるかもしれません。 

問題例

Your professor is teaching a class on business. Write a post responding to the professor’s question. In your response, you should  

  • Express and support your personal opinion 
  • Make a contribution to the discussion in your own wards 

An effective response will contain at least 100 words. You have ten minutes to complete this task.  

Q:  We are all exposed to a lot of advertising especially on the internet. And of course business spend a lot of money o create a distribute advertising. Before next class, I would like for you to discuss this question: 

Is advertising just a way of manipulating people to buy things they do not need, or is it an important source of information that helps people make informed consumer decisions? 

変更点②: 休憩時間の撤廃

旧型式ではReadingとListeningテストの終了後、10分ほどの休憩がありました。 
しかし今回試験時間が約3時間から約2時間という時間短縮に伴い、休憩時間が撤廃となりました。長い時間のテストだとどうしても集中力が切れがちですので、このニュースは受験者にとってはメリットになると思います。

旧型式新形式
ReadingReading
ListeningListening
休憩Speaking
SpeakingWriting
Writing

採点基準やスコアへの影響はあるの?

<採点基準>
Writingセクションのみ、Independent Writing RubricsがAcademic Discussion Rubricへと変更になりますが、引き続き「AIと採点官による採点」での実施となりますので、採点基準などに変更はないと考えましょう。 
 
<スコア>
1セクションあたりのスコア配分が「30点ずつ」と変更はありません。Readingセクションのみ、パッセージが2つ (20問)になるため、1問あたりの採点配分が高くなります。 

新形式への対策

受験者が変更によって教材を買いなおす必要はないでしょう。リスニング、リーディング、スピーキングの設問形式は以前と同じですので、昔の教材はそのまま使用できます。

ライティングのタスク2のAcademic Discussionが新しく導入された部分ですので、こちらは新しく教材をそろえたりするなどして書き方やテンプレートを学びましょう。

まとめ

  • 試験時間が約3時間から2時間へ短縮。さらに受験がしやすくなります。
  • Readingパッセージが2つ(合計20問)へ変更
  • ReadingとListeningセクションのスコアに加算されない問題(ダミー問題)の撤廃。テスト準備への努力が最大限にスコアに反映
  • 各セクションのInstructionとナビゲーションの簡素化
  • 休憩時間の撤廃
  • Writingセクションの問題がAcademic Discussion Taskへ変更。これに伴い、回答時間がこれまでの3分の1に短縮
  • 受験料金に変更はなし
  • 今後変更になることもあるので、TOEFLホームページなどで情報は定期的に確認しましょう

新形式TOEFL対策なら

Metropolitan Academy of English

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