IELTS スピーキング┃やってはいけない Mechanical Speaking

IELTSのスピーキングでは解答を暗記すべきか

IELTS のスピーキングでは、日常的な会話からIELTS特有な質問など、ある程度考えを持っておかないと試験本番では全然答えられない、ということになってしまうでしょう。そのため、用意してきたスクリプト(台本)を暗記してしまうこともあるでしょう。

しかし、質問に対して、暗記した回答で、考えることなくすぐに答えが返ってくると、メカニカル(自動的、機械的)なスピーキングと判断され (いわゆる棒読み)、高得点が出にくくなります。

たとえ内容がよく練られていて、スラスラと流暢に話すことができたとしても、なかなか6.0-6.5の壁を超えることができません。
「ネイティブの友人からはとても英語がよく喋れると褒められているのに、IELTSのスピーキングテストでは5.5しか取れなかった」と悩んでいる生徒様も実際に何人もいらっしゃいました。

もちろん、事前にトピックごとにおおまかな内容を考えておくのはスピーキング対策としては必須ですが、文全体を覚えることはやめましょう。暗記は絶対に避けることです。

ネイティブでも考えた事のない質問は、少し間をおいて答えるのが自然です。その質問に対して第2言語の英語習得者が、すらすらと言えることに試験官が不思議に思うのは自然なことです。


IELTS スピーキング試験で「メカニカル」と捉えられるポイント

  1. 難しい質問でもすぐに答える(間投詞が少なすぎる)
  2. 話すスピードが速い
  3. 話すスピードに変化がない
  4. イントネーションに乏しい

スピーキングでは、常に友達や知り合いと話しているような「自然な会話」を心がけましょう。つまりスピードはあまり関係なく、スピードに変化を加えて、イントネーションの強弱をつけましょう。イントネーションはて英語の自然な会話にはとても大事な要素です。

「メカニカル」を避ける4つの理由

1. 難しい質問でもすぐに答える(間投詞が少なすぎる)

IELTSのスピーキング試験では、Business や Art、Educationなど、トピックごとに質問をされます。
そのため、先ほど述べたように、事前にトピックごとにおおまかな内容を考えておくことは重要です。

例えば、IELTSのスピーキング試験のPart 1で、

Tell me about your favorite musician.


と聞かれた場合は、

“Tylor swift” “American singer-songwriter” “the most favorite song is 1989” など、キーワードを連想できるようにしておきます。

どのミュージシャンについて話すか決めておいたり、自分があまり音楽に興味がない場合はその時の回答を考えておかないと、焦って必要以上に考える時間を取ることになったり、文法を誤って答える原因にもなります。ですので考えを持つことは大事と言えます。

しかし、丸暗記してしまうと、メカニカルと判断されるだけでなく、覚えたその通りに答えなきゃいけない、という意識が働いて、言い間違いを誘発する恐れがあります。そして前もって覚えておいたことを思い出そうとして、その間、「沈黙…」してしまいます。

もちろん、回答に詰まってしまうことは誰にでもあります。
その時は、間投詞(フィラーと言います)をうまく使って、自然な英語に聞こえるようにしましょう。
間投詞を適切に使うことで、難しい質問の回答を考える時間を稼ぐこともできます。

間投詞の例

Er… let me think…
Q: What do you think are the most common causes of road accidents?
A: Er… let me think… I would say there are two main causes…

Hmm… that’s a good question…
Q: Is listening to the radio more beneficial for children than watching TV?
A: Hmm… that’s a good question. I guess it is, because…

Actually… I’ve never really thought about it…
Q: Why do teenagers love texting their friends?
A: Actually… I’ve never really thought about it… It might be, because they…

Umm… (repeat the question)
Q: Where do you see yourself in ten years’ time?
A: Umm… Where do I see myself in ten years’ time?… Maybe, I will…

Well, you know …
Q: Would you give up your car and cycle to work?
A: Well, you know… I work quite far from home…


2.話すスピードが速い

速く話すことが点数につながるわけではありません。厳密に言うと、「早口」と「流暢」は全く別の定義となります。

特に、日本人は多かれ少なかれアクセントがあるため、ネイティブスピーカーがしっかりと聞き取れるように話すことの方が大切です。(articulation または enunciation と言います)

少しゆっくりと答える方が、「しっかりと考えて答えている」と落ち着いた印象を与えることができます。また、スピードが速いと焦っている印象を与えるほか、覚えたことを一機に言いたいからだと思われることもあります。また発している言葉に重みがなく、意味がないことを並べているだけに聞こえることもあるでしょう。「Speaking Slowly」にはたくさんのベネフィットがあると認識されています。

①Feeling more relaxed and in control, which is critical when presenting
(プレゼンをする時に、自分のスピーチをコントロールしてリラックスするのに役立つ)
②Your words have more weight and power
(言葉に重みとパワーを感じる)
③The audience has an easier time following your presentation you aren’t overwhelming them with too much information
(たくさんの情報で利き手を圧倒することはなく、プレゼンの内容を理解してもらいやすい)
④You are able to inject more emotion, passion and emphasis into your words because you aren’t rushing to get to the next sentence
(言葉を発するのに急いでいないので、感情移入をすることができる)
⑤You come across as more relaxed, steady, confident and knowledgeable
(リラックスして落ち着いた、自信に満ちた博識の印象を与える)

自分の意見をしっかりと伝えること。つまり伝わる英語を話すように意識することで、コミュニケーション能力をアピールすることにつながります。

自然なスピードよりもちょっと遅めのスピードの例を「Tedtalks」から引用しました。参考にしてみてください。

3. 話すスピードに変化がない

ネイティブスピーカーは自然に話すスピードに変化を付けています。
ポーズ(サイレンス)もうまく使っていきましょう。

話す速さを Slow down, Speed upすることで、とても自然な英語に聞こえるようになります。
例えば、以下のように、ポーズが入ると自然に聞こえやすくなります。

Let me see…………., well…………., the other day, I am ………… kind of bored………….. so, I called my friend to go shopping … where was it??? Oh.. yes………… the mall….


ただし、不自然なところでポーズを入れたり、急に速度を劇的に変えないようにしましょう。
上のような回答だと、theとotherの間にポーズが入ってしまうと、言葉のまとまりを考えた時に不自然になります。
「ポーズを取ること」と「沈黙で詰まってしまうこと」は全く違います。「ポーズを取ることで、スピードを自然にコントールする」という役目があります。逆に、沈黙は適切な表現や言葉が見つからないので、黙ってしまう、そのため、結局言い直したり、うまい表現が見つからず周りくどい表現につながってしまいがちです。

4. イントネーションに乏しい 


単語の発音や、アクセントの位置(強く読むところ)を間違って覚えていたり、強調すべきところを強調できていないと「イントネーションに乏しい」と判断されます。以下の単語のアクセントを確認しましょう。

正しく覚えられているでしょうか?

英語は、アクセントの位置が違うだけで全く聞き取ってもらえなくなります。

  • specific [spɪsífɪk]
  • professional [prəféʃənl]
  • separate [sépərèɪt]

単語の発音と、アクセントの位置は、オンライン辞書や、Googleで「発音を調べたい単語 + pronunciation」と検索するとすぐに確認することができます。

また、単語帳など、紙ベースで単語を覚える際には、自分で発音記号を読めるようにしておくことが非常に効率的です。単語のスペリングだけ覚えて、発音を覚えていない場合は実際に使えないことになるので無意味です。音と一緒に覚えることで、単語も覚えやすくなるため、ぜひ声に出しながら、音を確認しながら単語の勉強をしましょう。

単語の正しい発音も大事ですが、言いたいことは文の塊で表現しますので、文全体が単調だととても聞きづらくなってしまいます。
必ず正しい発音・アクセントと、文の中で強調する語を強く意識するようにしましょう。
以下の文では、veryを強調することで、ナチュラルに、人間らしく聞こえます。

“I’m very happy to meet you.”

※文末を上がり調子に発音してしまったり、疑問詞を使った文では上がり調子で終えてしまわないように注意しましょう。

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メカニカルスピーキングの対策

機械的な話し方やイントネーションの欠如などの問題は、音読をしましょう。音読とは、声に出して読むこと。音声とスクリプトを見ながら行います。音声を一文聞いて、その後を追ってスピーカーの真似をする形で続けます。語彙力・読解力、しいてはリスニング力の向上にもつながります。

また、音読をすることで、発声に慣れて滑舌が良くなったり、声を出すことへの苦手意識も軽減されたりするでしょう。そのため、普段のコミュニケーションにも効果が発揮されます。

音読をする上での注意点です。

  • 音読の効果は、毎日継続することで最大化します。習慣化していきましょう。
  • 読む文章を定期的に変える
  • 大きな声で読む

日々の英語の勉強に音読練習を取り入れて、メカニカルなスピーキングの問題を克服しながら、スピーキング力を高めましょう。

音声はオンライン上の「TedTalks」 やお持ちの教材、Podcast など、自分のレベルにあった音声であれば何でも構いません。

やってはいけない!メカニカルスピーキング まとめ

IELTS スピーキングでは暗記はメカニカルなスピーキングと判断されるため、いわゆる「棒読み」は避けましょう。当校では回答を覚えることは絶対にお勧めしておりません。

対策として、音読練習を取り入れ、ポーズやスピード、イントネーションに重点をおいたスピーキングの練習が大切です。IELTSのスピーキングは、試験といえども試験官との対話であることを認識しましょう。

🍁本場カナダからお届け🍁

Metropolitan Academy of English

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