IELTSアカデミック VS ジェネラル モジュール
IELTSにはアカデミックとジェネラルの2つの種類があり、どちらの試験を受けるかは目的によって異なります。
IELTSアカデミックは留学や進学に必要です。
IELTSジェネラルは、海外移住・永住権申請、もしくは就職活動等に役立てる場合に必要です。
試験内容のいずれもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングで構成されていて、試験時間も約3時間と同一です。リスニングとスピーキングは共通の問題になりますが、リーディングとライティングはそれぞれのモジュールで出題内容が異なります。多くの受験者が留学や進学目的にIELTSアカデミックを受験しています。
※IELTS for UKVI(英国ビザ申請用IELTS)とは英国ビザ申請用のために英語能力を証明するものです。IELTS for UKVIにも2つ種類があります。
- IELTS for UKVI Academic・・・IELTSのアカデミックモジュールと内容は変わりません。
- IELTS for UKVI General・・・IELTSのジェネラルモジュールと内容は変わりません。
IELTS for UKVIについてのページは下記から
IELTS アカデミックとジェネラル共通項目
IELTSアカデミックとジェネラルの共通項目はリスニングとスピーキング、リスニングは約45分程度で音声を聞きながら、40問の設問に答えます。スピーキングは面接形式で14分程度です。
その他、1~9まで0.5刻みのバンドスコア,受験料、申し込み方法などに違いはありません。試験日程や頻度ですがペーパー版の場合はアカデミックの方が頻度が高く行われています。コンピューターの場合はアカデミックと同様の頻度で行われています。
では、アカデミックとジェネラルの違いについて各モジュール別にご説明します。
IELTS アカデミックについて
IELTSアカデミック モジュールの構成と流れ
IELTSアカデミックモジュールは、カナダやイギリスなどの英語圏のカレッジ、大学や大学院への留学を目的としている方が必要となります。各大学の必要な英語のレベルに達しているか評価する際に用いられるテストです。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学では、アカデミックのスコアの提出がないと入学が許可されません。カナダ、アメリカの大学ではIELTSかTOEFL、どちらの試験のスコアを提出するか選ぶことができます。他の大学でも、ほとんどの場合はIELTSかTOEFLのどちらかを選べます。
IELTSの試験の流れはコンピュータテストとペーパーテストで異なります。下記はペーパーテストの順番ですが、コンピュータテストでは、リスニング ➡ リーディング ➡ ライティング ➡ スピーキング(同日)で行われます。
- 試験の流れ (アカデミック・ジェネラルモジュール共通)
日本で行われるIELTSのペーパーテストの順番
試験の説明、解答用紙に名前などを記入
ライティング 60分
リーディング 60分
リスニング 40分
スピーキングは別日に行われることもあります
スピーキング 14分
IELTSアカデミックのテスト内容
アカデミックのテストはリーディング、リスニング、スピーキングとライティングの全4技能のテストです。こちらはジェネラルモジュールも同一です。
テストの所要時間は、約3時間弱。アカデミックのライティングとリーディングは、ジェネラルと違い、難易度が高いです。そのため、リーディングの各スコアに必要とされる正答率は、ジェネラルより低く設定されています。学術的な内容のリーディングを読むために語彙力の強化は必須です。ライティングでは、大学で提出するアカデミックエッセイの基本を知っておく必要があります。
リーディングにおける正解率の違い
【アカデミックリーディングのスコア換算表】
Band スコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
Score (素点) | 39-40 | 37-38 | 35-36 | 33-34 | 30-32 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 13-14 | 10-12 | 8-9 |
【ジェネラルリーディングのスコア換算表】
Band スコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 |
Score (素点) | 40 | 39 | 37-38 | 36 | 34-35 | 32-33 | 30-31 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 12-14 |
スコアの付け方
IELTSのテスト結果は合格、不合格という評価ではなく、9を満点とするバンドスコアで換算され、1から0.5刻みで評価されます。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各セクションのバンドスコアとその平均値で示されるオーバーオールバンドスコアが出されます。
【スコア例】
L:6.0
R:5.5
W:5.5
S:6.0
この場合は4つのセクションを足して4で割って総合バンドスコアを算出します。6.0+5.5+5.5+6.0=23÷4=5.75
5.75の場合は6.0に繰り上げされます。しかし、仮に5.70の場合は5.5に繰り下げされます。
教育機関によっては、各セクションごとの最低バンドスコアを設定していることもあります。カレッジや専門学校入学にはだいたい 5.5 から6.0の総合バンドスコアが必要で、大学や大学院では、だいたい 6.5から7.0以上のスコアが必要です。
IELTS ジェネラルについて
IELTSジェネラル モジュールの構成
IELTSジェネラルトレーニング・モジュールは、英語圏への移住や移民を希望している人が、ビザを申請する際に英語力を証明するためのテストです。移民するためには、他の条件(大学卒、職種、年齢等)との関係で、ある一定のスコアを取ることが求められます。ジェネラルの内容は日常生活や職場でのやり取りの課題が多く、移住してからの生活に必要なスキルを問われます。
自分の英語力を知りたい、もしくは就職や昇進などのために英語能力を証明するにはジェネラルがよいでしょう。
具体的な目的はない方でも英語力を試す為に受験をする場合、日常で使う英語がでてくうので役に立ちます。ジェネラルでは、バンドスコアは6.0ぐらいを目指し、6.0以上のスコアが取れれば履歴書にも書いてアピールしましょう。
IELTS ジェネラルのテスト内容
テスト科目と所要時間は、アカデミックと同様に約3時間弱です。
ライティングとリーディングの問題については、アカデミックと内容が異なり、難易度が低く設定されています。
ライティングはタスク1とタスク2があり、合計60分のテストです。アカデミックとの違いはタスク1のみ。タスク2のエッセイは基本アカデミックと同じです。ジェネラルのタスク1では、会社などに依頼・苦情・お礼・お詫びなどの内容のフォーマルレターと、友人や家族などに宛てて書くインフォーマルレターを書くことが要求されます。どちらがレター形式が出題されるかは事前に分からないようになっています。タスク2はアカデミックと同様に250文字のエッセイを書きます。こちら2つのタスクを60分内に終わらせます。タスク1が約20分でタスク2が約40分で終わらせるように指示されますが、どちらに多くの時間を費やすかは任意で決めることができます。タスク2の方が点数の比重が大きいと言われていますのでタスク2に時間を費やすようにしましょう。
ライティング(60分) | アカデミック・モジュール | ジェネラル・モジュール |
タスク1(20分) | 3つのタイプのリポート ・図表の説明 ・地図問題 ・プロセスマップ | 2つのタイプの手紙 ・フォーマルレター ・インフォーマルレター |
タスク2(40分) | アカデミックエッセイ | アカデミックエッセイ |
リーディングでは、セクション1から3までに分かれており、セクション1では、2つのショートリーディング(約1ページ分、300~350文字)が出題されます。セクション2も2つのショートリーディングが出題されます。内容は、アカデミックと内容が異なり、日常生活で使われる一般的な内容のリーディングが出題されます。職場のルールやアパートを借りる条件等の内容です。パート3は長文(900 文字程)になります。パート3に関しては、アカデミックのセクション1と同等の難易度です。ジェネラルのリーディングは内容が理解しやすいため難易度が低く、スコアを取るために必要とされる正答率はアカデミックより高く設定されています。上記のリーディングの正解率を参照してください。
リーディング(40問60分) | アカデミック・モジュール | ジェネラル・モジュール |
セクション1(パッセージ1) | パッセージ1は2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション1は短文2つ 内容は広告などや宣伝 設問は各文6-7問で計12-14問 |
セクション2(パッセージ2) | パッセージ2も2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション2も短文2つ 内容は職場関連 設問は各文6-7問で計12-14問 |
セクション3(パッセージ3) | パッセージ3も2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 | セクション3は2ページに渡る長文 学術的な内容 設問は約12-13問 |
IELTSアカデミックとジェネラルの違い まとめ
IELTSアカデミックとジェネラルは、リーディングの問題と、ライティングのタスク1が違います。スピーキングとリスニングに違いはありません。
ジェネラルのリーディングは、パッセージ1&2が2つのショートリーディングですが、アカデミックでは学術的な長文が3つ出題されます。ジェネラルのライティングのタスク1は、フォーマルレターとインフォーマルレターのどちらかの記述を求められますが、アカデミックでは図表の解析・リポートが求められます。
IELTSのアカデミックかジェネラルか、どちらを受験するかは自分の目的によって異なってきます。
IELTSアカデミック&ジェネラル対策どちらも対応